Infoseek 楽天

キャリアと妊活 どのように両立させていけば良いか?

JIJICO 2017年7月6日 9時0分

自分のキャリアビジョンを描いてみる


近年は、働く人それぞれの考え方も価値観も環境もめまぐるしく変わっていることを実感します。
そんな現代だからこそ、私たちはキャリアビジョンを描くことが大切です。なぜなら、自分のキャリア・人生の望ましい在り方を想い描くことが、自分の生き方を主体的・意欲的にするからです。そして、それは、何か困難に直面した際に、乗り切り、乗り越えるパワーにもなります。

キャリアを構想する際に、3つの視点で考えてみることをお勧めしています。
①自分のやれることは何か(強み、資格に基づく技能など)
②自分のやりたいことは何か(こだわり、目標など)
③自分のやるべきことは何か(期待されている事、責任など)
この3つの視点で考え、統合していきます。
ビジネスにおいても、プライベートにおいても、この視点で考えます。

そうすると、今何に力を入れたらよいかも見えてきます。

女性は女性ならではのライフイベントと向き合うことから避けられない

女性も男性と等しく活躍している時代になりました。ビジネス上での不公平さが無くなり、今後も、女性は増々仕事のやりがいを持てるようになるのだと思います。その分、女性にとっては女性ならではのライフイベントとどう向き合うか、頭を悩ますところでもあるでしょう。

女性は男性に比べ、仕事を考えるとき、結婚・妊娠・出産等のライフイベントのマイナス要因に目が行きがちです。それらのライフイベントにより、時間制限が生じ、仕事の評価に結び付かないとも考えてしまいます。

20年くらい前までは、男性は家庭を妻に任せて仕事を最優先にしていた時代がありました。家庭を任された妻である女性は、仕事をどう考えたか。女性のキャリア曲線はM字型といわれ、妊娠から出産、子育ての期間は家で家事に専念し、子育てが一段落したらパートでもいいので働きたい、社会と関わりたいという女性の姿がそこにはありました。

時代が変わったとはいえ、女性の役割は多様で重要なものが多いです。そして女性しかできない妊娠・出産もあります。それは女性だけが直面するライフイベントです。そこで重要なのは、何かを優先するために何かをあきらめるとか、止めるではなく、何をしたいのかを考えてみるということです。多数の物を、1つに絞ろうとするから難しく面倒になるのも事実です。

「ぜんぶやろう!」と決意し、進み始めるのも、女性のキャリアプランです。子供を宿し、自分の中で命の成長を感じることができるのは女性の特権です。子供を授かり、母親としての考え方、子に対する責任と優しさ、そしてそこから広がる人とのつながりは、人としての最高のキャリアアップといえます。

ライフイベントを最初から自分のキャリアビジョンに組み込む

そんな女性としての自分の役割をキャリアビジョンの中に最初から組み入れておくのはどうでしょう。

そのためには、準備は早めに。計画を立てるのも一つですが、計画通りに行かないこともあるもの。常日頃からちゃんと考え、家族と共有することをしてみてください。

仕事においても、チームメンバーに頼るところ、任せるところ、自分でやり切るところを考えながら仕事をすすめます。「何かあった時はお互い様」という思いやりだけでは通じない場合もあります。何かあった時は論理的に次のシフトへ移行が可能なように、また仮説を立てやすいように、選択肢を広げておき、複数のプロセスを頭の中に描きながら仕事をしていくと、客観性と柔軟性に富んだ仕事にもなるでしょう。

経験の分が、情報を得た分が、人のキャリアになります。
決してビジネスの場面だけではなく、全ての自分の生きる場面で得たことが、仕事のキャリアアップにもつながります。
母になる素晴らしい権利を大事に!

(井島 惠子/人材育成コンサルタント・キャリアアドバイザー・メンタルコーチ)

この記事の関連ニュース