ネイティブの話を聞き取るにはTOEICのスピードは遅い
少し前になりますが、こんな生徒さんがいらっしゃいました。
発音トレーニングを開始してしばらくしたら、何となく聞き取れるようになったので、TOEICを受けたら、特に準備をしたわけでもないが、リスニングスコアが70点上がっていた。(あ、私が主宰する英語の発音矯正スクールは決してTOEICのスコアアップのためのスクールではないです。スコアアップが目的なら、それに特化したスクールに行くのをお勧めします!)
その時、ずっと避けていたTOEICのリスニングの問題を何十年ぶりかで私もやってみました。
……遅い!!
TOEICのリスニング問題、スピードが遅いです。ゆっくりですよ~!自分が聞き取りたい相手が非ネイティブならこれでよいかもしれませんが、聞き取りたい相手がネイティブならばTOEICのスピードでは遅いのです。
うちで発音&リスニングトレーニングをしたSさん(30代・外資金融勤務)のご感想をご紹介しましょう。
「聞き取れるようになるために、発音トレーニングが効く、という理屈はわかりましたが、実際にやってみると、最初はあまりに出来なさ過ぎて色々ショックでした。
(中略)
3ヶ月経って、会議のなかみがするする入ってくるので発言のタイミングを逃すのも減りました。いや、まさか、口に出す練習がこんなに大事だとは思いませんでした。日本人の同僚の英語の発音を直したくなって今困ってます。」
SさんはTOEIC900点を超えていましたが、ネイティブも出席する英語会議が聞き取れないのが悩みでした。トピックによっては、2割もわからない。TOECI900点超えているのにです。
聞き取るために口に出す練習をしてみよう
そんなSさんのリスニングのトレーニングの時の第一声は「先生、これ、早回ししてませんか?」というものでした。
してないです!もちろん。早回ししてるくらいに聞こえてしまうのですよね~、ナチュラルスピードなんですけど。それが、3ヶ月経つと、ディクテーションはほぼ1回で完答し、肝心の会社の英語会議も楽になったそうです。
というか、Sさんは1ヶ月目で「あれ?聞けてる!」という感覚があったそうです。
当然です。聞き取れるようになるための練習をしているのですから。そして、Sさんは今までそれをやってなかっただけなのですから。聞き取れるようになるためには、口に出す練習は絶対不可欠です。しかも、TOEICのスピード以上で。
「毎日5分聞き流すだけでOK」なんてのは、効かない。「責任者出てこーい!」と言いたいくらい。(まあ、何にもしないよりはマシですが)
今まで英語の勉強はしてきた。読むのは出来る。メールも書ける。TOEICのスコアもある。なのに、聞き取れない!という方。ならば、今までやったことがない練習、聞き取るために口に出す練習をすればいいだけの話なのです。
(阿久澤 淳子/英語発音トレーナー)