結婚・家族に関する意識調査、10年の変化とは
結婚による意識変化を調べた結果、今も昔も、伴侶を心の拠りどころとする傾向には大きな変化はありませんが、昨今、特に若年層男性は妻を大切にする傾向があり、中高年層の夫婦はその逆という結果が出ました。
今日は 下記を参考に、夫婦の変性について書いていきます。
参照:夫婦関係10年の変化、若年愛妻家が増加傾向|㈱リサーチ・アンド・ディベロプメント
ゆとり世代を築いた「父親不在の家庭」の反動か
特に妻を大切にする夫の年齢が20代~30代というのは、まさしく平成生まれという事が言えます。つまり、ゆとり世代。その「ゆとり世代」を揶揄する言い方をしますが、実は高度成長時代に育った親がゆとり世代を築きました。
大げさに言えば世界に向けても、資源のない日本は技術で勝ち誇り、競争社会で結果を残しつつも、人としての暮らしを考えた時、あまりにも仕事に忙殺した働き蜂の男性社会を疑問視し、その結果人々にもたらしたものは何かと考えたとき、そこに残ったものは父親不在の家庭でした。
しかし、そういう家庭で育った子供達は父親が威張っている事が家庭の幸せとはイコールにならないと判り、それを自分の子育てでは、妻を愛し、家庭を顧みるという生活を取り戻しました。しかし、今回のデータではなぜ女性には大きな変化がないのでしょうか?それは女性はどの時代も家庭や家族を育てるという役目に大きな変化がなく意識はあまり変わっていない、という可能性があります。
「偉そうな父親像」の変化がポイント
頑固親父や亭主関白の家庭で、家族が幸せそうな家を見たことがありません。特にその家のお母さんが、幸せそうにしている家庭は少ないでしょう。男性は、元々力があって、強いに決まっている。その強い男性が、父親風を吹かしたら、子供達は縮み上がります。昔は、父親が怖かったのです。
だから、家庭を変えるには男性の意識が変わらなければ、家庭はなかなか和やかには行きません。
夫婦のフラットな関係作りが始まった
強い人間は、強さを誇示してはいけないのです。競争社会でいくら勝てても、家の中には、競争はいりませんが、昔の頑固親父は、家の中で妻を下に見て従えてました。これがまさに主従関係。
一番や二番、上や下やの、上下関係。誰が一番偉いかが、昔の家庭の中でもしっかりと線引きがありました。そう言えば、私が子供時代は、運動会では一等賞が一番素晴らしくて、家族総出で応援してくれたものですが、私の息子達の運動会では、皆が手を繫ぎ一緒にゴールしました。
戦いや争いには意味がないから競争を止めようという教育です。夫婦のフラットな関係作りは、競争社会という概念を捨て、まず男性が変わることから始まります
人が変わるには3世代の時間が必要
ところが反面、中高年の男性の意識が変わらないという結果が出てますが、人の意識が変わるには時間が必要です。
高度成長時代の頑固親父に育てられた時代背景があり、まだまだ意識は変われません。
「自分は簡単には変われない」
だからこそ、せめて子供達だけは優しい家庭でとの脈々とした願いで育てた子供達が今の若い夫婦の世代なのです。
男性も肩の力を抜いて、家族が大事、休みが大事と素直に言える良い時代になったのです。ようやく3世代を通して、やっと夫婦が、家族が、丸くすごせる家庭が実現できたのです。
(村越 真里子/夫婦問題カウンセラー)