2022年4月に新卒入社した新社会人は半年が経ち、仕事にも慣れてきている頃でしょう。新社会人1年目から起業を見据えて行動する人も多くなってきていると感じます。なかでも営業職の方が、将来の起業にも役立つビジネススキルを今年のトレンドを交えてお話したいと思います。
今年、世界で1750万本以上を売り上げて大ヒットした「エルデンリング」はオープンワールドと呼ばれるゲームソフト。主人公が目指すゴールは自由。装備・服装・戦い方も自分好みにカスタマイズして進められる世界。いまや、つくられたエンディングは求められない。次々とオープンワールドのゲームがリリースされ、この流れは来年以降も続くとみられています。
「営業・起業にも通じる学びがある」と語るのは、初めて営業職になった人のキャリアを支援する「逆転営業アカデミー(愛知県名古屋市)」の木村まもる氏。「顧客が求めている理想を言葉にしてもらう作業を経て、理想通りの魅せ方をすることで売上が劇的にあがる」と木村さんは語ります。大切な3つのビジネススキルをお話し頂きました。
顧客独自の体験に目をつける
木村さんによれば、1つ目に大切なことはオリジナルの顧客体験。「他社とたいして変わらないね。」と一蹴される前に、「商談のなかでコンサルテーションを顧客に体感させるのだ」という。顧客の具体的な悩みを繊細な感覚で汲み取り、誤解を紐解きながら、その顧客だけに向けたアドバイスをする。解決の道筋が見えた顧客は商品への期待値があがり、熱心なファンとなり次々とリピーターを呼んでくれるのだそう。パッケージ化された商品説明にならないよう気をつけたいですね。
顧客がもっている答えを引き出す
2つ目は、顧客視点でニーズを引き出すこと。顧客は顧客の心のなかにうごめく感情やイメージをもっているからです。理由→事例→まとめの順に深掘りして、顧客自身の言葉で発してもらうだけでいいのです。古臭い説明型営業はプロダクトアウトなので、顧客の心に届かず通用しません。売り文句をあびせて「誘導尋問されたくない」と思われると、営業マンが疲弊するだけでなく、顧客からも嫌われてしまいます。マーケットインは営業職以外でも通用する考え方なので身につけたいですね。
商品メリットよりも事例で語る
3つ目は、事例で訴求すること。「商品の性能よりも、実際に使った顧客がどのようなビフォー・アフターになったのか」を顧客は知りたいと思っています。Amazonのレビューを見ると購買行動に繋がりやすいのと同じですね。「あなたの商材だからこそ、この成果が出た」というアフターを見せること。「私もそのように変わりたい」と思ってもらえるかがカギ。「どのようにあなたの会社が関わったのか、プロセスを教えてあげることが顧客の個別コンサルテーションでもあり、購買意欲を高める心理法則だ」といいます。
営業経験を将来の起業に活かそう!(まとめ)
大量生産・大量消費が前提のプロダクトアウトの発想から、顧客が求めるものにカスタマイズするマーケットインの視点が営業に欠かせません。意識する・しないで、10年後とんでもない差がついてしまいます。会社に消費される営業人生ではなく、会社を活用し視座を高めて営業経験を積み重ね、あなただけの将来の起業に役立てましょう!
インタビュー協力: 逆転営業アカデミー 木村まもる氏 https://gyakuten-eigyou.com/
(新井 一/起業コンサルタント)