女性ホルモンの低下で起こる「産後クライシス」
産後のセックスレスが起きる原因として、産後クライシスがあると言われています。
産後クライシスが原因で離婚に至るというのは、出産後2年以内の離婚が最も多いという事から裏づけられるように、離婚原因と産後クライシスは密接な関係があるようです。そもそも産後クライシスの起きる原因として 女性のホルモン低下と言われています。
詳しくは女性ホルモンの「エストロゲン」と「プロゲステロン」が産後は急減します。反面分泌量が増えるホルモンが「オキシトシン」です。これは子どもを守るために分泌されるホルモンで、育児に非協力的な人間に対して攻撃性を高める作用があるとも言われています。
ただし、この様な野生のなごり、本能の話をされても、女性は科学的に考えるのが苦手で、そういう分析的な事ではなくどうも感情の部分で捉えていると感じてしまいます。
特に第一子の時には、夫婦が共同作業で子育てするものという理想がありますから、妻の体から出てきた赤ちゃんに対して、即刻母親になれる妻と違い、父親になる準備中の夫には、育児に協力的か否かを夫に対して厳しい審査員のような目で夫にダメ出しをするようになるのです。
これをホルモンのせいだと言っても解決にはならないので、こういう事が根底にあり、人間の本能だという解釈だけでいいと思います。
夫婦間のコミュニケーションが重要
とは言え、実際夫の浮気が一番多いのは妻が妊娠中という事も言えるので、妊娠中から夫の心が他の異性に向き、産後は妻が夫を遠ざけるという構図が、最も離婚の多くなる時期というのもうなずけます。
では、どうしたら、この構図が無くなるかというと、これは夫婦のコミュニケーションしかありません。身体的に、産前産後は女性はデリケートですので、できる事と言うとコミュニケーションになります。でも、そういうコミュニケーションが妻は望みながら、夫が逃げ腰な事はよくあります。
それは何故か?
要するに妻は会話が好きな割には、会話が下手です。家事協力一つ取っても、「○○してくれる?」とお願い系で終わるのがベストです。
「○○をしてくれない」と不満を口にするネガティブな話し方をしますから、会話と言っても 不平不満となるのが普通です。これでは会話ではなく、会議になってしまいます。こういう事に気づくと、もう少しコミュニケーションが取れるようになります。
男女の特性を把握したうえでお互い協力しあおう
夫は説教されるのが大嫌い。実は産後クライシスに陥る原因に、妻が人を頼る事が苦手なケースがあります。
男性は単純ですから、気は利かないけれど、気はいい生き物なのです。それを何でもかんでも悪意に考えてしまっては 夫も立つ瀬がない。家事協力をお願いするにしても、夫は先回りして家事を探してまで・・・まして上手にはできません。
外で仕事をしているので、ほとんどの男性が家に帰ってまではしたくないと考えていますが 頼まれたら嫌とは言いません。
妻が、自分ひとりで家事や育児を抱え、テンパって夫を家事の非協力者というような悪者にするくらいなら、強がりを言わずに出来ないことをできないと、夫に頼めばいいのです。
たとえ夫は頼まれた半分しか出来なくても、その分、会社で仕事を頑張ってくれているので、手伝ってくれただけでも、感謝!という気持ちで留めて下さい。これがウィンウィンの関係です。
家事や育児を手伝ってくれない夫
↓
家庭や家族の事を何とも考えてない
↓
妻の事を愛してないんだわ
こんな風に妻の考えは、「負のスパイラル」を呼びます。
産後クライシスの原因は夫というオスから子供を遠ざけるものという本能であっても、それは獣の話。夫をこんな目で敵対視するのは間違っています。
円滑に行くには不満ではなく、お願いという協力姿勢が取れない妻の強がりも原因です。
産後セックスレスを乗り切るには、妻側の考え方が大いに影響します。ボディーランゲージができない産前産後から、会話を多くし、なるたけ夫との距離を詰めておくことをお勧めします。
夫は運命共同体。貴女の味方です。
(村越 真里子/夫婦問題カウンセラー)