精油(エッセンシャルオイル)と塩をお風呂に入れるだけ
冬の寒い一日、最後に湯船にゆったり浸かってその日の疲れを癒す方も多いですよね。
ストレスケアや疲労回復法として、天然植物の香りのチカラを借りて芯からゆったりほぐれるひと時を過ごしませんか?
必要なのは、精油(Essensial Oil / エッセンシャルオイル)と塩、たったそれだけです。
やり方もとっても簡単。精油をほんの数滴、塩などに垂らしてよくなじませてから湯船に入れるだけ、です。
手軽で簡単なアロマバスも「アロマテラピー」の一つ
アロマバスとも言われるこの方法は、とても簡単で手軽ですが、れっきとしたアロマテラピー実践法の一つです。
アロマテラピーというと、精油をアロマポットで炊いたりディフューザーを使って空間に噴霧して香りを楽しむ方法(芳香浴法)が最も知られていますが、お風呂で香りを楽しむ方法(湯船に精油を入れる沐浴法)も手軽で人気です。
アロマテラピーの一番の魅力は、なんと言っても精油のナチュラルで優しい香りです。100%天然植物から採られた精油の自然な香りは、市販の入浴剤の香りはあまり好きではないという方にもかなり好評で、ストレスや緊張でこわばってしまったココロとカラダを穏やかにほぐしリラックスしたい時にピッタリです。
アロマバスの魅力は、単にリラックスだけにとどまりません。精油はお薬ではありませんが、植物が自分の体の中で作った化学物質の集まりで人間の体にも働きかけるさまざまな作用も有しています。
自分が一番リラックスできる香りを探してみよう
ただ、どの香りでリラックスをはじめとする「良さ」をどう感じるかは、使う人の感覚に左右されるところも少なくありません。
肝心なのは、何よりも自分が心底「好き」で「いいな!」と感じる香りを選ぶことです。例えば、リラックスの香りとして評判のラベンダーは苦手な方もそれなりにいらっしゃいます。そんな方は、ラベンダーの香りが逆にストレスになってしまいかねませんので、無理をして使う必要はありません。私は、ラベンダーがあまりお好きではない方には代わりにベルガモットやオレンジ、スィートマージョラムなど別の香りをご提案し、とても喜んでいただいています。
とにかく大好き!な香りに包まれながらココロもカラダも解放されホッと一息… という極上のリラックスタイムをお過ごしいただければと思います。
使用する精油の選び方・使い方の注意点
そんな魅力いっぱいのアロマバスですが、実践するときにご注意いただきたいことがいくつかあります。
まずは、使用する精油です。植物から採られた天然100%のものであること(合成のものではないこと)。市販されているアロマオイルには、空間に香りを拡げて楽しむことを目的として合成されたものや、天然精油を使っていても複数の精油をブレンドして“芳香浴専用”として販売されているものもあり、どちらも湯船に入れる使い方には適していませんので使わないようにしてください。
それから、精油の原液をいきなり湯船に入れるのもお避けください。精油は原液のままではお肌への刺激が強すぎますし、お湯にはとても溶けにくいのです。そこで、お湯との馴染みをよくするために使うのが「塩」なんです。塩の代わりに重曹やはちみつ、アルコール(無水エタノールなど)を使うこともできます。いずれも大さじ2杯程度の量でよく、加える精油は合計5滴までです。
もしご家族の入浴時間がまちまちで、少し時間が経って香りが弱まるのが気になる場合は、何回かに分けて(次の方が入るときなどに)湯船に入れるようにすると良いでしょう。なお、後からガラス製や陶器製の小皿などに精油を数滴たらしてバスルームの隅に置いておくだけでも香りが拡がって心地良いです。
なお、日頃シャワーで済ませることが多い方には、塩、重曹、はちみつなどに精油をなじませてからお湯を張った洗面器等に入れて5~10分程度手や足を浸す手浴・足浴もおススメです。
特に、終日慌ただしくて気が立ったまま、夜になってもなかなか寝付けないときには、お着替え要らずで手軽な手浴・足浴をぜひお試しください。
精油の香り、とくに大好きな香りを楽しむことは、ストレスケアになるだけでなく自律神経のバランスを整え、免疫力を高めることにもつながると言われています。精油を活用して、寒い冬を心身すこやかに乗り切っていただけたらと思います。
(田浦 裕子/アロマセラピスト)