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マラソン愛好者必見!冬トレーニングで圧倒的レベルUPを実現する鍛え方

JIJICO 2019年11月19日 7時30分

春の大会に向けてトレーニングを積んでいるランナーも多いかと思います。冬は、日が短くなるうえ、雪が積もるなど走れる時間なども限られてきます。しかし、上達し記録を伸ばすための鍛錬は走ることだけではありません。冬の間だからこそ取り組むべきトレーニングについてご紹介します。

冬トレでは体のポテンシャルを最大限に引き出すためのトレーニングを

気温が下がってくると外でランニングをするのにも暑すぎず、熱中症の心配は夏に比べると軽減されるので、走る距離も増やすことができるかと思います。大会に向けて、冬の間に練習のペースも徐々に上がってくるでしょう。

しかし、ペースが上がり、走る距離が増えるとその分ひざや足への負担も大きくなり、ケガのリスクも増します。寒い時期には筋肉も縮みやすくなり肉離れなどのリスクも増えるので、ストレッチなどの準備運動も重要になってきます。

長い距離を走り切るには、走り込んで筋持久力や心肺持久力を上げることは欠かせません。しかし、効率の悪い走り方・悪いフォームでのランニングは先にも述べたようにケガのリスクにもつながり、速く走るためにもマイナスになります。ただ走る練習をするだけではなく、効率の良いフォーム・体の使い方を見つけることでより速く、楽に走ることができるようになり、体への負担も軽減することができます。

冬のトレーニングではランニングフォームの見直しと体感トレーニングを取り入れた練習メニューを実践してみてください。

心肺持久力を鍛える「スパート」と「ダッシュ」

走力をアップさせるために、一番何が必要だと思いますか? まず必要なのは、心肺持久力です。理由は、ある程度体に負荷をかけた運動をして心肺機能を向上させないと、走力が上がっても体がついてこないからです。一般の方であれば、一定のペースで走るだけでなく、スパートやダッシュを間に挟むようにしてあえて心拍数を上げるようにするといいでしょう。

走力アップの秘訣は「本来あるべき姿勢」で走ること

走る以外にやるべきこととして、筋力トレーニングや体幹トレーニングなどもありますが、それよりもっと大きく走力アップができる方法が、「姿勢&体の使い方の改善」です。

姿勢を改善し、走る時の体の使い方を変えることで、本来持っているのに使いこなせていない筋力を引き出すことができます。

多くのランナーは、走る際の姿勢が悪く非常に効率の悪い体の使い方をしていると感じています。ここを変えてあげることで効率の良い走りになり、他のランナーに大きく差をつけることができるはずです。

【理由その1】姿勢が良くなると足のポテンシャルを最大限に生かせる 体が本来の位置に戻ると、立った時、足は骨盤の真下に真っすぐ伸びます。大きく伸びをしながら足を前後にスイングしてみましょう。つま先を軽く地面に擦る程度でスイングできるのではないでしょうか。

対して姿勢を悪くしてスイングしてみると、足が早く地面に着いて股関節から十分に後ろへスイングできないと思います。多くの方の走りは、後者の走りになってしまっています。

姿勢を悪くして走っているとストライドも上がりませんし、大きな力を発揮する股関節まわりの動作を十分に使えず、ふくらはぎなどに頼った走りになってしまいます。そして、早く地面に足が着いてしまいますので、接地時間が増えます。地面との抵抗が増しますので、力も余計に必要になりスタミナを早く消耗してしまうのです。そこでフィジカルを高めても、効果はわずかです。より足を大きく使い、地面との抵抗を減らすことができれば、自ずと自分自身が持っているポテンシャルを引き出すことができます。それを可能にするのが、「体を引き伸ばし、本来の姿勢で走ること」なのです。

【理由その2】背骨が持っている動作機能を復活させることができる 体が崩れた状態の時、背骨にも悪影響が出ます。体がつぶされると、背骨の間も間隔が狭くなり(椎間板がつぶれる)、背骨同士の関節の動きが悪くなります。腕脚を動かすと同時に背骨も連動して動くことで、体幹からの大きな動作になり、より大きな推進力を生み出すもとになります。背骨はしなる動作の他に、回す作用もありますが、引き伸ばして体を元の位置に戻すことでそれらの機能を引き出すことができるようになります。

