管理職になる?ならない?選択できることが真の活躍
政府が「2020年までに女性管理職比率を30%に」と旗を振るのと裏腹に、若い女性たちの間では「『活躍』より『家族との時間』が大事」「管理職にはなりたくない」「総合職より一般職」と考える人が増えています。
何を目標にするのかは自分で決めていいでしょう。でも、単に目先の忙しさや、今いる管理職の人たちの働き方を見て「ムリ、できない」と安易に決めてしまうと、自分の将来を狭めることになりかねません。では、何をポイントに考えればいいのでしょうか。
目標を決めるときに忘れてはいけない3つのポイント
女性が働き方を考えるときに、忘れてはいけないポイントが3つあります。まず1つめは、「子育てが落ち着いてからも、仕事は長く続く」ということです。
人生100年時代。定年退職は65歳くらいになるでしょう。例えば最後の子どもを35歳で産んだ場合、自分が45歳になると子どもは10歳、小学4年生です。もうだいぶ手が離れる年齢です。45歳になって子育てがひと段落した後、まだ20年は仕事をしていくのです。その後半の20年間が、役職有りなのか平社員なのかによって、働きがいも収入も、退職金も違ってきます。20代の時に自分のキャリアを考える時は、子育て期が終わった後もまだまだ長い、ということを忘れてはいけません。
ポイントの2つ目は、一般職の仕事や簡単なサポート業務は、今後はなくなっていくということです。今、大手企業を中心にAIなどの導入による業務の自動化が進んでいます。一般職になって簡単な事務作業でもやろうか、と安易に考えていると、あっという間に自分の仕事は自動化され、人手が必要な部署に異動になるでしょう。これからの時代は、人間にしか出来ない仕事で実力をつけて働いていかないと、不本意な異動のリスクが高くなります。
ポイントの3つ目は、働き方改革で、管理職の働き方も変わってくるということです。管理職になりたくない、と考えている若い女性(男性も)は、自分の上司や周囲の管理職たちが長時間労働で疲弊している姿を見て、管理職になったら家族との時間を大切にできない、と感じているのではないでしょうか。でも、今の20代の人たちが管理職になる10年後には、管理職も長い時間を仕事に縛られることなく、プライベートとの両立が可能な働き方に変わっているはずです。もし、10年後もまだ管理職が疲弊している状況が改善されていなかったら、そういう企業は今後淘汰されていきます。そんな会社で管理職になるよりも、転職を考えた方が良いかもしれません。
「ぜひ管理職になって!」と言われる実力をつける
管理職になるかならないかは、実際に管理職になる可能性が高くなるとき、例えば10年後に決めればいいでしょう。しかし「ぜひ、管理職になってほしい」と会社から言われるくらいの実力は、つけておく必要があります。女性の働き方は十人十色です。自分が納得のいく選択をするためには、実力がなければなりません。
若いうちから自分の成長を止めてはいけません。いろいろなことに挑戦をして、成功も失敗も経験しましょう。今は変化の大きい時代です。仕事のノウハウを身に着け、仕事が変わっても、会社が変わっても、実力あるビジネスウーマンでいられるように、力をつけてください。実力のある人が、自分の働き方や人生を、自分で決めることができるのです。選択のできる人になって、仕事も家庭も大切にできる人生を送りましょう!
(森 ゆき/キャリアコンサルタント・講師)