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アーティフィシャルフラワーでしめ縄つくり。タッセルで簡単DIY

JIJICO 2019年12月12日 7時30分

2020年の元旦まであと少し。正月を迎えるにあたってしめ縄の準備を考えるころです。市販のしめ縄では家庭やお店に似合わない…そんなときはアーティフィシャルフラワーを用いたラグジュアリーなしめ縄を手づくりしてみませんか?今回はタッセルを用いた作り方をご紹介します。

椿や蘭といったアーティフィシャルフラワーをあしらったしめ縄づくり

【準備する素材】 ・椿 ポリエステル製/1本 ・蘭 ポリエステル製/1本 ・葉牡丹 ポリエステル製/1本 ・ゴールドの葉(リーフ) ポリエチレン製/3本 ・タッセル ポリエステル、ワイヤー製  ・扇ピック 紙、ポリエステル製/3本 ・フラワーテープ パルプ製 ワックス加工/1巻(可能であれば、オリーブグリーン色のテープをオススメします。テープに糊が付いている物をご用意下さい。) ・地巻ワイヤー ワイヤー製/1袋

※作品のサイズは上から下までの長さが48㎝程、横幅が40㎝程 (最大)となります。

今回ご紹介しているしめ縄には、多くて2本ほど使用します。ワイヤーは販売されているお店により、少量のみを購入することも可能です。グリーンの地巻ワイヤーが入手しづらい場合は、シルバーの裸ワイヤーでもかまいません。

タッセルを使ったしめ縄つくりの手順をご紹介

花の茎や扇ピックの足の部分の長さを調整しないで、まずは束ねて「タッセルに固定する」とイメージしてください。

【1:好みの形にタッセルを整えます】 中にワイヤーが入っているタッセルは、ある程度自由に形を変えられます。花などをあしらった後では、変更が難しいかも知れません。 【2:フラワーテープを引っ張り伸ばし、ノリが指に付く感覚がするタイミングで、指でフラワーテープを切り離します】 テープの長さは短くて5㎝程、長くて8㎝程です。この切り離したテープを5~6枚用意してください。 花などを束ねている途中でこの作業をすると、せっかく形などを整えて作製しているのに、バランスが崩れることがあります。 テープ同士が重ね合わさっている部分に、ノリが付いているような、少しベタッとした感覚がします。 【3:しめ縄のサイズを決める】 今回の場合は椿をあしらいます。両手で椿の枝を持ちしならせて、ナチュラルに見えるように形を整えます。 用意しているフラワーテープで花が抜け落ちないように、しめ縄と椿を巻き付けて固定します。指先に少し力を入れて作業をしてください。 下記の花や扇ピックなどを束ねるたびに、この作業を繰り返してください。 【4:その他の花を束ねる】 サイズが大きい物から配置する場所を決めると、他の花などを配置しやすいです。今回は葉牡丹、蘭の順に配置しました。 【5:扇ピックをあしらう】 扇をあしらうのは、以下の目的があります。 ・花を束ねる箇所にフラワーテープを巻いているので、完成したしめ縄を前から見たときに、この箇所が見えないようにする。 ・しめ縄全体のバランスをとる。 ・きらびやかさも加える。 【6:ゴールドの葉(リーフ)をあしらう】 ゴールドの葉をあしらうには以下の目的があります。 ・葉牡丹などのサイズが大きく、あまり動きを感じない材料のそばに、動きが感じられるリーフを配置するとバランスが取りやすい。 ・あいている空間を埋める。 ・華やかさも加える。 ※注意点 葉がたくさん付いている時は、すっきり見えるように間引きしてください。 【7:花などを束ねた茎の部分が正面から見えないように、はさみでカットする】 【8:7で作製したものを、タッセルに取り付ける】 ワイヤーで固定する部分は1カ所の方が見栄えがいいですが、どうしても安定しない場合は2カ所で固定してください。

失敗しないカラーの組み合わせ

葉(リーフ)の色としてよくあるグリーンのタッセルを選ぶと、花が美しく見えます。花は葉をともに配置することにより、より一層引き立ちます。 グリーンのタッセルが入手不可能な場合は、葉も程よくあしらうことを意識してください。