体幹を生かすためのトレーニング3選

姿勢や走り方の改善は、厳密にやるととても奥が深いのですが、今回は体を簡単に、そして効率的に走りやすい状態にする方法をご紹介します。

【「歩く」「走る」の基本姿勢トレーニング】

特に難しいことではなく、コツは「体を伸ばす」だけです。普段立っている時や座っている時にも試してみてください。

まず、骨盤とあばら骨をそれぞれ触ってみてください。あばら骨を上へ持ち上げるように、骨盤から遠ざけるようにします。お腹の部分が縦に長くなるような意識で引き伸ばしてみましょう。あばら骨を上へ持ち上げ、高い位置へ引き上げることで骨盤も引き上げ立たせることができます。この位置まで体を引き上げておいて、その体をその高さのまま移動させる。これが「歩く」「走る」動作の本質です。

歩く、走る動作の本質を確認した上で、体幹を鍛えるためのトレーニングを見ていきましょう。

【伸ばして鍛える体幹トレーニング】

① かえるのようなポーズから、片足を体からできるだけ遠くに伸ばして着地します。 (※骨盤から足を伸ばすようにイメージすると、お腹から体を伸ばすことができます。) これを交互に曲げ伸ばしを行います。お尻が上がったままになったり下がったりしないよう、足が伸びた時に体は一直線になるようにしましょう。 ② ①の要領で、両方の足を伸ばします。 この格好をキープするだけで、お腹がきついならOK。引き伸ばされた状態でお腹が鍛えられます。 ③ さらにここから体勢をキープしたまま、骨盤を回します。これは、体幹をツイストするトレーニングになります。人間は走る時に背骨をひねっています。これが腕振り動作のもとになります。この動作も足の動作と共に大きく走力を上げる要素ですので、併せてやってみましょう。

【腕振り筋を鍛える体幹トレーニング】

腕は体幹から振ると、より大きな走力を得ることができます。上の姿勢で、骨盤を回すトレーニングでも鍛えることができますが、もう一つご紹介しておきましょう。

腕を画像のように構え、ひじを左右交互に前へ出します。この時、肩甲骨と背骨の間を広げるように腕を前へ軽く伸ばしてみましょう。胸が軽く回る感じになっていればOKです。 上のトレーニングを踏まえて、骨盤とあばら骨を遠ざけた引き伸ばし姿勢で歩いてみましょう。上に腕を伸ばしながらで最初はいいです。お腹まわりの感覚(特にあばらと骨盤の距離感覚)を覚えて、腕を下げ徐々に力を抜いてもその距離感を維持できるようになっていけばOKです。走ってみても、足が軽く感じるのではないでしょうか?

ランニング姿勢の注意点は全身の連動性を意識すること

次に、走る時の心がけとして覚えておいてほしいことをいくつかお話しします。

走る時に「もも裏の筋肉を意識して」や「お腹に力を入れて」と言うことがありますが、私はおすすめしません。ランニングは全身の連動動作ですので、一定の部位に意識がいったり力みが出たりすると、その連動性が失われてしまい、かえって動きが悪くなってしまいます。基本的には脱力で、筋肉ではなく骨で立っているような意識でいる方が体は動きやすいと思います。

例えば、お腹に意識を持っていくのであれば、おへその下(下腹)の皮膚を軽く引き伸ばしておく意識を持ちましょう。やはり大事な意識は「引き伸ばし」ということです。ただ、その力も強すぎると力みにつながってしまうので、できるだけ少ない力で伸ばすようにしていき、その体の位置を覚えましょう。

レベルアップを目指すには走るために必要な条件に体を整えることが大切

今回は走力を大きくアップさせるためのトレーニングをご紹介しました。ランニングをすること自体ももちろん大切ですが、より効果的にレベルアップを目指すには、走るために必要な体の条件を整えてあげることも同じくらい大切なことです。

今回ご紹介したトレーニングはその中のごく一部ですが、体を引き伸ばし、元の本来の姿勢に近づけることは、大きなレベルアップへの第一歩になってくれると思います。控える大会での好成績を目指して、ぜひ取り入れてみてください。

(八巻 稔秀/スポーツトレーナー)

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