あらためて見直したい玄米の栄養・効能
ご飯と言うと、白米を思い浮かべる方が多いと思いますが、白米は、玄米から表皮、胚芽、ぬか層を取り除いたものです。美味しさで言うと、あのツヤツヤの輝いている白米にはかないませんが、栄養で言うと、その取り除いている部分には、美肌に欠かせない成分や、ダイエットに役立つ食物繊維が豊富に含まれ、美と健康に非常に役立ちます。
この部分が含まれた玄米は生命の種です。水につけておくと自然と芽が出てきます。白米は何日たっても芽は出てきません。玄米は調理寸前まで生きている食べ物です。素材の生命力を丸ごといただいて、体も心も元気になれたらいいですよね。
特に精製された白い炭水化物は、血糖値の上昇が早いので、糖尿病予防のためにも急激な血糖値の上昇を抑える玄米食はオススメです。
玄米の栄養と効用5つ1.体内で糖質が、エネルギーに変わるのを助けてくれたり、疲労回復に効果的なビタミンB1が豊富。
2.強力な抗酸化作用があり、老化防止や美肌作りに役立つビタミンEが含まれています。
3.鉄分、マグネシウム、亜鉛、カリウムやリン、カルシウムなどのビタミン、ミネラルもいろいろ含まれています。
4.食物繊維が多く、腸の働きを促し、便秘予防になります。体内の有害物質や脂肪を外に排出する役割があります。
5.肌荒れ、シミ、シワの原因となる活性酸素を除去する成分やメラニン色素の生成を抑え、美白に効果のある抗酸化物質が豊富です。
発芽玄米は普通の玄米よりさらに栄養がすごい!
発芽玄米は、玄米を2~3日水に浸し、芽が少し出た状態にしたものです。玄米の発芽の過程で酵素が活性化し、米のエネルギーがピークまで高まり、栄養素の量が最大に引き上げられます。玄米よりさらに栄養価の高い、パワーアップした玄米です。
脳内の神経伝達物質の一つであるギャバが、玄米の1.5倍、白米の10倍も含まれます。血中コレステロールや中性脂肪を抑制し、脂質の代謝を促進する働きがあります。また、イライラ、不眠、うつ、女性の更年期生涯に効果があります。
玄米のように、長時間水につけるなどの柔らかくしてから炊く必要がなく、普通に炊飯器で炊けます。真空パックで市販されていますが、少し高価格なので、自分で玄米を発芽させてつくってみるのも良いと思います。
玄米が苦手な方は「分づき米」から慣れるのがおすすめ
玄米と白米の中間に位置するのが分づき米。7分づき米→5分づき米→3分づき米→玄米へと少しずつ慣れ親しんでいってはいかがでしょうか。また、白米と混ぜて炊くと、雑穀感覚で食べやすくなると思います。
玄米はお腹が張るという方はワカメ、きのこ類などもあわせて食べよう
玄米には、食物繊維が豊富という特徴があり、特に不溶性食物繊維が多いです。この食物繊維は、水を吸収して腸内で10倍に膨らんでカサを増やす役目をしてくれますが、水分が足りないと便が固くなりスムーズに、出なくなりお腹が張る状態になる方もいらっしゃいます。
そうならないためにも、便を柔らかくしてくれる水溶性食物繊維を一緒に摂ることを、オススメします。水溶性食物繊維は、特に海藻に多いので、例えばワカメや、昆布を一緒に入れて炊いたり、また海苔で巻いたおにぎりやとろろ昆布のおにぎりもいいですね。
それから、海藻類のほか、豆類やイモ類、根菜類、きのこ類も水溶性食物繊維が多いので、そういった食材を使った炊き込みご飯や、おかずを一緒に摂ってみることで、食物繊維のバランスがとれると思います。
玄米はよく噛みたくなる食感と甘みを感じられ早食いも防げる
私自身は、玄米を久しぶりに食べてみて、一番に思ったことは、美味しい!!でした。つるんとしている白米は、どちらかというと噛み応えが弱い中、玄米は、噛みたくなる食感と、噛めば噛むほど玄米の甘みを感じることができます。
早食いは、つい食べ過ぎて太りやすくなることからも、自然と噛みたくなる玄米は、食べ応えを感じること、満腹感が早く訪れることで、食べ過ぎを防いでくれます。さらに、噛むことで、だ液からパロチンという若返りホルモンが出て、美肌効果もあります。
玄米の美味しい食べ方・レシピ
玄米は、とてもかたいので、8時間程度の浸水が必要になります。そして自然海塩をひとつまみ入れて炊くことで甘みを引出し、美味しくなります。
基本のおにぎり・チャーハン
玄米のおにぎり焼きのりや、とろろ昆布で包み、中の具には、昆布や、椎茸の佃煮、梅干し、葱味噌などがよく合います。
玄米のチャーハンいろんな具材が合うと思います。ここでは、卵としらすのチャーハンを紹介したいと思います。玄米自身がもともとパラパラしているのでとても作りやすいです。
材料(1人前)
炊いた玄米ご飯 茶碗1杯 ねぎ 大1 卵 1個 しらす 大1 白ごま 大1 しょうゆ麹 小1 塩コショウ適量 刻みのり適量作り方
1.ねぎをみじん切りにする。 2.フライパンに油を入れて、ときほぐした卵で炒り卵を作る。 3.2.を取り出し、ごま油を入れ炊いた玄米を入れて炒める。 4.1のねぎや、しらす、白ごまを入れて、醤油麹を入れてさらに炒める。 5.4に2の卵を入れて、塩コショウで、味を調える。 6.刻みのりを上から散らす。 その他、歯ごたえを活かしたリゾットやパエリアなども玄米と相性が良い玄米のリゾットや、パエリアは、アルデンテに仕上げる料理ですので、歯ごたえのある玄米にはピッタリのメニューで、オシャレな美容食という気分で味わえると思います。
また、豆入り玄米ご飯は、とても相性がいいです。玄米のうまみと豆のほっくりした感じで、お互いの美味しさをパワーアップさせているように思います。
それから、玄米をフライパンで弱火で15分ほど、から炒りした香ばしい玄米は、小腹のすいたときにピッタリです。スープや、味噌汁に浮かべたり、サラダにかけて食べるのも気軽でいいと思います。玄米茶としてお湯を注いで召し上がっても身体が温まっていいですね。
玄米と合うおかずは低カロリーの和食
煮物、おひたし、味噌汁、和え物、漬け物などの低カロリーの和食のおかずと相性がいいです。玄米は噛めば噛むほど味わい深いので、シンプルな味付け、調理のおかずがよく合うでしょう。
今回改めて玄米の素晴らしさを再確認し、私が毎月開催している健康料理教室でもこの栄養の宝庫である玄米を使ったメニューをとりいれていくことにしました。参加されるお子様の脳にも、体にも良い玄米を知るきっかけになってくれたらと思います。
(水野 直美/健康アドバイザー)