1.免疫を上げることよりも、まずは下げないことが大事
器にきれいな水を流し込んでも、穴が空いていたら流れ出てしまいます。免疫を下げないこととは、「体に良いことをする前に、体に悪いことをやめること」を指します。耳に痛い話ですが、心身を壊してしまう前にご自分にとってその穴は何か、思い当たるものを思い浮かべてみて下さい。喫煙、アルコール・脂質・糖質の過剰摂取、栄養・運動・睡眠・水分不足など、ひとつひとつは悪くなくても、過不足によって悪影響を及ぼします。これらの要因で体調を壊してしまうと治療が必要となり、治療のための通院時間や医療費だけでなく、心労もかさむことになります。人生100歳時代、医療費の高騰を見据えて、体に悪い習慣を減らすことを意識するだけでも少しずつ始めましょう。
2.人間のもつチカラを利用する
人間は、医療や療法の力を借りながら、怪我をしても傷口が戻り、風邪をひいても治る自然治癒力を持っています。発熱や咳などは主に風邪の症状ですが、体内から異物を排出したり抹消しようとしたりする免疫機能の働きです。その免疫を低下させるのは、生活習慣と自律神経の乱れです。体内の異物やウィルスを貪食する免疫細胞マクロファージの活性、免疫の7割を担うと言われる腸内細菌のバランスを整えることが大事です。
「マクロファージって何?」コラムはこちら↓ 我慢せずに怒って不安になってイライラしてください そしてなる早で手放して下さい 参照元:マイベストプロ神奈川
3.日常の行動を少し意識することで免疫を上げていくことは可能
では、日常どんなことを意識すれば、免疫を下げずに上げられるかご紹介します。 ①食事と食べ方 よく噛むことで唾液が分泌され、消化がスムーズに行われ、胃腸に負担がかからないことで、栄養の吸収を高め疲れにくくなります。マクロファージを活性する、LPS(リポポリサッカライド)という栄養素は、野菜、海藻、きのこ類に多く含まれています。また乳酸菌や食物繊維は腸内の善玉菌を増やし免疫機能を高めます。
②夜の睡眠 22時から2時の間は、免疫がつくられるゴールデンタイムです。 生き物は、サーカディアンリズム(参照:厚労省)と呼ばれる約24時間周期の体内時計を持っています。主に、自律神経、ホルモンの分泌、免疫や代謝などに影響を与えます。早寝早起きが苦手な方は、タイマーを寝る時間にセットすることで、睡眠習慣の変化が始まります。
③ストレス 自律神経を乱すストレスには、外的ストレッサーと内的ストレッサーがあります。寒さなどの物理的、人間関係などの社会的ストレス、また、不安やイライラなどの心理的(感情的)ストレス、身体的(生理的)ストレスです。自分にどんなストレスがかかっているかを知ることで、対処法を見つけることができます。自律神経を整えるには、背骨を立てて深呼吸をするのがおすすめです。
④運動 ヨガの練習で全身を整えることができます。 呼吸と肉体の動きの連動によって自律神経(交感神経と副交感神経)をと筋肉骨格を整え、細胞の隅々に酸素を運びます。また、内臓や分泌系・循環器系に働きかけて循環と排泄を促し、全身を整えます。ヨガの座学により、思考に気づきをもたらして心を落ち着かせ、ストレスを緩和します。
まとめ
免疫機能は、体を守り健康な生活を営むうえで長期的に整えておきたいものです。体に悪いとわかっていることに目を向けるには少々勇気が必要ですが、突然病気になって逃げ道がなくなってからでは大変です。健康を意識することで、まずは不健康の原因に気づき、少しずつ準備を始めて元気な日々をお過ごし下さい。健康な日常は、思いのほか快適なものです。
参考:ストレスからくる免疫低下について↓ ヨガ的思考で、寒さの二次的ストレスをつくらない3つの方法
鎌倉ヨガ教室 中里えみこ
(中里 えみこ/ヨガインストラクター)