関節に違和感を覚える原因はどこにある?
皆さんも一度は関節に違和感を覚えたことがあると思います。その時、どのように対応しましたか?自然と治りましたか?今回は関節に違和感を覚えた時にどうすれば良いかについて解説いたします。
ヒトは、200個強の骨と約260の関節で構成されています。筋肉の数は、600以上あります。筋肉は、関節を動かしています。関節を安定に保っているのは靭帯です。身体を動かすためには、関節を固定している靭帯と関節を円滑に動かす筋肉の働きが不可欠です。骨、筋肉、靭帯で構成される関節は、すべて調和がとれていれば、問題のない生活を送ることが出来ます。関節に違和感を覚える時は、いずれかに何らかの異常があるときです。
関節に違和感を覚える病気とは何か
関節に違和感を覚える病気は、数多くあります。内科疾患は関節リウマチ、整形外科疾患は顎関節症がなじみ深く、いずれも誰もが知る病気でしょう。MRIやレントゲン検査等の画像検査、血液検査や尿検査等の検体検査等々、病院で様々な検査をしても特段疾患が認められないとき、どの様な医療を受けたら良いとお考えでしょうか。特定の疾病診断が行われないときは、鎮痛薬や外用薬を用いても、多くの場合違和感は消失しません。
関節の位置異常が違和感をもたらす
関節は、一定の範囲内で動いていますが、繰り返し同じ動作をしていると、関節を構成している筋肉に疲労が生じて、関節を構成している骨を、正常な位置に保つことが困難となります。関節に違和感を覚える最も代表的な原因です。
顎関節、肩関節、肘関節、手関節、指関節、股関節、膝関節、足関節、趾関節に良く見られる病態です。この状態は、軽度の捻挫です。生活習慣病の一つと言えます。寝不足やアルコールの多量摂取は、この現象を助長させます。
この状態にある時は、違和感を覚えていると同時に関節が不安定な時でもあります。外力が関節にかかると、関節が大きく動揺して、靭帯を損傷する事が考えられますので、日常生活に注意が必要です。
関節の位置異常を治す治療の一つが徒手整復術
どの関節も、正常な位置にあれば、違和感は伴いませんが、関節に大きな外力が加わり捻挫をすれば、痛み、腫れ、熱感や発赤を伴います。病態の悪化を防ぐために、受傷直後は冷湿布が有効です。
しかしながら、関節を元通りに復元しなければ、炎症(痛み・腫れ・熱感・発赤)はすぐに収まりません。時間が経てば、腫れ、熱感や発赤は徐々に消失しますが、痛みは消えません。痛みのみとなった関節に冷湿布を持続して貼付していると、関節の痛みは増幅して、新たな症状を伴うようになります。
そのため、関節に違和感を覚えたら、元通りの位置に戻すことを考える必要があります。正常な位置に戻すためには、日常の反復動作を見直す必要があります。
台所仕事や家事は、同じ動作の繰り返しですが、物の位置を変えるなど、日常生活の導線を変えることにより、緩和できます。同じ動作を50分繰り返したら5分から10分休憩を入れるなど、休息時間を挟むことにより、筋肉の疲労防止に役立ちます。柔軟体操も有効です。
専門家が行う治療の一つに、「非観血療法による外科手術」である「徒手整復術」があります。関節の位置が正常になれば、関節の痛みや違和感は、直ちに消失します。関節に違和感を覚えた時に実施すれば、差したる日数を要せず、治癒します。
関節の病態把握を的確に行っている医者(柔道整復師)を見つける
「徒手整復術」を受ける際は、レントゲン検査等の画像読影知識や徒手検査による検査経験を兼ね備えている医者(柔道整復師)にお願いする必要があります。
当院では、整形外科医と連携して骨折、脱臼、捻挫や挫傷(筋・腱・靭帯損傷)を伴う患者様に常時対応していますが、お近くの接骨院・整骨院をご利用になる際は、非観血療法による外科手術治療(徒手整復術)が可能かをお尋ねいただきたいと思います。
(清野 充典/鍼灸師)