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冬だけでないインフルエンザ これからの季節も注意が必要!

JIJICO 2017年6月2日 9時0分

近年,春以降もインフルエンザが流行

インフルエンザや風邪などは毎冬に大きな流行を繰り返すため、4月以降暖かくなれば、インフルエンザの心配はないと考えている方も多いのではないでしょうか。
ところが、2017年4月中旬以降に福島県や埼玉県の高校でインフルエンザを発症した生徒が多数欠席し、学年・学校閉鎖になったというニュースがありました。
近年では桜の時期が過ぎた4月以降でも全国各地でインフルエンザが散発的に流行していることから、「春インフル」などという言葉も出て来ている様です。

日本でのインフルエンザの流行は、毎年11月から12月頃に始まり、1~3月にピークを迎え、5月上旬頃までは地域ごとに散発的な流行を起こすというのが典型的なパターンで「春インフル」というのは、決して珍しいことではありませんでした。
インフルエンザや風邪が冬に流行しやすいのは原因となるウイルスが低温で乾燥した環境下で増殖しやすいことが関与していると考えられています。

なぜ春以降もインフルエンザが流行るのか?

ではなぜ、気温が上昇した4月以降でもインフルエンザが流行るのでしょうか?
冬のインフルエンザの流行期には推奨されていた、手洗いやうがいなどの予防策を行わなくなることなども影響しているのかも知れませんが、春先は気候が不安定で一日や日間の寒暖差も激しいために体調を崩しやすく、花粉症の影響などで免疫力が低下している方も多く、さらに4月からの新生活に慣れないなどで疲労がたまりやすいといった様な気候や環境からくる身体の疲れなどの原因で免疫力が低下し、インフルエンザに罹りやすい状況になっていることが考えられます。

実際、インフルエンザは春のみならず夏にも発生することがあります。
まだ、記憶にも新しい2009年に大流行した新型インフルエンザは夏頃に日本各地で広がり、夏休み明けに全国的な流行となりました。
さらに沖縄県でも10年以上前から夏にインフルエンザの流行が起こるようになっています。
その原因としては旅行者の増加やエアコンによる室内の低温・乾燥などが指摘されています。
しかし、旅行者の増加や、エアコンの使用は、沖縄に限ったことではありません。

普段から体調管理に気をつけることが予防につながる

さらに「春インフル」が流行る原因としては、インフルエンザだと気付かず感染している可能性やインフルエンザのピークは過ぎたと思い、自衛手段をしていないことや上記に述べたように免疫力が低下していることなどから、実は意外にインフルエンザにかかりやすい時期と言えるのかもしれません。

「春インフル」に罹らない為、また広めないためには当然のことですが、インフルエンザが流行する前には必ずワクチンを接種し、普段から十分な休養をとる様にして体調管理にはくれぐれも気をつけ、不調を感じたら自己判断をせずに早めの対処を心がけることが大事なのではないでしょうか。

(佐藤 浩明/消化器内科専門医)

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