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集団指導と個別指導の塾、子どもがどちら向きかはどうやってわかる?

JIJICO 2018年3月10日 7時30分


学習塾は大きく「集団指導」「個別指導」の2つのタイプに分けられる。株式会社矢野経済研究所『教育産業白書2017年版』によれば、学習塾市場における個別指導塾市場のシェアは約45%で、毎年伸びている状況だ。

指導タイプは一概にどちらが良いとは言えないが、それぞれ人によって向き・不向きがあり、タイプ別に特徴を知っておくことが大切だ。

集団指導の特徴:ライバルと切磋琢磨しやすいがケアが手薄かも

集団指導は、一人の講師に対して数人~数十人の生徒が同時に授業を受ける指導形式を言う。学校と同じような指導方法をとり、全員が同じ授業を受ける。多くの場合、プロ講師が指導するため、レベルの高い授業が行われ、受験に関する情報量も比較的豊富と言える。

周囲のライバル達と切磋琢磨することで、モチベーションを高めやすい傾向がある。ただし、集団指導ゆえに、授業に付いていけない生徒のケアには問題点が残る。

個別指導の特徴:質問しやすい環境だがやる気の維持が難しいかも

個別指導は、生徒一人ひとりに合わせて授業の進行度が変わる指導形式で、マンツーマンあるいは講師一人に生徒2~3人の少人数制をとる。そのため、生徒の元々の学力や学習進度、部活動などとの兼ね合いなども考慮した、オーダーメイド式の授業を受けられる。

少人数であるため、分からないまま先に進んでしまうことはなく、質問などもしやすい。また、講師は生徒の習熟度合いを把握しやすく、効果的な学習計画を組み立てやすい。ただし、孤独感に陥りやすく、やる気の維持が難しいことがあり得る。

「集団指導」に向くタイプ:意欲があり競争することでモチベーションが高まる子

集団指導に向くタイプは、過去の勉強内容が理解できており、学習意欲も一定以上認められる子。

競争心や負けん気があって、周囲との競争でモチベーションが高まる性格があれば、毎回有意義な授業となるだろう。周囲を気にせず講師に質問ができたり、指示通り物事をこなしたりできる子は成績を伸ばせる可能性がある。

「個別指導」に向くタイプ:クラスの中での質問・発言がが苦手な子

個別指導に向くタイプは、「自分のペースでの学習」が必要な場合だ。勉強が遅れていれば、個別にカリキュラムを組むことや、部活動との両立を希望する場合にも対応できる。

自分から先生に質問したり、手を挙げて発言したりすることが苦手な子に向くだろう。

様々なニーズから個別指導塾が人気に。近年は「自立学習型」タイプも登場

近くで先生に見てもらいたい 勉強をせざるを得ない環境をつくりたい 部活や他の習い事の関係で、通塾する日を選択したい 家庭教師より比較的安価

こんな要望を持ったご家庭が個別指導塾を検討されることが多い。結果的に個別指導塾のニーズが高まり続けている。

さらに近年は、個別指導分野に「自立学習型」が登場し躍進している。生徒はIT教材を使って勉強し、講師は「やる気」を引き出すコーチングに徹するモデルだ。「教」を対話演習の学習システムが、「育」を人間が担う指導モデルが、今後の学習塾業界を牽引していくだろう。

(田中 正徳/次世代教育プランナー)

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