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飲み屋での「仕事の愚痴」は危険行為!?知っておきたい情報管理の基本

JIJICO 2017年10月11日 7時30分

情報の発信と漏洩は同じこと?

日差しも和らぎ、すっかり秋めいてきました。「暑さ寒さも彼岸まで」と言いますが、歳を重ねる度に実感する季節です。企業では期の変わり目でもあり、新しい情報(営業戦略や顧客情報など)を耳にすることも増えているのではないでしょうか。

近年、企業でもICT化が進み、情報管理の在り方を議論されることが増えました。情報とは何か?管理とは何か?原点に立ち返って考えてみましょう。

まず、情報とは「お知らせ」「判断や行動の基準となる知識や資料」とされています。つまり、基準を示すものと考えられます。また、有益性が重視されるものでもあり、目的に応じて選別されるものでもあります。

次に、管理とは「現状の維持」「目的に沿った利用・改善」となります。「留まる」か「進む」ことを意味し、「退く」ことが無い状態を指しています。

では、この二つの言葉を組み合わせた「情報管理」とは、お知らせや知識・資料を目的に沿って維持・改善し、利用することとなります。最も重要なのは、目的や有益性に応じて選別される「利用」または「利用方法」です。これは「利用」する側、「発信」する側、双方に注意が必用です。有益性とは「善意」と「悪意」の双方にあり、特に発信する側には「責任」が問われる場合もあります。身近なものだと「個人情報保護法」がその責任を明記しています。

情報の発信とは「広告」や「告知」など積極的なものだけではなく、「漏洩」も意に沿わない情報発信と心得るべきです。

管理と取扱いの厳しい現実

情報は、受け取る側の都合で姿を変える生き物です。その管理は、収集、更新、改善と多岐に渡り、最も注意が必用なのが「漏洩(流出)」です。

ICT化に伴い電子化された情報は、PCなどに保管され危険度が増しています。PCの無かった時代では紙に頼り、厳重な保管と、侵入者を防げば良かったのです。現代では、PCを利用するが故に侵入者の警戒に加え、ネット上のセキュリティ-も必要になりました。また、故意に盗む者にとっては、出向くことなく手に入る「便利な仕組み」になっています。

そして、今も昔も変わらないのが、内部の人間による「漏洩(流出)」です。しかも、この脅威は年を追うごとに増しています。理由は「情報の価値」です。前述した通り、情報とは受け取る側の都合で利用価値が変わります。多様化の進んだ現代社会では、どんな情報がどこで役に立つのか計り知れない部分があります。よって、情報の価値を保有者が決めることは、大変危険な行為と言わざるを得ないのです。

つまり、収集・保存した情報を保護する為には、1文字たりとも漏らしてならないという厳しい状況が生まれています。この厳しい二つの現実を念頭に置かなければ、有効な対策は見つかりません。

仕事の愚痴や賞賛は情報漏洩に繋がる

情報の発信と漏洩は「利用方法」によって区分され、聞き手に委ねられています。例えれば「業績悪化でボーナス減らされたよ」と言った愚痴を銀行マンが聞いたとします。その銀行マンが「あの会社はまだまだやれる」と考えれば新たな融資へ繋がり、起死回生の情報発信となります。しかし、「やっぱりな」となれば融資の凍結など危機が一層深まり、深刻な情報漏洩になってしまいます。

つまり、自分にとって何気ない一言でも、相手の解釈によって思わぬ結果を導き出すことになります。

このように「情報」とは相対的で、取扱いや管理が難しいものです。情報漏洩を防ぐための「情報の取扱いには充分注意を払うように」は、よく耳にするフレーズです。しかし、曖昧な表現です。また「法律に沿った取扱いをするように」は、緊張感が増すだけで日常業務にさえ差し支える感が否めません。

曖昧な表現や緊張の高まりは「ストレス」となり、不平不満の温床とも考えられます。溜まったストレスは「愚痴」となって吐き出され、思わぬ場所で、思わぬ人間に聞かれているものです。

また、真逆の謝恩会や歓送迎会などでの業績発表や功績などの「賞賛」も同じことが言えます。会社や仕事での出来事は、善悪に捉われず口外させない、しない心構えが必要です。また、仕事の延長で催される行事は、場所選びを慎重に行うべきでしょう。

ですから、「壁に耳あり障子に目あり」会社を一歩出たら「仕事の話はしない」ぐらいがちょうど良いのです。また、同僚や友人との語らいは「楽しい」で終わらせることが肝要です。

(神田 正範/防犯・防災コンサルタント)

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