今は、「遺品整理」とうたっている業者は多くあります。本当の遺品整理業者のほか、単にモノを処分するだけの業者など、遺品整理業者といってもさまざまあります。最近では「生前整理」として業者へ片づけの依頼をするケースも多くあります。施設に入る、売却するなどの理由で、部屋を片付けたい人もいるからです。
なお、自分たちで片づける際にうっかりやってしまいがちなNG行為や、遺品整理業者に依頼するタイミングについては、『遺品整理でうっかりやってしまいがちなNG行為、ここに注意』をご覧ください。
遺品整理を行っている業者は様々なタイプがある
業者といっても、リサイクル業者、便利屋、産業廃棄物業者、ハウスクリーニング屋、お片付けコンサルティング、引っ越し屋、宅急便屋など、今ではさまざまな業者が遺品整理を行っています。
その中でも、モノの処分だけをしてくれる業者、遺族とともに一緒に片づけをする業者があります。
業者に何を求めるのかを考えて費用と対応範囲を確認しておく
実家を片付けるとき、意外と多くの人がよく見ないで押し入れの中のものは全て捨ててほしいと言います。しかし、奥の方や天袋に懐かしいものや大切なものがある場合も多いのです。親の子供時代の写真や通知表、両親が出会った頃のなれそめが分かるようなもの、親の子への想いなど、知ってよかったと思うような品物が眠っている場合があります。
確認の言葉をかけてくれることなく処分されてしまったら、そんな思い出や親の想いに気づかないかもしれません。モノが多い場合にはあえて、大切なものを選別してくれる経験豊富な業者を選ぶのがオススメです。
ほとんど片付いていて処分のみで良いのであれば、どこの業者でも大丈夫です。ただし、費用面だけではなく、どこまで対応してくれるのか確認は必要です。
見積書作成時に確認すべき事項
業者に依頼する前には、基本的に自宅に来てもらって見積書をもらいます。そのときに確認すべき事項なのが、自分たちにどこまで向き合ってくれるのか、相手に無理のないスケジュールで作業してくれるのか、終了後に掃除もしてくれるのか、納得いくまで説明してくれるかなどです。これらは、業者と会って話をしてみなければわかりません。
遺品整理は、引っ越し作業より費用がかかります。引っ越しは、基本的に自分で荷物を箱詰めし、その箱や家具等をトラックに載せて運搬してもらい、引っ越し先に届けるのが仕事です。
しかし遺品整理は、品物を重要・大切なもの、売れる(買い取れる)ものを分別しながら、トラックに載せて搬出します。リサイクル品や骨董品などはその業者へ持ち込み、不用品は処分品として処分場へ持ち込みます。分別をするにも1日では終わりませんし、室内の掃除も最後には行うとなると、引っ越しよりも行う工程が多くなります。
依頼者のなかには、実家の洗濯機と自宅の洗濯機を交換したいというニーズもあり、引っ越し業者のように、別の場所に移動して終わりというわけではありません。
また、業者によっては、リサイクル等で売れた分を返金する業者、それらは行わず、処分のみ行う業者などありますので、依頼するときの費用ばかりに目を向けず、返金等も行ってくれるのかについても、確認しておきたいものです。
(明石 久美/ファイナンシャルプランナー)