赤とグリーン、黄色とパープルの組み合わせなど、お互いの色が際立つ花などを一緒に配置すると、華やかな印象になります。

黄色やオレンジ、グリーンなどのほか、ピンクやパープルなどの花をともにあしらうと、バランスを取りやすくなります。

例えば、赤など複数の種類の同じような色の花を組み合わせたい場合は、形や大きさ、明るさや鮮やかさ(明度や彩度)の度合いが微妙に異なるものをあしらってください。このようなケースでも、緑の葉を可能な限り加えた方がバランスが取りやすいです。

白い花などを少量プラスすると、作品全体が引き立つこともあります。

さらに、このようなコツもあります。今回ご紹介しているしめ縄にあしらった椿のように、長い枝が付いていて、動きや広がりを感じさせる花を配置することにより、少量の花しか用意できない場合でも、ある程度大きいサイズの作品を作ることができます。同じ種類や大きさの花などを、高さなどが同じ場所に配置しない方がきれいに仕上がります。また、花が成長する方向と同じように配置すると美しく見えます。

ボリュームの少ない花や葉は、同じ場所にある程度の量の物をあしらうことにより、素材の持つ魅力を表現できます。 (例)今回しめ縄にあしらったゴールドの葉

タッセルが売り切れて入手が困難な場合には、他の物でもこの考え方を代用できます。なお、金属を使用している材料や花もあります。金属アレルギーを持つ人は、十分に注意してください。また、小さなお子さんなどがいる家庭では、誤飲やケガにも配慮してください。

しめ縄の由来について

しめ縄は、万葉集に「標縄(しめなは)」の例が見られます。一般の者の立ち入りを禁じ、皇室や貴人が占有した野の「標野」の「標」と同じく、標縄の「標」は「占める」の意味です。漢字「注連縄」の「注連(ちゅうれん)」は、中国で死霊が入り込まないよう、水を注いで清め連ね張った縄を意味し、一定の間隔でワラを三・五・七本と垂らすため、「七五三縄」とも表記されます。

また、古代には「しめ縄」を「尻久米縄(しりくめなわ・しりくべなわ)」といわれていました。「くめ」とは「出す」の意味で、ワラの尻をくめ置いて垂らした縄なので、こう呼ばれました。

そもそも正月行事というのは、年神様という新年の神様をお迎えするための行事で、年神様は家々にやってきて、生きる力や幸せを授けてくださると考えられています。そこで、お正月が近づくとしめ縄やしめ飾りをあしらい、年神様を迎える準備をします。

しめ縄(注連縄)には、神様をまつるのにふさわしい神聖な場所であることを示す意味があります。しめ縄が神の領域と現世を隔てる結界となり、その中に不浄なものが入らないようにする役目も果たしています。その由来は、天照大神(あまてらすおおみかみ)が天の岩戸から出た際に、再び天の岩戸に入らないようしめ縄で戸をふさいだという日本神話にあるとされ、「しめ」には神様の占める場所という意味があるとされています。

天の岩戸に引きこもった天照大神を、外に出そうと説得するのではなく、岩戸の前で八百万の神々が宴をして楽しそうに騒いだという話があります。

しめ飾り(注連飾り)はしめ縄の一種で、縁起物などの飾りをつけたものをいいます。 清廉潔白を表す「裏白」、家系を譲って絶やさず子孫繁栄を願う「譲り葉」、代々栄えるよう願う「橙」などです。代表的なのが、神様の降臨を表す「紙垂(かみしで/しで)」です。

もともとは、神社がしめ縄を張りめぐらせるのと同じ理由で、自分の家が年神様をお迎えするのにふさわしい神聖な場所であることを示すために始まったといわれています。しめ縄やしめ飾りを結界としてあしらうことで、新年に内側に邪気が入らず、その内側が清らかな場所となり、魔除けにもなるため、年神様が安心してきてくださるわけです。

しめ縄・しめ飾りの種類と飾り方・飾る場所

しめ縄・しめ飾りは、用途や地域によってじつにさまざまな種類があり、大変奥が深いものです。かつては正月行事をとり仕切る家長がしめ縄を張っていましたが、時を経てだんだん簡略化されていき、玄関先、神棚などにしめ飾りを施すようになりました。

基本的には、玄関先や神棚に飾りますが、かまど神や水神などさまざまな神様をまつる場合もあり多種多様です。地域や家のしきたりに従ってください。

【しめ飾りを飾る日にち】 12月13日~大晦日 特に28日は縁起がよく、29日・31日は縁起がよくないとされています。

【しめ縄を外す日にち】 松の内の最終日。通常は1月7日、関西など一部地域は1月15日です。

(四本 純子/フラワーデザイナー)

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