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簡単にわかるフィンテック解説

JIJICO 2017年1月25日 11時0分

フィンテックとは?

フィンテックとは、金融(Finance)と技術(Technology)を組み合わせた造語、あるいは「Financial Technology」の略語で、ITを活用した金融に関連するサービス全般を指します。
そのため、その範囲はITという言葉と同じように非常に広く、特定の商品やサービスを指しているものではありません。
この言葉が使われ始めたのは2003年頃からと言われていますが、和製英語ではないので海外でももちろん通じます。

フィンテックに分類されるサービスは、お金に関わるものでITでやりとりされるもの全般を指しますから、身近なところでは最近リリースされたApple PayやEdy、Suicaに代表されるような電子マネーのサービスや、ネットバンキングもそれに含まれますし、インターネットによる株や為替の取引ももちろんこの範疇です。
また、最近急激に導入が進んでいるSquareやCoineyなどの個人向けクレジットカードの決済サービスや、レシートをスマートフォンのカメラで読み込むだけで買ったものが自動的に登録されるクラウド家計簿サービスなども含まれるでしょう。

フィンテックによって便利になったもの

最近ではインターネットの発達と普及により、一瞬にして全世界がつながるようになりました。
回線速度が遅かった従来では、時差もある海外との通信や取引は数日間かかるのが常識でしたが、今日では即座にできるようになり、それに伴って今までは金融機関がある種独占的に提供していたお金に関わるサービスが、急速に一般的かつ、利用者目線になってきました。
その結果、個人でもITを活用してお金のやりとりが手軽にできる時代になってきました。

例えば、指紋認証のみで店頭での支払いができるような仕組みも実際に使えるようになってきましたし、個人間でメールを送るような手軽さで少額の送金ができるようなものもあります。
このようなサービスを使えば、現金を持ち合わせていなくてもいつでも支払いができるという便利さがあります。

フィンテックの問題点

ただ、フィンテックによっていろいろなものが便利になる一方でいくつかの問題もあります。
例えば取引にかかる手続きや審査などにかかる手間がITによって簡素化されれば、その分かかるコストが安くなり、保険や銀行手続きその他の手数料も結果的に安くなるので、ITを使える層にはメリットがありますが、その分高齢者をはじめとしたITを充分に使いこなせない層にとっては割高になるようなケースもあります。

さらに、今後フィンテックがより進化し、健康情報などのプライベートかつ詳細な個人情報と金融情報をもっと密接に関わらせるようなことになれば、ウエアラブル端末によって測定した健康状態を用いて保険料の額を算出したりするような時代も来るかもしれません。
このようにフィンテックは「人間の生活と密接に関わるお金を、ITを介して様々な場面でつなぐもの」なので、利便性の裏側で、今まで使われていなかった個人情報が新たに使われたりするような危険性もあるでしょう。

さらに、様々な情報がITによってつながり、活用されることで便利になる反面、きちんと管理をしないとオンラインでお金を瞬時にだまし取られてしまったり、詐欺に遭うようなケースも増えてくると思われます。
オンラインで瞬時に決済や契約ができるということは、非常に便利ですがその反面、犯罪組織に狙われた場合も瞬時に被害が広がるということです。

フィンテックの進化、拡大はIT時代の当然の流れであり、今後も進んでいくことでしょう。
しかしながら、実際にITを用いてお金をだまし取るような犯罪も近年世界的に急増しています。
そのため、人間生活にとって非常に大切なものであるお金をITを使ってコントロールしていくとき、今後のフィンテックの進化と共にセキュリティ対策に関しても同様に研究、進化させていく必要があるでしょう。

(目代 純平/ITコンサルティング、ITコンシェルジュ)

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