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あがり症の方必見!あがり症のメカニズムを知り克服する方法

JIJICO 2017年7月11日 9時0分

あがり症の人にとって人前で話すことは恐怖

海外の調査では、あがり症の人が人口の3%~13%というデータがあります。ざっくり言うと10人に1人です。私の感覚では学校の一クラスに2人ぐらいいる、そんなイメージです。しかし、私たちは日常であがり症の方を目にすることはそんなには多くありません。なぜなら、あがり症の方は、それがバレないようにとひっそりと身を潜めているからです。あがり症であることがバレるということは本人にとって危険を意味します。自分が否定される、あるいは自分の価値が脅かされると感じるからです。

しかし、社会で生きていく以上身を潜め続けることはできません。人前で話す機会は避けられません。自己紹介、朝礼、会議、発表、打ち合わせ、等々、あらゆる場面において人前で話す機会があります。あがり症の人にとってはそれらの場面でただならぬ恐怖を感じるのです。人生の危機というぐらいに感じる人もいます。

では、あがり症の人はそれらに対してどう接していけばいいのでしょうか?

あがらないように準備しても上手くいかないことが多い

あがり症の人は、人前で話す本番の何日も前から悩みます。あがらないように、緊張しないように、震えないようにと様々のことを考えます。十分に備えようとします。ある人は原稿を一言一句用意したり、ある人は深呼吸や呼吸法を、ある人は話し方や発声法を試してみます。

しかし悲しいかな、その準備で上手くいくことはまずほとんどありません。かえってうまくいかないことがしばしばです。それはなぜなのでしょうか?

あがり症の人は、あがらないように緊張しないようにと緊張や不安に意識を集中し、注目します。注目を集めた緊張と不安はかえって明確になり、より症状を強めます。寝られない時に時計の音を気にすると益々気になるようなものです。それは、湧き上がる緊張と不安をなんとか抑えよう、なんとか軽くしようと、あたかも火を水で消すかのようにエネルギーを注いだのが、よくよく見たらそれは水ではなくて油だったといったようなものです。

かえって症状を悪化させていたのです。良かれと思って行動していたことがかえって自分を苦しめていたのです。

あがらないためにすべき行動

ではどうすればいいのでしょうか?ここでは大きく3点あげます。

一つはあがっているという症状に対しては一切取り組まないこと。私のセミナーではあがり症の皆さんに問います。これまであがらないようにとやってきたことで何かうまくいったことはありますか?と。

ほとんどの場合シーンとなります。誰しもが何をやってもうまくいかなかったからこそあがり症が維持されているのです。

そこで、症状はあってもなくても、緊張しても緊張しなくても、それはほっておいて、今目の前のことに取り組む、目の前のことに集中していくようにとお伝えします。頭の中であれやこれや考えても決してうまくいきません。それはあがらないようにあがらないようにと考えることが、結果として、あがることばかり考えてしまっているからです。

それよりむしろ、予見なく現実生活に飛び込むことこそが大事なのです。そうして思考中心から行動中心へと変えていくことで症状のことを忘れる瞬間が増えてくるのです。

そして二つ目は感情との戦いを止めることです。湧き上がる緊張と不安を何とかしようと挑み続けたあがり症の方は百戦百敗の猛者です。勝ち目のない戦いを挑んでしっぺ返しを食らい続けてきたのです。

感情と不安は否定したり蓋をしたりするのではなく、しっかり感じきることで流れていくのです。だから、今後不安と緊張を感じたときは、抗うことなくただただ、じっと感じきってみてください。湧き上がる感情を客観的に見つめ続けてみてください。何か気づくことがあるでしょう。

最後に、味方探しです。
あがり症の方は自分の価値が試される場面を最も恐れます。あたかも敵国の中にいるかの様に振る舞います。そうして他者の中に敵である証拠を見つけるのです。

あぁ、やはり自分は否定されている、自分は軽蔑されたに違いないと。

このように感じてしまいがちな人に必要なことは味方探しです。自分が失敗してもあがっても否定されない、大丈夫と思える環境にいられた時、たとえあがったとしてもそれに対して過剰なまでの自己否定をすることなく他者の視線に怯えることなくいられるのです。

あがり症の克服とはあがらなくなることではありません。たとえあがったとしてもそれに良し悪しを付けずにあがりが流れる様になっていく、それが真のあがり症の克服なのです。

(佐藤 健陽/)

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