住宅火災の出火原因はどんなものが多い?
突然ですが、皆さんは11月9日が何の日か知っていましたか?知らなかった人はこの機会に覚えてくださいね。地域住民と消防をつなぐダイヤルナンバーにちなんで、昭和62年から11月9日は「119番の日」とされています。
消防庁より公表された平成28年の火災状況によると、総出火件数は36,831件、火災による死者数は1,452人でした。前年より若干減少しています。しかし、依然として全火災の出火原因の第1位は放火で、大都市になるほど高い割合を示しています。
火災による総死者数の約61%は住宅火災によるものです。多くの方の命が失われている住宅火災の出火原因(放火自殺者等を除く)を見てみましょう。
1位はタバコです。寝たばこは絶対にしないようにしましょう。2位はストーブ。皆さんのご家庭では、燃えやすいものをストーブの近くに置いていませんか?ご確認ください。3位はコンロ。傍を離れる時は必ず火を止めてからにしましょう。ちょっとだけだから、という不注意さが火災を招きます。4位は電灯電話等の配線。コンセントにほこりはたまっていませんか?一見火災に関係なさそうですが、ほこりから多くの火災が起こっています。5位は配線器具。電化製品やパソコンなどが普及されている今日、1つのコンセントに複数の電気機器を接続すると発火の危険性が高まりますので、お気をつけ下さい。
どれもついやってしまいがちなことです。その不注意から火災が発生し、かげかえのない命や財産が失われてしまうのです。
日頃からできる4つの火災対策
では、被害を最小限に抑えるために、日頃からどのような対策をとっておけばよいのでしょう。4つのポイントを覚えておいてください。
1. 逃げ遅れを防ぐ為に、住宅用火災警報器を設置しましょう。設置から10年以上経過している場合は、本体の交換をおすすめします。
2. 火災が小さいうちに消す為に、住宅用消火器等を設置しましょう。おおむね5年で交換しますが、腐食、キズなどがみられる消火器は、直ちに交換して下さい。
3. もし火に接しても着火しにくく燃え広がるのを防ぐ為に、防炎品のカーテンや寝具、エプロンなどを使用しましょう。
4. 高齢者や身体の不自由な人を守る為に、日頃からご近所の協力をとりつけておきましょう。
一刻も早く消火活動するために、119番通報時に伝えるべきこと
火災や災害が発生した場合を想定した、119番通報について練習しておくのも1つの方法だと思います。そこで今回は、一刻も早く消防隊が現場へ到着し、消火活動や救急・救助活動ができるように、119番通報をする情報の伝え方をお教えしましょう。
まず、火災が発生しているのか、救助が必要なのか通報の意図を伝えましょう。
第2に場所です。現場の住所がわかれば住所を、住所が分からない場合は近くの目印となるものを伝えましょう。特に、最近では携帯電話等からの通報が増加しています。その場合、通報地点と異なる近隣地域の消防本部につながることがありますから重要です。
第3に状況です。何が、誰が、どうしたのかをなるべく冷静に伝えることが重要です。最後に通報者であるあなたの名前と連絡先を伝えましょう。
「私の身には起こらない」、「私は大丈夫」と思っていませんか?その考えがかけがえのない財産、生命を脅かします。忙しい日々を過ごしているとつい後回しにしてしまう火災予防対策。119番の日、是非今一度ご確認ください。
(仙波 誉子/防災士)