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新型コロナウイルス禍の今こそ考えたい住宅ローンの正しい利用法

JIJICO 2020年4月7日 7時30分

持ち家と賃貸の違いとは?

「夫が病で他界。20年前に購入したマイホームは多額の住宅ローンが残っていたが、団体信用生命保険で支払われ、夫は最後に家族へ家を残してくれた。」「夫が事故で他界。専業主婦だった妻が再就職して子供達を養うも、家賃が重くのしかかり・・・」これは、とても極端に聞こえるかもしれませんが、現実によくある話です。私自身は「持ち家」に賛成なのですが、その大きな理由は「団体信用生命保険があるから、自分に万が一の事があっても、家族に雨風をしのぐ家は残せる。」という事です。実際、私の前職場でも、冒頭の方と全く同様の出来事があって、働いている50代の女性がいました。故人が残してくれたマンションに2人の子供と暮らしていて、もちろん住宅ローンの支払いは無く、管理費と修繕積立金、そして固定資産税、合わせても月額にすると約3万円ちょっとの負担で生活が出来ていました。

しかし!マイホームを手に入れる、住宅ローンで手に入れる、という中で、とても大切なことは「住宅ローンの組み方」だと私は思います。購入検討者「今、妻と子供2人で、家賃は8万円です。年収は500万円です。」不動産会社「とりあえず、ローンの審査をしてみますか!通らなければ検討もなにも無いと思いますので。」街でよくある不動産会社の上等トークですね・・・ 不動産会社「住宅ローンの仮審査が通りました!ただ、こちらの物件は他のお客様も購入検討したいと多数お声が出ております。気に入って頂いているのであれば、今が手に入れるチャンスだと思います!」購入検討者の妻「えっ!主人の年収で買えるのですか!パパ、素敵な家だし買っちゃおうよ!」・・・どっぷり営業トークにハマった、よくあるパターン。賃貸の場合、家に必要な費用は「家賃」それから「更新料(2年に1度)」しかし「持ち家(購入)」となれば、一般的に必要となる費用は以下の通りです。(マンション)住宅ローン・管理費修繕積立金等・駐車場代・固定資産税(戸建)住宅ローン・固定資産税・定期的なメンテナンス費用その他にも、万が一、病気やケガ、或いは失業等で一時的に支払いが出来なくなってしまった時にカバーできる保険加入も大切です。更に、子供の成長に合わせて学費も発生します。小学校・中学校・高校・大学、塾やスポーツなどの習い事、お小遣いやお年玉・お誕生日や子供の日に使うお祝いも年々増加します。

住宅ローンは人生設計を考えて組むこと

先日、高校時代の同級生とこんな会話もありました。 私「マイホームって、いつ手に入れたの?」 友達「35歳の時。3000万円をフルローンで。」 私「何年?35年ローン?」 友達「そうやで。完済70歳やったかな?」 私「定年退職した後、年金で収入ダウンしても毎月住宅ローン払えるんか?」 友達「・・・。知らん。考えてなかった(笑)」 私「それって、定年退職で元の会社に入れなくなって、半年もしたら、今度は支払い滞納で家にも入れなくなるぞ(笑)」 友達「ハハハっ(笑)ホンマやな・・・って、オィ!!どないしたらええん!!」 私「笑いごとちゃうな。60歳時点の住宅ローン残金を調べて、今から60歳まで貯金やろ。」 友達「えーっ!ホンマやな、でも子供の高校とか大学とかあるって。」 私「買う時、不動産屋が教えてくれなかったの?」 友達「そんな話、一切してないわ・・・」

同じような状況の方、結構いらっしゃるのではないでしょうか?しっかりと見据えた上で、月々の住宅ローン返済額が「いくら」であれば、万が一の時も大きなダメージなく支払っていけるのか?定年退職後も支払っていけるか?このように考えて住宅ローンを利用し、マイホームを手に入れる事が、私はとても大事だと思います。

購入時にしっかり準備すべき「頭金」と「諸費用」

それから「頭金」と「諸費用」に対する考え方も非常に大切です。 新築を購入した場合、買った次の日には「中古」です。当然、新築価値、施工業者の利益という点で、売買価格は原価より概ね10%以上は付加されていると考えて間違いないと思います。 3000万円の新築であれば、買った次の日には2700万円以下、という事です。また、中古で2500万円の販売価格でも、実際は500万円ほどフルリノベーションされた中古物件では、買った次の日にはフルリノベーションの価値は基本的には評価されないし、元々の売主の利益付加もマイナスされますから、およそ1800~1900万円程度の実質中古評価になるという事です。

そして「諸費用」。これは、不動産会社仲介手数料、不動産登記費用、火災保険、初年度の固定資産税(日割り)、住宅ローン申込の手数料や保証料など、概ね売買代金の5~7%程度が発生します。つまり、3000万円の物件では、150~200万円ぐらいの諸費用が発生するという事になります。今どき、購入時より不動産価値が上がったという物件は、都内の港区など超人気物件とかでない限り、ほぼあり得ませんので、これらを冷静に見た時、いかに「頭金」や「諸費用」を現金で準備することが大切かわかります。先日サポートさせて頂いた「任意売却」では、横浜市内で新築時(平成29年)3400万円のマンションが、売却価格として金融機関から受けた評価は2880万円でした。僅か築2年2か月です。これが、現実の評価なのです。

もしも、購入時に頭金10%(340万円)、及び、諸費用、どちらも「現金」で支払っていれば、売却時の住宅ローン負担は、それまでの支払いで多少ローンも減っていますから、100万円以下で済んだはずです。しかし、頭金¥0、諸費用もローンという事で、売却後には多額の借金が残り、破産の手続きにまで至りました。実際、私が債権回収会社で勤めていた時、住宅ローンの支払いが困窮された方の「当時の契約書」を見ると、多くのお客様が「頭金10万円」や「諸費用ローン」といった契約ケースが大半。借り方を1歩間違えると、何かが起こった途端に、たちまち追い込まれてしまうのです。頭金と諸費用を現金で準備するという事は、とても大変なことかもしれません。 しかし、住宅ローンという大きな借金を背負う自覚をしっかり持って、適切な借り方をすれば、予期せぬ出来事でもダメージを受けずに回避できます。

新型コロナウイルス禍の今 賢くマイホーム購入を検討しましょう

新型コロナウイルスの影響によって、不動産会社で働く営業マンからは「コロナの影響で契約キャンセル」という声も、ちらほらと耳にします。もしあなたが今、住宅ローンを利用したマイホーム購入を検討しているのであれば、住宅ローンも今は超低金利の時代ですし、何かの際にも家族に雨風しのぐ家を残すことが出来る「マイホーム」は、私は賃貸よりも大いに賛成です。ですが、それは購入後の支出や、家族の成長、完済時の年齢など正しく理解して、無理な背伸びをせず、計画的にしっかり購入することが大前提。今、このような社会情勢だからこそ、金利の安いうちに「賢く」マイホーム購入を考えてみてはいかがでしょうか?

(山口 剛平/住宅ローン返済・滞納に関するコンサルタント)

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