スポーツの秋、子どもと一緒に外遊びを!
スポーツの秋10月9日の体育の日に2016年度体力・運動能力調査の結果についての記事が新聞掲載されていました。幼児期の外遊びの頻度が高い小学生ほど、運動習慣が身に付き、体力テストの合計点も高い傾向であったということです。スポーツ庁は「外遊びの習慣が就学後の運動習慣の基礎を培い、体力向上の要因と一つに」との見解を示していました。(西日本新聞)
本日11月11日は「サッカーの日」だそうです。サッカーの普及を目的に制定されたスポーツ記念日ですが、サッカーに限らず、秋のこの時期は気候的にも爽やか・穏やかな好天に恵まれますので、ボール等を持って外へ出かけるのもいいかもしれません。
親子で楽しみながら身体を動かすことは、子どもをスポーツ好きにする絶好の機会と言えます。
解放感いっぱいの澄み渡る青空の下、太陽の光をたっぷり浴びて身体を動かすことで、食欲増進による栄養摂取効率を高めたり、また筋肉疲労による睡眠の質の向上も期待できます。さらに、発育発達期の子どもたちにとって、脳の健やかな成長を促進させるという意味でも、運動はとても重要であるという側面があります。
知っておきたい!幼少期の運動のポイント
ところで、幼少期は運動機能が急速に発達し、多様な動きを身に付けやすい時期といわれています。この時期に走る、跳ぶ、投げる、捕るという基本的な動作を行うことで、将来の競技スポーツの習得がスムーズになります。
ただ、幼少期の運動の主目的を「技術の習得」にしてしまうと、子どもたちにとって楽しさが半減し、場合によっては運動嫌いを招いてしまう恐れがあるのでご注意ください。
それから、もうひとつ気をつけたいのは、競技スポーツと違って、できる・できないにとらわれず、身体全身をバランスよくしっかり動かすことが大切という点です。
子どもが運動やスポーツに興味関心を持つには?
では、どうすれば子どもが運動・スポーツに興味関心をもち続け習慣化を図ることができるのでしょうか。
私が開催している「親子運動プログラム」に参加した保護者の皆さんは「きつかったけれど、とても楽しかった」という声が多く寄せられます。また子どもたちの大半も「すごく楽しい、またしたい」と喜んでいます。
では、そのプログラムの中で、私が伝えていることは何かというと至ってシンプルで「全身の筋肉を使うことを意識する」ということです。単一競技種目の偏った動きではなく、バランスよく様々な動きを取り入れるのです。
たとえば、立つ、座る、横たわる、転がる、回る、登る、下る、押す、引く、跳ねる、投げる、蹴る、捕る、這う、潜る、ぶら下がる、かわすなど、様々な動作を取り入れた遊びを親子で行います。実は上記のような動作は、大人にとってもかなり激しい動きを伴いますので、高質な運動効果も得られます。
とはいえ、トレーニングのようになってしまうと、きついばかりで面白みに欠けます。子どもはスピードを競うことを好みますので、「まねっこ鬼ごっこ」とか「まねっこ競争」のように、ゲーム的な要素を取り入れると楽しく運動できます。
※様々な動きでいろいろな物のまねをすることで、体のあらゆる筋肉を満遍なく程よく使えます。
また、的当あそびも大好きなので、的狙いで蹴力や投力、集中力も自然に養えます。是非お試しください。
子どもたちが身体を動かす楽しさや興味感心を持つと、自主的に外遊びや運動遊びを好むようになります。そして、その後の継続的なスポーツ習慣へと繋がっていくのです。
(参考 文部科学省 幼児期運動指針策定委員会)
(山崎 憲治/『子どもの運動と学習の関係』に関する教育アドバイザー)