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高度化する盗撮技術。被害に遭わないためには?

JIJICO 2017年9月5日 7時30分

盗撮とは撮影者の意図がはっきりしている

8月も終わり、少しずつ涼しい日が増えてきました。窓を開けて就寝するのに心地いい季節ですが、戸締りは厳重にお願いします。侵入者の目的が「盗み」とは限りません。

昨今、盗聴や盗撮の類が話題に上ることが多くなったように感じます。特にスマホによる盗撮は、痴漢と同様に社会問題と言えます。撮影が手軽になった現代だからこそ増加する犯罪とも言えるでしょう。また、歩きスマホが新たな冤罪を生み出すことも時間の問題でしょう。

では、盗撮(隠し撮り)とはどのような行為を指すのでしょうか。盗撮とは、被写体の許諾なく撮影する行為で、各都道府県の「迷惑防止条例」で禁止されています。しかし、対象とされているのは「わいせつ目的」に限られており、映画館での作品撮影は知的財産の観点から、人物撮影は肖像権の観点からと別の法律で禁止されています。

なお、わいせつ目的であっても施設内(公衆浴場など)での撮影は、より罪の重い「建造物侵入」で取り締まる場合が殆どです。また、販売や流布(掲示やインターネットなど)目的だと一層罪は重くなります。つまり、盗撮とは撮影者の意図(悪意)がはっきりした行為で、重い処罰が伴う行為です。

技術の進歩に伴い発見は困難を極める

スマホの普及と盗撮には、切っても切れない繫がりがあります。スマホの普及に伴い、搭載されるカメラの性能が進歩しています。その進歩は、小型化だけでなく解像度にも表れています。このような技術の進歩は、利用者にとって喜ばしいことです。また、小型化されたカメラの活用方法(アイデア)を提案する商品も多数見受けられます。

しかし、善意を前提としたアイデアは、様々な意思を持った利用者が見ていることを忘れてはなりません。盗撮者の目的で代表するものは「監視」「性癖」「趣味」「営利」ですが、盗撮者にとっては犯罪も立派なカメラの活用術なのです。

過去の事案から、その手口はスマホのように携帯して行うものと設置(据置き)するものに分けられます。携帯できるものでは、スマホをはじめ眼鏡、手帳、ライター、ペンなどスパイ映画さながらのアイテムが販売されています。また、設置するものでは一般的なホームカメラをバックなどでカモフラージュしたり、ぬいぐるみや置物などに仕掛けるケースも報告されており、目視によるカメラの発見は困難を極めると言って良いでしょう。また、パソコンをハッキングし、搭載されたウェブカメラを利用した盗撮も報告されており、防御も困難と言わざるを得ません。

そして、最も悪質なものが、住居へ侵入してカメラを仕掛ける盗撮です。

設置型盗撮の弱点は電源と電波

設置型盗撮についてはTVのワイドショーやニュースで取り上げられる事もあり、ご存知の方も少なくないと思います。不安が増すばかりかも知れませんが、カメラには必ず電源が必要であることに気づいて下さい。また、撮影した画像や映像を見るためにはカメラを回収するか、Wi-FiやFMなどの電波が必要になります。それこそが「設置型盗撮」の弱点なのです。

コンセントやタップ、コードへの直結なども考えられますが、侵入を防ぐことで可能性は減ります。また、防犯用として自身でカメラを設置し、侵入の有無を確認する方法もあります。電波の探知は、専門知識と専用の機材が必用なことから、専門家に依頼する事をお勧めします。また、パソコンのハッキングもセキュリティソフトの利用で、防御は可能です。

盗聴を防ぐ為には、あらゆる手法が考えられます。しかし、やってはならない事が1つだけあります。それは、怯えるだけで何もしないことです。

盗撮者があの手この手で気づかれずに撮影しようとする行為は、私たちにとって目に見えない恐怖となって襲い掛かってきます。そして、盗撮の事実を知った時、その恐怖は頂点に達します。だからこそ不安を感じたら、必ず行動を起こして欲しいのです。また、日頃の予防行動(挨拶や玄関前の清掃、不安を感じた際の鍵交換や防犯カメラの設置など)が、恐怖を和らげ、盗撮者への威嚇に繋がります。ぜひ、自身の防犯意識を見直し、予防行動を心掛けて下さい。

(神田 正範/防犯・防災コンサルタント)

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