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喪主経験者の半数が後悔 悔いのない葬儀を行うにはいつからどんな準備が必要?

JIJICO 2018年4月9日 7時30分


ある葬儀業者の意識調査で、喪主経験者の約半数が、葬儀における「後悔」があるという回答があったとのことです。葬儀には、心の準備と実務上の準備、両方の備えが重要です。

慌てて後悔しないために葬儀の流れを知っておこう

家族が亡くなって悲しむ間もなくすぐに決めなければならない葬儀社。よくあるのは、あとで比較検討すればよいから“とりあえず”搬送してもらう葬儀社を決めようというケース。ところが葬儀社が到着したあと、どのようなことが起こるのか知らない人が結構います。

だからこそ、困ったり後悔したりする人が多いため、どのような流れなのかをしっかり知っておかなければなりません。なお、東京都内の病院で死亡し、都内で仏式葬儀を行う仮定でお伝えしていきます。

まず故人の安置先を決める

葬儀社が病院に到着すると安置先を聞かれます。自宅ならそのまま搬送してもらえばよいのですが、自宅以外の場合にはどこに安置するのかを決めなければなりません。

葬儀社のセレモニー会館、公営や民営の安置室などさまざまありますが、故人だけの安置でよいのか、故人と一緒に過ごしたいのかによって安置先が違うため、葬儀社に聞きながら決めていきます。

業者との打ち合わせで決めること

安置後、葬儀の見積書を作成するために内容の打ち合わせをしていきます。
打ち合わせの項目としては、例えば

親族の人数 会葬者の人数 祭壇や棺 通夜ぶるまい 精進落としなどの料理 返礼品 葬儀を行う場所

などです。これらを協議し、決定していく必要があります。菩提寺がある場合には、菩提寺のスケジュール確認や戒名の依頼も必要です。

そして見積書が出来上がったあと、別の葬儀社と比較したいと思う人もいるのですが、実はここで大きな問題があるのです。

葬儀社が決まらないと訃報の通知が行えない

葬儀社を比較、検討をしている段階では訃報の通知をすることができません。

訃報の通知をするには、通夜や葬儀の日時、場所が確定していなければならないからです。これは、葬儀社が決まってはじめて確定するため、比較している時間の余裕がないことを知り、搬送を依頼した葬儀社に引き続き依頼する人がほとんどです。

葬儀の良しあしを決めるもの

品物は、品質やグレードを価格で決められますが、葬儀を行ってくれるスタッフのグレードは価格で決まるわけではありません。結局はそのスタッフがどのような姿勢で取り組んでいるのか、遺族のために精一杯行ってくれるのか否かで違うのですが、これは、実際に葬儀を行ってみなければわかりません。

結局、病院で“とりあえず”依頼した葬儀社が良い人材かどうかで、葬儀が良かったか分かるということです。

後悔しないためには「突然」の前に2社程見積書をもらおう

突然の葬儀ではじっくり葬儀社を決めるのが難しいため、事前に葬儀社へ行き、面談したうえで見積書をもらうのが一番です。実際に葬儀社に行くと、その葬儀社の雰囲気や社員の応対もわかりますし、見積書を作成することで不明点を確認することができ、概算金額もわかるからです。

葬儀社に見積もりをもらうときには、会館を持っている・いない、大規模・小規模、地域密着・全国展開など、タイプの違う葬儀社2社程度は訪ねることをおすすめします。そして、良いと思ったときには依頼する葬儀社候補としておけばよいのです。

なお注意点としては、状況によりその葬儀社が廃業してしまったり、別の葬儀社や支社と統廃合してしまったりすることもあるため、生前予約などの費用を支払うなら、その旨を分かったうえで行う必要があります。

早めに本人・喪主も同席のうえ納得できる葬儀社選びを

葬儀社候補を見つけるのはできるだけ早めがベストです。まだまだ不要と思うときのほうが、本人も家族も客観的に考えることができるからです。そのときには本人だけではなく、喪主を行う人も一緒に行くことをおすすめします。結局は葬儀を行う人が分かっていなければ意味がないからです。

そして、訃報の連絡をしてほしい人、宗派や菩提寺の連絡先、遺影の写真候補もあわせて伝えることで家族は困らずに済みます。何より、供養される側ではなく、供養する側の立場になって考えてほしいと思います。

(明石 久美/ファイナンシャルプランナー)

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