そろそろ冬支度 寒さに備えて羽毛布団もふかふかに
まもなく冬到来の頃となりましたね。冬支度はお済ですか?
羽毛布団を出したら、膨らみが減って薄い感じがする…羽毛が飛び出てきた…このような場合には、羽毛布団を直すことができるのをご存じですか?羽毛布団リフォーム、あるいは羽毛打ち直しと言って今お使いの羽毛布団の中ダウンを使用してまるで新品の羽毛布団のようによみがえらせるのです。
その「羽毛布団リフォーム」とはどのような事をするのか?そして気を付けるべきポイントについてお伝えします。
羽毛布団のリフォームって何をするの?
まず羽毛布団リフォームの主な流れは
1.側生地をやぶり羽毛布団の中身と取り出す
2.中羽毛(ダウン)を洗い・乾燥させる(※①と②の順番は業者により異なります)
3.ダウンを機械にかけながら新しい側生地に投入
4.各マス目毎に新しいダウンも混ぜ合わせてより膨らみをつける
5.羽毛布団のダウン投入口を綴じて完成
リフォーム作業自体の流れ(工程)はどこの業者も概ね同じです。ただし、ステップ1の前に、リフォームをするにあたってとても重要なことがあります。
それは…
「そもそもリフォームできる羽毛布団かどうか?リフォームをするに値する品質か?」を適切に判断できるかどうかなのです。専門家がどんな観点に注目しているか、それぞれ見ていきましょう。
羽毛布団のリフォームができるかどうかの見極めポイント
1.お持ちの羽毛布団の元々の品質は?羽毛布団の品質表示札はついていますか?シングルサイズやダブルサイズ等の寸法やダウン品質などがかかれていますが、少なくともダウン80%以上のものが目安となります。ダウン70%や50%と書かれたものはフェザー(羽根)の部分が多く膨らみも弱いものになります。これらの表示がある場合はリフォームはおすすめしません。
また、購入時の価格とリフォーム代金の比較も必要です。
(例:購入時が3~4万円、リフォーム代3万円前後。この場合は新しい羽毛布団に買い替える方が良いかと思います。ただし何か思い入れ等もあり直したい方は別です)
現在の羽毛布団の膨らみ状況はどうですか?使用年数が長くなり、あまりにつぶれている場合は難しいかもしれません。
リフォームを行うべきか考える上で、使用年数は重要な判断基準になります。使用年数の目安は約15年以内のものとなります。私の経験上15年を超えるとリフォームは難しい状況になっている場合が多く、出来れば10年前後が理想です。ただし使用状況が良い場合、元々の品質がかなり良い品の場合は15年・20年以上たっていてもリフォームできる場合もあります。
3. 今回が初めてのリフォームか?過去にリフォームをした羽毛布団は2回目のリフォームはおすすめしません。また、使用した夏掛(肌掛)布団もリフォームはおすすめしません。
羽毛は使用期間が長くなるほどダウンの毛先が壊れていきます。過去にリフォームをした羽毛布団は中身の約70%程度は古いダウンです。仮に10年前に1度リフォームした場合は元々のダウンはすでに20年経っている事になりますね。このダウンを更に10年使用するには難しいものがあります。
また、夏布団(肌掛け)のような薄い布団の場合は押しつぶされたりのダメージが強いためダウンが相当弱まっていますのでこちらもリフォームには不向きとなります。
4. 足し羽毛の量はどれくらい必要か?足し羽毛の量によっても仕上がりが変わります。その足し羽毛量によってリフォームした方が良いのか?新しく買い替えた方が良いのか?を判断することが必要です。
わたの敷布団などに比べると「羽毛」という素材は復元力が弱く、リフォームにはどうしても足し羽毛が必要となります。この足し羽毛量(足し羽毛に使用するダウンの品質によっても膨らみが変わります)が少ないと良い仕上がりになりません。せっかく数万円の費用をかけたのに側生地こそきれいになったものの膨らみはわずかに良くなったかどうか?これでは意味がありません。
あまりに多く足し羽毛が必要な場合は新しい羽毛布団に買い替えた方がよい場合もありますので、専門家の確かな判断が重要なのです。
「正しく見極められる専門家」を選んで、ふかふかな羽毛布団を!
羽毛布団をリフォームする上では、一番重要なのが「見極め」られる専門家を選ぶことです。
何でもかんでもリフォームできますという業者、あるいは高額すぎる業者の話を聞いたりもします。
先のポイント1~4でもお伝えしたように、羽毛布団の現在の状況(膨らみ感や品質・使用年数など)から、リフォームに適しているのかどうか?更にはお客様のご希望(仕上がりの膨らみ感やサイズ・ご予算等)もお聞きしたうえで、足し羽毛量や生地ランク等も正しくご案内できる専門店を見つけてください。
暖かく気持ちの良い羽毛布団でぐっすり眠れますように…。
(米田 創/寝具小売店主)