ストレスは身体に悪影響を及ぼす
旭労災病院の研究チームの調査によると、月曜午前は他の曜日に比べ労働者の心筋梗塞などの心疾患などが多いことが判明したことが報じられています。
休み明けの仕事のストレスが原因とみられるとしています。
また別の調査になりますが、仕事でストレスを感じている人は感じていない人に比べ、循環器疾患の発生が平均68%も高いとする結果も公表されており、同様にストレスによって心臓への負担がかかりやすいことがわかっています。
心臓に限らず、ストレスが身体に及ぼす影響は自律神経や頭痛、めまい、首や肩の凝り、耳鳴りなど多岐に渡ります。
フルタイムで働いている労働者の方であれば、寝ている時間を除いて1日の約半分を過ごす職場(仕事)でのストレスの問題は非常に大きなものになります。
ストレスを完全になくすことは難しいですが、ストレスを溜めない、感じづらくするためのコツはあります。
これらのコツを以下でご紹介していきましょう。
仕事のストレス原因第1位「職場の人間関係」
厚生労働省が5年に1回まとめている「労働者健康状況調査」。
直近の2012年調査によると、現在の仕事や職業生活に関することで強いストレスを感じる事柄がある労働者の割合は60.9%にも上り、その事柄の内容をみると、男女ともに「職場の人間関係」が1位になっています。
このように多くの労働者にとって、仕事の量や質の問題を超えるストレス源となっている人間関係。
どのようにすれば、仕事での人間関係を円滑に保ち、ストレスを溜め過ぎずに済むのでしょうか。
まず押さえておきたいポイントとして「相手の言動は自分でコントロールできない」ことがあげられます。
ストレスが溜まる、イライラしてしまうのは大概「相手の言動が自分の思い通りになっていない」からだと考えられます。
「あの人さえいなければ」と思うような同僚や上司がいたとしても、同僚や上司が自分の望み通り変わってくれることを期待しないことが大切です。
また人間の傾向として、不安やイライラなどの感情が大きくなると、知らず知らずのうちに相手をコントロールしようとすることも知られています。
自分で変えられることか否かを見極めたうえで「自分で変えられること」に神経を注ぐなど、自分自身の感情コントロールをすることが大切です。
ストレスを「書き出す」
不安やストレスが気になって、仕事に集中できなくなった…という経験をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
思い出そうとしなくとも、イライラが頭に浮かんでしまうと意識がその「イライラ」に向いてしまい、さらにストレスが増えるといった悪循環にもつながりかねません。
そこでお勧めする方法が「ストレスを書き出す」ことです。
なんだそれだけか、と思われたかもしれませんが、シンプルながら効果は絶大です。
「ディレクターの○○が腹立つ。なんであいつがディレクターなんだ。自分のほうがふさわしいはずだ!」
「プレゼンの資料作成の締切が迫っているが、進捗がイマイチだ、しんどいな」
「最近眠りが浅く、朝起きるのが辛いなあ」
といった具合に、頭に浮かんだことを手元の紙に書き出してみましょう。
さらに、書き出した後は先述のように「自分で変えられることか否か」の観点で各項目を見直し、分類します。
自分で対処できる、変えられると分類されたらその点に絞って対策等を考え、変えられないということは考えない、と明確にするのです。
書き出すことで自分の心の中だけにとどまっていたものが外に出るため、気持ちを整理しやすくなります。
「いっぱいストレスあると思ったけれど、書き出してみたら意外に少なかったな」という感想を持たれる方もいらっしゃるでしょう。
胸が苦しい、肩がいつもより凝るといった身体症状が出始めたら、ストレスを無意識に溜めこむサインかもしれません。
サインに気づいたらぜひ、自身の感情コントロールとストレスの「書き出し」を意識的に取り入れてみてはいかがでしょうか。
(浅賀 桃子/カウンセラー)