健康強調月間って?
健康の保持・増進を図るため、生活習慣病予防の普及啓発を行う期間として、毎年10月は「健康強調月間」と定められています。健康無関心層の方へ生活習慣改善の気づきを与えるとともに、一人ひとりの健康寿命の延伸につなげることを目的として、健康保険組合連合会が、健康づくりに関する様々な事業を行っています。昨今、働き方の多様化や生活様式の変化に伴う新たな健康リスクへの懸念、感染症の流行による健康不安が深刻化しています。各自が家で手軽にできる健康法として涙活(るいかつ)をご紹介します。
泣く活動『涙活(るいかつ)』とは?
涙活とは、意識的に泣くことでストレスを発散する健康法です。涙を流すことによって、自律神経が緊張や興奮を促す交感神経から、脳がリラックスした状態である副交感神経が優位な状態へとスイッチが切り替わります。交感神経とは、身体を動かしたり、緊張したり、ストレスがかかっている時に働く神経です。一方、副交感神経は、寝ている時やリラックスしている時、体力を回復する際に働きます。通常、起きている時には交感神経が優位に働いていますが、泣くとリラックスしている時と同じ副交感神経が優位な状態になります。すると、脳も癒され精神的なストレスまでもが解消されていきます。また泣くことによって、免疫力を左右するリンパ球が活性化し、身体の中から病気の原因となるウイルスを撃退してくれます。また、同時に体表面を守る免疫物質IgAの活動も高まり、目や口などから侵入するウイルスをブロックし、感染症にかかりにくくなります。つまり、泣くことによって身体が内と外から強化され、様々な病気の予防に繋がります。
ストレス解消になる涙の流し方
自分だけの泣きのポイントを見つけることが必須です。泣けるポイントは人によってそれぞれ異なります。恋愛もの、家族もの、友情もの、動物もの、アスリートものなど自分が泣ける分野を知っておくと泣ける題材を見つけやすくなります。時間帯は、朝、昼よりは、夜に涙を流すことがおすすめです。人間の身体は、朝、起きるとともに活発になり、夜に向かって、身体がリラックスしていくようにバイオリズム上、作られています。夜のほうが泣きやすい状態になっています。アロマやお香を焚くのも、より泣きやすい環境づくりとしてよいと思います。そばにハンカチやティッシュを置いておくと心理的に泣くことに対するハードルも下がるので、おすすめです。
(吉田 英史/感涙療法士)