多くの人が健康であり続けたいと思っていますが、そもそも健康とはどういった状態のことを指すのでしょうか?このコラムでは、健康になりたい人必見、「WHOが提唱する健康の定義」と「健康の5つのカテゴリー」についての解説と古典ヨガを活用しての健康づくりを紹介していきます。
老若男女問わず「あ、素敵」内側からキラキラと何かが満ち溢れている人がいます。 決して美人でも美男子でなくても、雰囲気から気持ちのよい存在感が香ってくる。そんな人は、これからお話する5つの健康を満たしていると言えるでしょう。
WHOで提唱されている健康の定義
身体機能や内臓の数値と違って、真の健康とは数値化しづらいものです。 公益社団法人日本WHO協会は、健康を次のような状態であると説明しています。 「健康とは、病気でないとか、弱っていないということではなく、肉体的にも、精神的にも、そして社会的にも、すべてが満たされた状態にあることをいいます。」
1947年、およそ75年前に採択されたWHO憲章では、前文において「健康」を上記のように定義しています。しかしながら経済やテクノロジーの進化と相反して、人間関係や将来への不安など、現代は心疾患による体調不良、また自殺などが大きな問題となっています。
そこで、「健康にとは何か」を自分自身で把握し対応策を知っておく必要があります。 思考や感情を持つ人間の健康とは多面的(マルチファセット)であり全体的(ホリスティック)です。四肢や背骨が柔軟であるとか、筋力があるというだけでは健康とは言えないのです。
健康の5つのカテゴリー
古典ヨガを練習するうえで、人間の健康を大きく分類するといくつかの側面があります。 1肉体 2内面 3感情 4知的 5社会的 +精神的 +精神的とありますが、6番目として精神的な健康状態を定義します。
1肉体 人間には600以上の筋があり体重の約半分を占め、骨は約200個、臓器は6個。全身には血管やリンパが巡り、体重の約60%は水分。肉体的な健康とは、スムーズに睡眠、食事、排泄など生体機能が働いている状態を指します。
2内面 内面的な健康とは、心にモヤモヤや不安がなく、時間や仕事に追われる焦りもなく気持ちよく過ごすことが出来る状態を指します。
3感情 感情的な健康とは、日々起こる問題や人間関係の変化など自分の感情を俯瞰し、怒りや不安をすぐに手放すことが出来るような状態を指します。
4知的 知的な健康とは、興味のあることに教養を深める、人間として社会としてより良い生き方とは何か修習しているあるいはし続けている状態を指します。
5社会的 社会的な健康とは、家族や仕事、仲間と対話が出来る。対人関係を構築し、仕事や人生へのやりがいを感じとることが出来る状態を指します。
このような5つの側面が相互に作用して健康に作用する為、全体的(ホリスティック)に整える必要があります。
5つの健康を網羅するプログラムとしての古典ヨガ
外的な傷害でしたら例えば、怪我をすれば消毒し、火傷をしたら冷やします。しかし、内面や感情の不調和やストレスはどのように対処していますか?刹那に紛らわしても対策にはならないと頭では分かっているけれど出来ない、そんな自分と向き合うための座学や教義から始まり、呼吸や姿勢を整え今の自分の状況に気づき練習をします。
古典ヨガは、この5つの健康を網羅するひとりひとりの多様性(ダイバーシティ)や個人差(インディビジュアリティー)に応えてくれる優れたプログラムです。 例えば、肉体の練習で内臓も含めた筋肉や可動域が強靭になると、体と心は繋がっていますから内面も強くなります。また、座学や瞑想によって無意識に起こる思考のパターンに気づき、感情の変化に対応することが出来ます。呼吸法により、血流や循環がスムーズにいくと脳が適切に働き、自律神経・免疫・分泌が整います。何千年も継承されている古典ヨガの智慧は、日常生活に前向きな視点をもたらし人間関係や問題の解決に導きます。 このように、古典ヨガを練習すると老若男女問わず心身スッキリ気持ちよく効果がやってきます。エクササイズとの違いは、このような座学や教義、アサナの練習法、呼吸法、瞑想法、思考の理解などの奥深さにあります。
心身が快適になると、自分への自信や肯定感、穏やかさ、不安の減少、幸福感など日々味わうことが出来ます。そして初めて6番目の精神的健康へと向かうことが出来ます。自分が健康であることは、家族や周囲を変えて行きます。最後まで自分の足で歩き、最後の一息まで笑顔で生きる。さあ今から古典ヨガで健康貯金を始めませんか?
鎌倉ヨガ教室 中里えみこ
(中里 えみこ/ヨガインストラクター)