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最近のイジメはインターネットが深刻化を助長する?

JIJICO 2017年2月13日 9時0分

イジメに関するニュースが増えた背景

イジメによる傷害事件や自殺など、イジメに関するニュース報道が多くなっています。
イジメは昔からありましたし、件数もさほど変わらないように思うのですが、どうして近年になってから急に増加したように感じるのでしょうか?
イジメが増加したように感じる背景として、まずはイジメの定義やその広さが一因であるといえます。
加えて陰湿、悪質化傾向にあるのと、インターネットが発達した事による、コミュニケーションと環境の変化が挙げられます。
そしてそのインターネットによって学校外やメディアへの露出が増えた上に、事件性を帯びていて印象に残りやすいというのも大きな要因でしょう。

インターネットの普及でイジメ行為が容易に外部へ拡散

しかし昔とは違ってなぜ近年イジメが増えたように感じるのかは、私は定義の広さ(とりわけ曖昧さ)にあると思います。
イジメといっても悪口や陰口の類を始め、じゃれ合いの延長程度の暴力もありますし
昔はそういった公にならない程度のものがイジメと捉えられていました。
ところが近年になって、インターネットが普及した事も手伝い、その様子を動画で撮影したりネット上で公開するような手段が常套化すると、昔はその場(学校内)や仲間内など周囲の限られた人たちだけで済んでいたものが、公になって広く世間に知れ渡るようになり、メディアにも取り上げられるようになったのです。

イジメが発覚すれば、責任の所在は学校にありと親は学校を訴えだし、こうした一件が警察や裁判沙汰にでもなれば、こぞってメディアが取り上げるので、元々は悪ふざけ程度だったイジメが大ごと化して、世間で大きく騒がれるようになったのが要因かもしれません。

大ごとになるのを恐れ周囲に黙っていることでイジメがエスカレート

ですから何でもイジメだイジメだと大ごとのように仕立て上げてしまうと、実際はちょっとからかわれた程度でも本人は必要以上に大ごとになることを恐れてしまい、余計身動きが取れなくなって1人で悩みを抱え込んでしまう危険性があります。

イジメといっても最初に述べたように程度は様々ですから、ただのからかい程度のものにまで広く知られることを恐れて黙っていると、イジメをする側が段々エスカレートするかもしれません。
挙句の果てには、殺傷事件にまで至ってしまうこともあります。
ですから、お互いがまだイジメとまでは認識しておらず、悪ふざけ程度の抵抗できる初期の段階で、「それ止めて」と相手にキッパリ伝える事が肝心です。

とはいえイジメられている側が1人で立ち向かうのは難しいので、やはり周囲の協力や大人の助けが必要です。
本人がまだ抵抗力のある内にイジメが陰湿化するのを防いでしまえば、イジメが深刻化し殺傷事件になるような事態は避けられるのではないでしょうか。

本人にとっても黙ってされるがままにならないように、悪ふざけやからかわれているだけのイジメと暴行事件との違いをしっかり認識してもらい、最初から「止めて」と相手に伝えられる勇気を身に付けてもらう事が有効なイジメ対策に繋がるのかもしれません。

(宮本 章太郎/心理カウンセラー)

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