免疫力とは?
免疫力とは、身体が病気などに対抗する力のことです。
私たちの身体はウイルスなどの外敵や体内で発生する癌細胞などに日々脅かされています。
こうした脅威から私たちを守り、健康な日々を過ごせるというのも、免疫力のおかげなのです。
それでは免疫力が低下するということはどういうことなのでしょうか?
さらに、私たちの日常生活において何が免疫力低下を招くのでしょうか。
免疫力低下の要因
まずは食生活の乱れが免疫力低下の最大要因です。
不規則な、バランスの悪い食生活は、免疫力低下の大きな要因となります。
頻繁に飲酒をする・食欲がないといった方は要注意です。
次に以下に述べるような生活習慣も免疫力低下を来します。
喫煙習慣がある、入浴がシャワーのみ、運動・睡眠不足といった、忙しい現代人が陥りやすい生活習慣。
これらは免疫力低下の一因とされています。
体温が35.9度以下の方や、寒がり・暑がり、体格指数(BMI)が正常値外の方は危険信号。頻繁な下痢や便秘、風邪をひきやすい、といった症状も免疫力低下の証です。
免疫力の低下とは無関係に思える「仕事・家事への意欲喪失」「人間関係の悩み」「無趣味・外出頻度が少ない」「スマホ・パソコン依存」も大きく寄与するとされます。
以上のように、免疫力の低下を招く原因を見ると、現代人であれば誰しもが経験のあることばかり。
逆を言えば、現代を生きる私たちは何気なく暮らしている生活が常に免疫力低下を招いているともいえるのです。
免疫力を高めるにはどうすればいいか?
それでは免疫力を高めるにはどうすればいいのでしょうか?
代表的なものは食事・運動・規則正しい生活習慣の3つ、中でも私たちが、気を付けるべきは「食事」です。
運動や生活習慣の改善は、その効果が見られるまでに時間がかかるのに対し、食事はダイレクトに免疫力に影響します。
免疫力を高めるためには、まず体をつくるうえでの基本となる「食事」からのサポートがもっとも大切。
運動をするにしても、日常生活で節制するにしても、身体をつくる栄養をきちんと摂取しなければ効果も半減です。
日頃から免疫を高める栄養素を摂るように心掛け、病気や老いに負けない身体を手に入れましょう。
免疫力アップのカギとなるのが、整腸作用と抗酸化作用をもった食材を取り入れることです。
一見、関係のないように思える腸内環境と免疫力ですが、免疫細胞の7割近くは腸内にあるといわれ、善玉菌が増えることで免疫細胞は活性化されます。
また、抗酸化作用の高い「ビタミン」や「ミネラル」といった食材も、活性酸素の働きを抑えることで免疫力を高める力を持っています。
免疫力を高めるには、体づくりのための食材も摂るべきでしょう。
免疫力を高めるための食事
まずは納豆やヨーグルトなどの整腸作用のある食材、さらには抗酸化作用のあるビタミンA・C・Eなどを含む野菜類、粘膜強化の作用があるとされるいわゆるネバネバ食材などを積極的に摂取するようにし、偏った食生活を避けて一日30品目以上を目安に取り入れるように心がけること。
さらに発酵食品の王様とも言える味噌は体内の酸化の防止、殺菌効果、消化を助ける整腸効果もあるので、ウイルス対策、便秘解消などの効果を発揮し、がん予防にも期待のできる万能食品です。
味噌汁を毎日飲んでいる人と全く飲まない人と比較すると、なんと胃がんによる死亡率が減ることもわかっています。
是非、一日一度はお味噌汁を飲むようにしましょう。
一時、ダイエット食材としても注目されたバナナにはビタミンB群が豊富に含まれています。
その上、カリウムはフルーツの中でもダントツの含有量で、血中の塩分を排泄する働きがあります。
日々の食事のみで免疫力を高めるには、バランスの取れた食事内容を考えるための強い根気と知識が必要不可欠だといえます。
(佐藤 浩明/消化器内科専門医)