親も気になる子どもの運動神経 遺伝するのか?
運動神経の良し悪しは子どもにとって重要な問題ですが、親としても気になるところだと思います。
運動神経が良くなることで子どもの自信をつけることも可能ですが、遺伝だといって諦めているケースも多いのではないのでしょうか。
では運動神経を理解することによって向上する方法を探ってみましょう。
私は自分のチームで指導するだけではなく、小学校の体育でも指導することがありますが、長年の指導経験の中で運動神経の悪い子が年々増えていくことを感じています。
では、運動神経の悪い親が年々増えているということでしょうか?
さすがにそんなことはありません。
運動神経は遺伝ではなく環境による影響が一番大きいのです。
子どもの運動神経は環境に影響される
小学校で指導するときに『この子すごく足が速いんだよ!』とか『サッカー上手いんだよ!』と言われ、その子たちを期待して見ていると全く運動神経がよくないというケースが多々あります。
最近は少子化の影響もあり、小さいころからスポーツを専門的に習う子が増えています。
しかし、そのような子たちはあるスポーツに特化した能力は著しく向上しているのですが、そのスポーツに無いような動作に関する能力は向上していないのです。
このようなことからも子どもの運動神経が環境に影響していることが理解して頂けると思います。
運動神経発達のタイミング
運動神経を高めたい場合には運動神経の発達が著しい時期(ゴールデンエイジ)に適切なトレーニングを行うことが大切です。
・5~8歳のプレゴールデンエイジ
・9~12歳ゴールデンエイジ
・13歳以降ポストゴールデンエイジ
偏った運動能力を身につけさせないためには、プレゴールデンエイジでたくさんの遊びを経験させることです。
わざわざたくさんの習い事をさせることはなく、全身を使うような遊びをたくさんさせてあげましょう。
それだけでも大きな差が生じるはずです。
運動神経を高めるためのトレーニング方法
最近は塾通いが当たり前になっているので、友達と遊ぶ時間が合わないとか、帰宅が遅くなってしまい遊べない子が多いかもしれません。
そのような子は遊ぶことができないからといって諦める必要はありません。
室内でも、1人でも、ちょっとした工夫で運動神経は向上できます。
考え方としては前後左右に複雑な動きをすること、なるべく全身を使うことです。
ラダーやケンステップなど、専門的なトレーニング用具もありますが、これは地面や床に四角や丸を書けばわざわざ購入するする必要もありませんし、ネットで検索すればトレーニング方法はたくさん出てきます。
リアクションボールは購入しないといけませんが、地面や壁に投げたボールがイレギュラーに跳ね返ってくるため、キャッチするには反射神経や動体視力が鍛えられます。
全く準備がいらず、すぐにでも出来るトレーニングとしては四つん這い歩行がお勧めです。
二足歩行の人間が四つん這いで歩くと普段使っていない筋肉に刺激が入り全身の協調性も鍛えられます。
子どもは外遊びで自然に運動神経を鍛えることが理想ですが、工夫すれば自宅の中でも鍛えられます。
特に遺伝だと諦めていた方は参考にして頂き、運動神経を高めてほしいと思います。
(川口 博正/スポーツトレーナー)