嫌なことがあったときに、どうやって気持ちを切り替えるか?
たとえば、職場で嫌なことがあったり、夫婦喧嘩をして不機嫌になったり、友達とのやりとりで気分が悪くなったりと、生きていると、たびたび嫌な気分や腹が立つことってありますよね。そんな時、あなたはどんな風に気持ちの切り替えをしていますか?
飲みに行って誰かに愚痴を聞いてもらったり、スポーツジムで体を動かして気分を紛らわしたり、カラオケに行って大きな声で歌を歌ってストレス解消をしたりなど、嫌な気分から早く逃れられるよう、自分なりにいろいろ工夫しながら、気持ちを整えている方も多いと思います。
でも、飲みに行ったり、スポーツジムやカラオケに行くのも、嫌な気分になった瞬間にすぐ行けるわけではありませんよね。
それまでの間、イライラやムカムカをなんとかするために、早く忘れようとしたり、楽しいことを考えてみたり、はたまた、相手も私のためを思って言ってくれたんだよなぁ…と捉え方を変えたりして、嫌な気分を嫌じゃないように持っていこうとする人も多いと思います。
でも、どうでしょう?意識して早く忘れようとしてもうまくいかないことってありませんか?忘れたくても忘れられないとか、忘れようとしているのに浮かんできてしまうなど。頭で一生懸命忘れようとしても、気持ちが付いていけず、結局ずっと気分が晴れないという経験は、みなさん多かれ少なかれあるのではないでしょうか。
思考で気持ち・感情を抑え込んでしまうとうまく切り替えができない
では、なぜうまく切り替えができないのか?それは、思考でなんとかしようと気持ち(感情)を抑え込んでしまっているため、うまくいかないんですね。
嫌な気分を、スッキリ心から切り替えるためには、気持ちを無視して考えでなんとかしようとしても、無理が生じます。
嫌な気持ちは、感じて初めて消化されます。その時、嫌な気持ちを抑え込んでないものにしたとしても、自然に消えてなくなるわけではありません。時が過ぎて、出来事を忘れかけた頃、嫌な気持ちはなくなったかのように感じることがあるかもしれません。しかしそれは、抑え込んでいるだけで、心の奥には嫌な気持ちはしっかり溜まっています。なので、いくら思考でなんとかしようとしても、気持ちが残っている限り、切り替えができないのも無理もないわけですね。
まずは不快な感情を受け止めて消化することでスッキリ切り替えやすくなる
嫌な気持ちは誰しも感じたくはないので、避けようとします。でも避けて見ないようにしても、残念なことに消えてなくなりはしないので、不快な感情であっても、その感情を感じて受け止めていくことで、自然に気持ちは切り替えていけるのです。感情は感じれば消化されるので、足かせになっていた嫌な感情が消化されれば、自然に気持ちは切り替わっていきますからね。
一生懸命、嫌な気持ちを忘れようと思考でなんとかしなくても、感情を大事に受け止めることで、思考も感情も自然に切り替えていけるのです。
(前田 めぐみ/心理カウンセラー)