高校生のスマホでのネット利用時間が1日170分!
学生の本分、しっかりと勉強し、部活に汗を流す。
その時間、「1日170分」と思いたいところですが、実はこの数字、高校生のスマートフォン(以下スマホ)でのネット利用時間なのです。
最近の調査によると、2017年2月時点で高校生のスマホ保有者は、高校生全体の9割をこえるといわれています。
今後はますます、スマホ利用者の低年齢化や、所有比率の増加が続きそうです。
特に顕著なのが、その平均使用時間。
高校生の「1日170分」を筆頭に、中学生が「124分」、小学生が「70分」とかなりの時間を費やしているのが見て取れます。
それでは、そのネットの利用時間で何をやっているのか。
最も多いのがLINEやFacebookなどのSNSで、続いて動画閲覧、スマホゲームとなっています。
節度を持ってスマホを利用し、勉学に利用しているというよりは、むしろ遊びに近い利用で、スマホに依存しているような印象を受けます。
便利さゆえ、友だち同志のコミュニケーションツールとして、スマホゲームやアプリに無意識にアクセスすることで、貴重な学生生活を犠牲にしていることに気づいていない子どもが多いのではないでしょうか。
学生がスマホ依存に陥る理由
スマホ依存者は、PC経由のネット依存者に比べて、動画やブログを際限なく見続けてしまうという傾向があります。
使える時間があれば、そのほとんどをコンテンツ消費につぎ込んでしまうのです。
理由としては日々の生活での達成目標がないために、スマホの中に刺激を求めて延々と触り続けてしまうことが多いようです。
学業における計画、人生でやってみたいこと、生活での達成目標がないことが、だらだらと依存してしまう一因になることは否めません。
自分が将来どんな大人になりたいかといった人生計画、そこまでの大きな夢でなくても、勉強がわかるようになって面白い、今は部活にのめり込んでいる、習い事が楽し過ぎるといった、日々の中で何かしら打ち込めるものを持っていれば依存に向かわないかもしれません。
節度を持ち、使い方さえ間違えなければ、スマホは非常に便利で、多くの物事や知識にアクセスすることができる、かつてない発明です。
目標のあるなしで、スマホの使い方は変わってくるはずです。
スマホの使い方をもう一度見直してみよう
中には、利用している子ども自身が本当は学習の妨げになることに気づいていたり、自分の好きなことを邪魔されるので辞めたいと思っていることもあるでしょう。
友だちの手前辞められない状態になっていることも多いはずです。
こういった場合は、先生や保護者が悪役を買い、ルールをつくってスマホを取り上げたり、利用を制限したりすることで、ホッとする子どもも必ずいるはずです。
「~だからしょうがない」といった理由を与えてあげることも大切かもしれません。
iPhoneの生みの親、スティーブ・ジョブズも家庭ではスマホの利用を一切禁止して、家族のコミュニケーションの時間を大切にしていたといいます。
キッチンのテーブルで夕食をとり、世の中のこと、歴史など様々なトピックについて話し合っていたのです。
家庭でのルール作り、リスク教育、子どもたちだけの問題ではありません。
大人も一緒になって家族ぐるみで考えることは、便利なスマホと上手に付き合っていくことにもなるはずです。
(田中 正徳/次世代教育プランナー)