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聞く耳を持たない勢いでクレームしてくる人にどう対応すべきか?

JIJICO 2017年3月29日 9時0分

聞く耳を持たずにクレームしてくる人への対応

クレーム対応でいちばん困るのが、こちらの言い分をまったく聞かず、一方的に感情をぶつけてくるお客様。
状況説明をしたくとも、聞く耳を持たない勢いで苦情をまくし立てられると、ほとほと参ってしまいますね。
このようなお客様にあたった時、どのような対応をすればいいのでしょうか?
今回は聞く耳を持たない相手へ応対するための3つのコツについて紹介いたします。

1、まずは言いたいことを全部言ってもらう

クレームを言うお客様に絶対にしてはいけないことは、相手の話を遮ることです。
感情的になっているお客様は「自分の気持ちをわかってほしい」という思いでいっぱいになっているので、とにかくまずは、徹底的に話を聴くのが先決です。
言いたいことを全て吐き出してもらう気持ちで、話を聴きましょう。

話を聴くときに心がけていただきたいのが「傾聴」
傾聴とは、相手の話に共感しながら、受容的に話を聞くこと。
「聴」という漢字が「耳」「目」「心」「十」という部首に分けられることから、「耳と目と心を、十分に傾けながら話を聴く」と覚えてください。

具体的には、以下のポイントに留意します。
・相手に正対する・・・顔と胸とつま先を相手のほうに向けます
・前傾姿勢をとる・・・やや前かがみの姿勢をとります
・アイコンタクトをとる・・・クレーム対応時は、やや強めのアイコンタクトをとります
・うなずき、相づちを入れる・・・「はい」「さようでございましたか」など、適宜、相づちをいれます
・話を聴くことに専念する・・・「この後、どのように謝罪をしたらいいだろう」などと自分のことを考えず、相手の話に100%集中します

2、話の内容を冷静に分析する

感情的になっているお客様は、冷静さを失い、混乱しています。
話に脈絡がなかったり、同じ話を何度も繰り返したり、あるいは、理不尽なことを正論のように言ってくることもあります。
このようなときは、応対する側が気持ちをおちつかせて、話の内容を冷静に分析します。

・何に対するクレームなのか?
長い話であっても、相手の伝えたいことはシンプルです。
「長時間、待たされたことが不快だった」「説明不十分で手間がかかった」など、「何にに対して苦情を言っているのか」を判断します。

・5w2hで必要な情報をおさえる
いつ(When)、誰が(Who)、何を(What)、どこで(Where)、なぜ(Why)、どのようにして(How)どのくらい(How much・How many)
「いつ起きた出来事なのか?」「誰が対応したのか?」など、正確な事実確認のために、必要な情報をきちんと記録しておきます。

必要に応じて、メモをとりましょう。
メモをとるときは、いきなり書きはじめるのではなく、相手の許可を得ましょう。
「メモをおとりしてもよろしいでしょうか」のひとことが有効です。
話の内容が整理できると、自ずと対応の方向性や解決策が見えてきます。

3、怒りの奥にある、一次感情に寄り添う

こちらの話が聞けないほどのお客様は、激しい怒りを感じています。
応対する側は、この「怒り」の仕組みについて知っておくと、相手の感情に引きずられることがありません。

実は、怒りは、人の心に突然発生するものではありません。
怒りは、二次感情だといわれ、その前には別の感情が起きているのです。
この、最初に芽生える感情を、一次感情と呼びます。

一次感情には、次のようなものがあります。
落胆・心配・悲しみ・寂しさ・傷つき
例えば、クレームの前に、お客様は次のようなことを感じているのです。
「このお店が好きだから利用したのに、不快な思いをしてがっかりだ・・・。」
「いいと思って買ったのに、期待外れで悲しい・・・。」
「接客スタッフの素っ気ない態度に、傷ついた・・・。」

怒りとはまったくエネルギーの違う、弱々しい感情です。
ここに視点を向け、お客様の気持ちに寄り添いましょう。
「この度は、ご不快な思いをさせてしまい、申し訳ございませんでした。」
このひとことが有効です。
相手の悲しみに寄り添い気持ちを汲むことで、「わかってもらえた」という満足感を得てもらう。
すると、相手の荒ぶる感情もおさまり、こちらの話を聴く準備ができるのです。

(樋口 智香子/接客コンサルタント/マナーコンサルタント)

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