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管理職になりたがらない社員増加!管理職を拒否しても幸せか?

JIJICO 2017年4月19日 12時0分

管理職になりたくない会社員が増えている

この4月に管理職に昇進した方も多いのではないでしょうか?
「課長」「部長」「所長」「支店長」などの肩書がつくと、誰しも嬉しいものです。
会社への今までの貢献が認められて管理職になるのは、誇らしいですね。

ところが最近、管理職になりたくない会社員が増えていると言われています。
なぜでしょうか?
そして、なりたくない人は、昇進を拒否したほうが幸せなのでしょうか?

「管理職になりたくない」2つのパターン

「管理職になりたくない」と思っている人には2つのパターンがあります。
1つ目が「マネージメントや部下の育成に興味が無い」と言う、管理職の職務自体に魅力を感じていない人。
このパターンの人たちの特徴は、現状の自分の仕事にある程度満足をしていることが挙げられます。
「現場の仕事が好き」「指示された事をやっているだけでそれなりの成果が出せている」「上司への不満はない」など。
管理職になって責任を負うよりも、現状維持のほうが無難だと感じているパターンです。

管理職になりたくない2つ目のパターンが「時間外労働が増える」「残業代が無くなり収入が減る」など、時間や収入の面で、管理職になることへのメリットが感じられないケースです。
昨今、残業削減やワークライフバランスなど、働く環境の改善が言われていますが、基本的にこれらは「非管理職」の労働者が対象です。
管理職の環境改善にはつながっておらず、体力的にきついと感じる人がいるのも当然でしょう。

現状維持型のパターン1も、激務回避型のパターン2も、いずれも、管理職になどならないほうが幸せなように見えます。
でも、本当にそうでしょうか?

40代以降に必要な「心理的報酬」

仕事の報酬は、一般的に金銭的報酬だけではありません。
たとえば、若い時の仕事には、金銭の他に「自分への投資」と言う報酬が必要です。
そして40代以降は、自分の存在価値が実感できる「心理的報酬」がとても大切になります。

心理的報酬とは、具体的には「自分の成長を実感できる」「自律的な行動ができる」「社会の役に立っている」「居場所がある」「人とのつながりがある」などです。
中高年になった時、これらの心理的報酬が得られない環境に身を置かなければならないのは、辛いものです。

管理職になれば、部下を育成したり、経営に影響を及ぼす意思決定の場で、自分のこれまでの経験を活かした発言をしたりすることができます。
それを周囲から期待されているのに拒否をした状況で、その後も長年にわたって心理的報酬を得続けることができるのか?
これが重要なところです。

もちろん、心理的報酬は会社以外の場所でも得ることが可能です。
しかし、会社で力を発揮することが、自分にとって一番活躍できることなのであれば、会社のオファーに従って管理職になり、責任と権限のあるポジションで仕事に取り組んだ方が心理的報酬を得やすく、幸せになれる可能性があると言えるでしょう。

管理職になった後の意識の変化

いくつかのアンケート調査の結果を見ると、管理職になりたくなかったけれどもなった人の半数以上が、管理職になった後は、なって良かったとポジティブな気持ちに変化しています。
なって良かった理由は「視野が広がった」「自分が成長できた」「現場とは違った面白さがあった」「大きな影響力を周囲に及ぼすことができるようになった」などです。

自分の活躍のチャンスを大いに活かして、いい仕事をしていきましょう。
仕事で得た心理的報酬は、退職をした後も、きっと誇らしく自分の中の記憶に残ることでしょう。

(森 ゆき/キャリアコンサルタント・講師)

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