塩分の過剰摂取は高血圧や糖尿病などの原因になる!
『塩分』この言葉を聞いてほとんどの方が『取りすぎてはいけない物』という認識はあると思いますが、減塩を実行するのはなかなか難しいと思います。
塩分の過剰摂取は様々な病気の原因になると言われています。その代表格は何と言っても『高血圧』と『糖尿病』でしょう。この高血圧と糖尿病が続くと血管や心臓に大きな負担がかかり『脳卒中』『心筋梗塞』など聞いただけも恐ろしくなる、直接命に関わる病気にもつながります。
頻尿が減塩で改善されるというニュースが話題に
また、最近の研究では男性も女性も今や1000万人の方がお悩みと言われている排尿トラブル、その中でも最も多い『頻尿』が減塩をすることで改善されるというニュースも報道されて話題になっています。このニュースは長崎大学病院の泌尿器科の松尾朋博助教による研究で「減塩により口の渇きが抑えられ、水分をとる量が減ったことや交感神経への刺激が抑えられたことなどが頻尿の改善理由と考えられる」ということです。
このように塩分過剰摂取は多くのリスクがあると同時に、減塩をすることで血管の劣化を防ぎ、水分過剰摂取による心臓や腎臓と行った臓器への負担も軽減することができます。寿命が伸びている現代人にとって減塩は『健康長寿』(他人の手をかりずに身の回りの生活のことを自立してできる年齢)を延ばすためのとっても大切なポイントなのです。
塩分の摂取量を減らして余分な塩分を効果的に排出することが重要
塩分過剰摂取のリスクと、減塩することで得られることを簡単にご紹介しましたが、外食、中食、加工食品を食べる機会が多い我々は意識をしないと塩分過多になってしまいます。どのようにすれば体内を効果的に減塩状態に出来るのでしょうか?
ポイントはとってもシンプルです。体に入ってくる塩分を減らすこと、まさに『減塩』ですね。そして体の中から効果的に塩分を出すこと、あえて名前をつけるなら『排塩』でしょうか?この入り口を閉めることと、しっかり外に出すことが大切です。
実践しやすい減塩のコツ6つ
入り口を減らす『減塩』のポイントです。月並みな物をありますが改めてご紹介します。
1) 醤油はなるべく減塩で。直接かけるのではなく、醤油皿に少量付けて食べるようにしましょう。
2) 調理時に塩分を控えるため、だし、香辛料(カレー粉などはオススメ)、レモン、すだち、かぼすなどの柑橘類など塩分以外で味や風味をつけることで塩分を使う量を減らしましょう。
3) 漬物が好きな方は漬物の代わりに塩分を控えた酢漬けなどを食べましょう。
4) ラーメンなどの麺類は汁やスープは残しましょう。
5) 味付けのポイントはご飯なしでも食べれるぐらいの薄味で。ご飯と一緒でちょうどよい味は濃すぎるので注意。
6) 塩化ナトリウムだけの食卓塩よりはミネラル分(にがり)がしっかり入っている塩を選びましょう。でも使いすぎにはご注意を。
余分な塩分を輩出するための2つのポイント
余分な塩分を体の外に排出する『排塩』のポイントは2つです。
1) 病気があり摂取を控えるように言われている方以外は、塩分の排出を助けてくれるカリウムが豊富に含まれている野菜、果物をしっかりと取りましょう。カリウムは熱に弱いので、生で食べる野菜や果物を適量とりましょう。
2) ウォーキングなどの適度な有酸素運動は発汗を促し体内の塩分を排出してくれます。運動ができない時は温めのお風呂にゆっくりつかり汗をかくことも効果的です。
塩分自体は我々が生きていくためには必須の栄養素です。まったく塩分を取らないことは体のバランスを崩します。夏に増える脱水症は水の不足と同時に塩分を含めた脱ミネラルが重篤な症状を引き起こすことはみなさんもご存知だと思います。大切な塩分なだけに取り方、出し方をしっかり注意して体に負担をかけないようにしましょうね。
(早川 弘太/健康管理士)