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急増中!高齢者の家庭内事故そのまま寝たきりになる危険性を防ぐには

JIJICO 2017年5月20日 9時0分

高齢者の事故は住宅内で起きている

内閣府の高齢社会白書(2016年度版)によると、高齢者の事故発生の場所は、77%が住宅内との結果が報告されています。
住宅内のどこで事故が発生しているかと言うと、
1位…居室。2位…階段。3位…台所・食堂。
となっています。
安全なハズの屋内で、しかも危険性の少ないであろう居室で、一番事故が起きていることに疑問を持つ人も多いと思いますが、これが高齢になることと深く関連しているのです。

さらに調査結果では、事故のきっかけについても発表。
1位…転落30%。2位…転倒20%。3位…触る・接触する15%。となっています。
このきっかけから読み取れることは、高齢者は、階段の昇降時による転落が30%を占め、次にごく普通の歩行時における転倒が20%と多い事が。
調理器などの熱源に「さわる・接触する」15%と続いています。

高齢者は、体力や運動機能の低下で、単なる住宅内の歩行でも、事故に結びつきやすいことが分かります。
高齢者は今までの暮らし方や習慣のままでは、安全な生活ができなくなっているのです。
また、白書では高齢者の事故は家庭内で発生したものでも、骨折などの重篤化のリスクが高く、回復が遅れたり、骨折が原因で、寝たきりになる事例が報告されています。

整理整頓で、居室内の事故を防ごう

家庭の中の居間で事故が起こると仮定したシミュレーションをしてみましょう。
高齢になってくると、体力や気力の低下で、片づけが出来なくなります。
認知症の初めの段階でも、今までできていた片づけができなくなることが多く、床に物が置きっぱなしになり、積み上がった状態になります。
そして、運動機能や平衡感覚、体力そのものが弱っているので、そのような置きっぱなしのものにつまずき転倒してしまうのです。
ですから、高齢者の住居では整理整頓は必須です。

転倒危険箇所の片づけ方

転倒を避けるために、廊下や居室・トイレ周りの床に直置きしている物を全て片づけます。
チラシ1枚でも床に落ちていたら、滑って転倒してしまいますので、小さな物も見逃さずに片づけましょう。

ご家族の方が片づけを行う時に注意を払いたいのが、「捨てる」という言葉です。
高齢者は捨てると言う言葉に、過剰に反応する場合があります。
場合によっては、強行に反対することもありますので、「捨てるのではなく、つまずき転倒を防ぐために、別の場所に移動する」ことを明確に伝えましょう。
「捨てる」ではなく、「移動する」「収める」などの言葉に置き換えると、スムーズに進めることができます。
この時、危険な物や傷みの激しい物・腐っている物を発見したら、必ず本人に確認して捨てましょう。勝手に捨てるのはNGです。

移動した物は、使っていない場所に、収めることをおススメします。
床に直置きの物がなくなれば、物につまずくことを防げるのです。
片づけは、高齢者の安心安全のための第一歩。
併せて、手すりを付けたり、段差をなくすバリアフリー対策も家庭内事故を防ぐことに繋がりますので、必須と言えます。

(高橋 和子/整理収納・片づけプロモーター)

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