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地域社会をよみがえらせる「こども食堂」を応援しよう!

JIJICO 2017年4月10日 9時0分

厳しい環境を生き抜く子どもたちがいる

子どもの貧困対策として注目を集める「こども食堂」。
報道などでも「日本の子どもの6人に1人は貧困状態」と伝えられていますね。
厳しい環境を生き抜く子どもたちの実態は、実際のところどうなっているのでしょうか?

最低生活費以下の収入で暮らす子育て世帯。
その数はなんと全国で146万世帯にも上ります。
1992年から2012年の20年間の統計をとれば、約2.5倍も増加していることが判明しました。
ところがこの厳しい現実を、実感をもって知っている方はそれほどいないのではないでしょうか?

子ども達を支える大人の存在

生活の貧困のみならず、核家族化、共働きで親の帰りが遅いことによる孤食問題。
私が教員時代に受け持ったクラスにも、厳しい現実の中で必死に生き抜く教え子がいました。
でも、教え子たちがたくましく成長できたのは、心ある大人たちの支えがあったからです。
学校の担任、管理職をはじめ、地域の民生児童委員が関わることで、厳しい環境にあっても孤立しない支えがありました。
現実の環境を大きく変えることは難しくとも、身近な大人が気を配り、子どもを支えようというネットワークが学校を中心に形作られていたのでした。

私の住んでいる東村山市でも、ハッピーエナジー株式会社というステキな企業が精力的に活動されています。
子どもの貧困問題の解決という一面的な見方ではなく、集い合い、一緒に食をともにしながら、笑い楽しもうというアクションが地域を活性化するという視点が素晴らしいです。

学校をとらえ直す「地域社会の基地」という視点

子どもを支えるネットワークのひとつに、「こども食堂」があるのを誰もが知っていれば、すぐにつなげられます。
しかし、多くの情報があふれる現代は、子ども達にとって本当に必要な情報を取捨選択すること自体が難しくなっています。
地域の中にある学校という場をとらえ直してみましょう。
本来学校は、子ども達が等しく教育を受け、どの子も多様な機会を得られる場所です。
だからこそ、子ども達をはじめ地域に生きる人々が、地域に元々ある有益な資源を知り、本当に必要な情報を取捨選択できる「基地」としての機能をもてるのが学校なのです。

「こども食堂」という有益な地域の資源を広く、そして必要な人の元へ届けるには、学校という場を活用するのが効果的です。
教育委員会や地域の議員などの協力を得ながら、学校に集う子ども達へ情報を周知する“ひと手間”があれば、必要とする子ども達の笑顔につながります。
子ども達の笑顔というかけがえのない光を大きくしていくならば、地域の未来は明るくなります。

子ども達への「投資」が地域社会をよみがえらせる

学校という場を活用し、新しいことを始めるには、ただでさえ激務の先生方には負担を強いてはいけません。
あくまで場の活用なので、チラシの配布に行ったり、周知のためのプレゼンテーションの時間を全校朝会の場でもらったりなど、工夫はいくらでもできます。
また、「地域が貧困の子が多いと思われる」という誤解もあるでしょう。
では、現実の危機的状況を未来まで持ち越すという無責任を貫くのでしょうか。
前述の企業のように、子どもを中心にした地域活性化のアクションへの連帯を、自治会や身近な近所の方との地道な対話によって呼びかけていくならば、共感と協力のネットワークは強固になります。
いずれにせよ、子ども達のために時間や労力を「投資」する“ひと手間”が不可欠なのです。

まずは、お近くの「こども食堂」へ足を運んでみてください。
自分の目で見て感じるところから、今いる場でできる協力の仕方が必ず見つかります。

(藤原 伸浩/学習教室講師/ 心理カウンセラー)

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