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家庭に居場所がない「フラリーマン」な夫、これは本人だけの問題か?

JIJICO 2018年1月29日 7時30分

家庭に居場所がないためにフラフラしてから帰る「フラリーマン」現象

働き方改革を国が進める中、週に何度かは定時で終わる会社も増えています。そこで働くサラリーマン達は真っ直ぐ帰宅するのかというと、必ずしもそういう訳ではないようです。

家に自分の居場所がない為に中々帰宅せず、ネットカフェやファミレスで時間を費やす人達がいるのも実情です。こういった人達をフラリーマンと呼び、世間から否定的な目で取り上げられる事があるようです。

しかし、すべての家庭で父親の居場所がないのでしょうか。夫婦の在り方は十人十色で、帰宅した夫への妻の対応も様々です。「お疲れ様。ゆっくりとくつろいでね」と夫を労う妻もあれば、「待っていました!これで二人体制になるから助かるわ」と夫を頼りにしている妻もいます。一方、邪魔な奴が帰って来た。もっと遅く帰ってきてよ!」と、夫の帰宅を煙たがる妻がいるのも現実です。

昨今話題になっているフラリーマンの妻は、ほぼ後者といってよいでしょう。

フラリーマン現象は夫婦2人の問題と捉えて考えよう

確かに世間では、家事や育児に奮闘する妻の傍らで「スマホに夢中の夫」もいます。家事や育児をしたいけど「スキルが不十分な夫」もいます。

そのため、妻のストレスが爆発して家に居辛い夫が出てくるわけです。このように見てみると、役に立たない夫に問題があると捉えられがちですが、フラリーマン現象は夫だけではなく、夫婦の問題と捉える事が大切です。

夫婦にはお互いの価値観、得意不得意な事も含めて様々な事情があります。しかし、結婚して家庭を築いたのならば、様々な事情も含めてお互いに協力し合う事が大切です。

幸いにして、今は家電製品の性能が上がり、また、便利なサービスも増えています。私もかつては共働きながら家事育児の8割を担っていた時がありますが、ちょっとした工夫をすれば家事や育児はそこまで負担な事ではありません。

また、今の時代は夫も家事や育児を担うべきと考えている男性は多数おり、家事や育児を支える環境は十分に整っています。

それにも関わらず、家事や育児を大変にしているのは自分達でもあります。よく見かけるのは、「私のやり方が正しい」「私がするから邪魔しないで」等という態度を妻がとり、夫にやり方を押し付けたりテリトリーに入れないケースです。

この事は夫の協力を遠ざけ、結果として妻の負担を増やす事になっています。

お互いの価値観を受け入れることが家庭の居心地を良くする第一歩

過去記事でも何度か述べましたが、家事や育児のやり方は千差万別で、夫と妻の価値観もやり方も当然違います。その違いを私達は受け入れる事ができているでしょうか。

家事や育児の負担軽減の第一歩は、お互いの価値観を受入れるといった非常に身近な所に存在します。そして、価値観の違いを受け入れる親の背中を見て育った子どもは、自分と違った価値観を受け入る大切さを学ぶのです。

このような家庭環境は夫だけでなく妻や子どもにとっても居心地のいい空間となり、フラリーマン現象の低下へとつながっていくのではないでしょうか。

(中原 崇/社会福祉士)

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