12月22日はゆず湯に入る冬至
12月22日は冬至(とうじ)ですね。みなさんは冬至の日に行う習慣がありますか?日本で冬至と言えば、ゆず湯に入って、かぼちゃをいただく。というのが定番。最近では、生活スタイルの変化や面倒くさいなどの理由から、昔ながらの伝統を実践しない方も増えているようです。
そもそも、昔の人はなぜ冬至にゆず湯に入っていたのでしょうか?
○冬至にゆずのお風呂に入って身を清めた。
○冬至=湯治。
など諸説ありますが、アロマテラピー講師の立場からいわせていただくと、ゆずの精油成分にも関係しているのではないかと思うのです。
ゆずの果皮に含まれる成分について
実は柑橘系の果皮(果実の皮)はとても優秀なのです!
ゆずの果皮にも、リモネンやシトラールといった成分が含まれています。これらの成分は、血行を促進し、新陳代謝を活発にしてくれるといわれています。現代のように、入浴後すぐ暖房が効いた部屋に行けるわけではなかった時代、ゆずを湯船に浮かべて香りを楽しみながら、身体を温めることは、まさに先人の知恵ですね。古くから伝わる日本のアロマテラピーともいえるのです。
ゆず湯の注意点は「残留農薬」
さて、現代においてゆず湯を楽しむ場合、気を付けていただきたいことのひとつに、残留農薬があります。
庭に実ったゆずを使うなど、野生のゆずを使う場合は当てはまりませんが、オレンジやレモンと同様、ゆずを生産する農家では防虫のために多少の農薬が使われている場合があります。
農薬がついたままのゆずをお風呂に入れてしまうと、湯船に溶け出し、皮膚から吸収してしまう可能性があるのです。スーパーマーケットなどで買ってきたゆずは、果皮をよく洗ってから使用し、農薬が残らないようにしてゆず湯を楽しんでくださいね。
注目されるゆずの保湿効果
また、アロマテラピーでも、ゆずのエッセンシャルオイル(精油)は和精油として、近年とても注目されています。秋から冬にかけて、ゆずのハンドクリームを店頭でよく見かけるようになりました。私の開催するアロマ講座でも、この時期ハンドクリーム作りをするのですが、ゆずには保湿効果もあり、好んでブレンドされる生徒様も多いです。
ゆず湯は片付けも面倒だから…と、エッセンシャルオイで代用する方も増えてきています。
その際は、「アロマオイル」ではなく、「エッセンシャルオイル」と書かれている物を選んでくださいね。
アロマオイルは主に、人工的に似た香りに作られた石油系のオイルですので、肌につけるには向いていません。肌トラブルを起こす危険もあります。エッセンシャルオイルの場合も、購入する際に肌につけても安全なオイルかどうか、お店の人に確認しましょう。
エッセンシャルオイルにも芳香浴向けのものがある
精油(エッセンシャルオイル)にもグレードがあり、残留農薬の検査がされていない、芳香浴向けの精油があります。農薬が残っている精油を、お風呂に入れることは、濃縮された農薬を肌に塗るようなものです。そう考えると、肌にとって良くないなぁ。ということは想像できますね。
実は3、4年前から、ゆずの精油も「水蒸気留法」という方法で採油されるようになりました。それまでは「圧搾法」という、果皮に圧力をかけて絞るような感じで採油されていたのですが、圧搾法だとフロクマリン類という成分が一緒に入ってしまい日中につけるハンドクリームにブレンドするには向かなかったのです。そこでフロクマリン類を含まないように、水蒸気留法で採油するメーカーが増えてきました。こちらは、肌につけることを考慮している場合が多いので参考にしてみると良いですね。
12月22日の冬至には、ゆず湯を安全に楽しんでくださいね。
(甲田 一歩/アロマセラピスト)