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早口はいろいろ損をしている?早口のデメリットと治す方法について

JIJICO 2017年3月30日 14時0分

早口は何かと損をしている

「伝えているはずなのに話が通じていない」「聞き手の反応がまるでない」「会話が続かない」・・・そんな悩みを持っている人に共通の特徴は「早口」であるということです。
聞き手の立場になってみると「早口」の人の話は「何を言っているのかよく聞き取れない」「一方的で言葉を挟む余地がない」ので関心を持てません。
さらには「こちらに伝えようと言う誠意がないのではないか」「さては自信がないから、まくし立てているのでは」と人間性に対する評価も下がってしまいます。

以前、話し方の個人指導をした若手経営者のケースです。
若くして起業をしたこの経営者は、商談がうまく行かず、いつも相手に押し切られてしまうと悩んでいました。
話し方をチェックしたところ、伝わらない最大の原因は早口でした。
彼はよく響く恵まれた声を持っていたのですが、サービス精神旺盛で、言葉をたくさん連ねてしまうため、結果、早口となり、間がなく、息も浅くなり、声が上ずってしまう。
そして、余裕がない、落ち着きがない、軽い、という印象を相手に与えていたのです。
そこで、早口改善のためのトレーニングを行い、落ち着いた深い声、適切な速さで、冷静に言葉を選びながら話すように話し方を改めたところ、一方的に押し切られていた従来の構図から抜け出すことができ、商談もスムーズに行くようになり、売り上げがアップし、クレームも減ったという喜びの声が届きました。

早口改善のためのステップ1 適切な早さを実感すること

では、早口改善のための3つのステップをご紹介しましょう。
「ステップ1」は、「適切な速さを実感すること」です。
NHKの夜の7時のニュースでキャスターが話す速さは、1分間に約300~330字程度。
情報を伝えるとき、聞き手が理解しやすく、伝わりやすい速さの目安です。
今夜の7時のニュースで、キャスターの後に続いて、同じ言葉を繰り返してみてください。
「7時のニュースです」⇒「7時のニュースです」
「きょう、午前3時頃、○○県の○○高速道路○○付近で」⇒「きょう、午前3時頃・・・」
というように、後について同じようにアナウンスしてみることで、適切な話す速さを体感できます。
男性は男性キャスターの、女性は女性キャスターの「後追いアナウンス」をしてみると、声のトーンや間の取り方なども参考になります。

早口改善のためのステップ2 話す内容をまとめてから話す

次に「ステップ2」、「話す内容をまとめてから話す」ことを習慣にしてください。
言うべきことが頭の中でまとまらないままに話し始めると、一文(主語~述語まで)が長くなり、迷走しがちです。
また、考えながら話すため、聞き手に気持ちが向かず、「自分だけにつぶやく」ような話し方になり、相手の心に響きません。
「早口」にならないために、まず、準備をする、すなわち、「自分の中で言うべきことをまとめる」こと。
そして、「一文(主語~述語まで)は40文字以内を目安に」しましょう。
そのためには、「あれもこれも」ではなく、「言いたいことの7割が言えれば十分」と捉え、言うべきポイントを絞りこむことも大切です。

早口改善のためのステップ3 聞き手の反応を確認しながら話す

早口改善「ステップ3」は、「自分の声を聞き、聞き手の反応を確認しながら話す」ことです。
話している自分の声を、自分でちゃんと聞くようにしてみてください。
自分自身に納得させるつもりで話すと、自然な速さで間を取りながら話せます。
さらに、顔を上げ、聞き手の反応を確認しながら、言葉を手渡すような気持ちで話せば、共感が得られます。

最後に一つ、「ゆっくり話そう」「間(ま)を取ろう」「顔を上げよう」のような自分へのメモを、目に入るところに張っておくのも効果があります。
伝えたい相手に思いをしっかり受けとめてもらえるように、伝わりやすい速さを意識してみてください。

(川邊 暁美/話し方講師)

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