「自分だけは大丈夫」は思い込み
全国で自然災害が頻発し、被害は年々局地化、甚大化しています。自分だけは大丈夫という思い込みは、今すぐなくしましょう。防災の基本は、「自らの命は自らが守る」という自助の精神です。自分の命を守る為に、以下の準備をしておきましょう。
1. 居住地域の情報収集
自然災害には、風水害、竜巻、落雷、雪害などの気象災害と、地震や火山など地質による災害があります。まず、日頃から自分が住んでいる地域に関して、市町村役場で配布されている「ハザードマップ」をもとに、被害を受ける危険がある場所を把握しておきましょう。そして家族で避難場所や避難経路も確認しておきましょう。
2. 安全確保のためのシミュレーション
たとえば大規模災害が発生した場合、住宅の耐震化や家具の固定が生命線になります。どのような危険があるかをイメージして、身の安全が確保できるような対策をしましょう。
具体的には、
1.家具や電化製品の固定や配置換えをしましょう。 2.窓ガラスに飛散防止フィルムを貼りましょう。 3.救助を求めるホイッスルや割れ物でケガをしないためのスリッパを用意しましょう。また、災害はいつどこで発生するかわかりません。自宅以外の場所でも、慌てず対処できる方法を消防庁や市町村が示す防災マニュアルなどで確認しておきましょう。
3. 非常用品の備蓄
発災後、電気・ガス・水道・通信といったライフラインが止まっても、1週間は自力で生活できるように、飲料水や非常食、簡易トイレ、懐中電灯など最低限必要な生活用品を備蓄しておきましょう。
その他、持病薬、ベビー用品など個別に必要なものも忘れず準備しておきましょう。日頃食べ慣れた物を多めに買っておいて、使った分を買い足すというローリングストック法だと、無駄なく簡単にできます。また、自宅が被災し、安全な場所に避難する場合の非常用持出品をリュックサックなどにまとめておきましょう。
4. 防災情報の入手
災害が発生した場合、テレビやラジオで市町村、消防、警察、報道機関などからの最新情報を入手して、状況を把握し、早目の避難準備を始めましょう。近年では、「記録的短時間大雨情報」のように、まれにしか観測されない気象状況が増えています。気象庁からの情報に注意し、自分の身を守ることを第一に考えて行動しましょう。
スマートフォンを利用する場合、防災情報のメール配信サービスの登録や、防災のためのアプリケーションを入れておけば、警報などが通知されます。避難のタイミングを逃さないことが、命を守る鍵になります。
5. 地域住民のコミュニケーション
日頃から、地域のイベントや避難訓練などに積極的に参加して、コミュニケーションを図りましょう。また、昔から住んでいる人から、居住地の災害の歴史を聞くことも、具体的な対策に役立ちます。ご近所同士で声を掛け合い、助け合って地域を守る「共助」の精神を育てることも、災害時に命を守り、生きる糧として大きな役割を果たします。
災害から命を守るためには、いつどこで起こってもおかしくない自分ごととして捉え、日ごろから準備しておくことが最も確実な対策です。まだ準備をしていない方は「いつかそのうち」と言わず、今日にでも準備を始めましょう。
(仙波 誉子/防災士)