■令和の体力は昭和世代より20歳若い!?
50歳を過ぎると定年まであと何年と考えるようになります。公務員やサラリーマンは長い間定年が60歳でしたので、60歳=退職となり人生が終了するイメージでした。実際、昭和20~30年代は、定年直後の62~63歳代で亡くなる人が多くいました。昭和30年代(1955~1965年)の平均寿命は、男性63.60年、女性67.75年です。それでも、終戦直後昭和22(1947)年の平均寿命は、男性50.06年、女性53.96年でしたので、食料が行きわたり、ずいぶん長生きするようになったなあという時代でした。 その頃と比べると、令和の現代人は、20歳体力が若返った気がします。様々なデータと清野が日頃患者様を見て感じることは、以下の印象です。
昭和の人 令和の人 20歳代 20歳代前半 30歳代 20歳代後半 40歳代 30歳代前半 50歳代 30歳代後半 60歳代 40歳代 70歳代 50歳代 80歳代 60歳代 90歳代 70歳代 100歳代 80歳代 110歳代 90歳代 120歳代 100歳代
昭和30(1955)年の国勢調査によると100歳以上の人は158人でしたが、令和5(2024)年9月15日現在の100歳以上は95,119人です。驚くべき伸び率と言えます。私は、昭和30年代生まれですが、生まれた頃の平均寿命を超えています。昔であればとっくに死んでいた年齢ですが、まだまだ体が動きます。当時を振り返ってみると、その頃の世代を生きていた40歳代前半くらいの体力があるのではないかと、自己診断しています。 なぜ長生き出来るようになったのかという理由の答えは誰も出せないと思います。様々な要因が挙げられますが、個人的には
1.炊飯器の発明 2.物流の普及 3.セブンイレブン(24時間営業)の登場
ではないか思います。つまり、いつでも手軽に食事ができることが大きいのではないかと感じています。特に、若い世代は食欲が旺盛です。30歳代までに、しっかりとした体が作れるようになったからではないかと、思っています。 20歳から30歳代の人は、体力がいつまでも続くと思っているのではないかと思います。健康に関心がある人は、JIJICO内にあるコラム「青春時代の体力転換期は26歳?体力低下を防ぐ秘訣はあるのか!?」をご参照戴きたく思います。
■50歳代はどんどん運動することが大切!?
私の印象では、50歳代は昔の30歳代後半です。まだまだ老け込む年ではありません。平均寿命は男女とも80歳を超え、120歳まで寿命が延びようとしています。90歳代になっても筋力はアップすることが分かっています。50歳代は、残り60年以上ある人生を生きるために必要な体力作りをする年代です。 40歳代50歳代は、責任を生じる仕事が多くなります。また、仕事が長引き、食事の時間が遅くなる傾向にあります。運動する時間が取れず、新陳代謝が低下すると、徐々に体重が増加傾向になります。体重が増えすぎた状態を肥満と言いますが、肥満は第2次世界大戦後世界中に見られる傾向です。24時間食事ができる環境ですが、22時以降の食事が常態化する人は、肥満傾向になります。体重が増加した人は、
1.高血圧 2.高コレステロール 3.高脂血症 4.動脈硬化
などの状態になりがちです。50歳代になると、多くの人が血液検査のデータを気にするのではないでしょうか。 肥満傾向にある人は、まず歩くことです。1日30分以上散歩を心掛けましょう。体力低下を感じている人は、積極的に運動することを勧めます。週2~3回60分から90分汗びっしょりとなる運動をすると、肥満は解消され、血圧が下がってくると思います。
50歳代は、病気に負けない体力づくりをする年代です。
筋力低下予防をお考えの40歳代以降の人は、JIJICO内にあるコラム「体力の衰えは 40歳からではない!? 筋力低下防止の秘訣はある?」をご参照戴きたく思います。
■基礎疾患を持っている人運動しても良い?
50歳を迎えるにあたり、すでに病気を患い体力が低下している人は、激しい運動ができないのではないかと思います。元来運動が苦手で、全く運動して来なかったという50歳代の人は、昭和世代では60歳代から70歳代の体力かもしれません。 また、繰り返し手術をした人や後遺症をお持ちの人は、昭和世代では80歳代から90歳代の体力まで低下していることが考えられます。 基礎疾患を持っている人や手術後体力が低下している人は、安静にすることが大切だと思っている人が多いように感じています。その考えは、もう昔のことです。今は、手術後積極的に運動することを進めています。10年ほど前から狭心症の手術後でも、体に負荷がかかる程度の運動が大切だと言われています。東海大学医学部教授伊苅裕二医師は、運動の大切さを積極的に推奨しています。 どの程度運動したら良いかの目安は、JIJICO内にあるコラム「人生100年時代を生きる体力の転換期は62歳?体力低下を防ぐ秘訣はあるのか!?」をご参照戴きたく思います。 体力が低下して呼吸が浅くなっている人は、JIJICO内にあるコラム 「78歳は体力低下の転換期!?70歳を過ぎたら日常生活動作と深呼吸を大切に」をご参照戴きたく思います。 自立した生活が困難になり始めている人は、 80歳代の体力をイメージしたい人は「自立した生活が困難になるのは85歳!? 80歳になったら手を振って歩き 良く噛む事をこころがけましょう」 90歳代の体力をイメージしたい人は「110歳まで生きるためには何が必要!? 90歳代になったら必要なことは筋トレ?」をご参照戴きたく思います。
■鍼灸治療やヨガ(YOGA)治療は生活習慣病に最適な医療です
肥満が長期間に及ぶと、様々な病気を併発します。日本肥満学会によると、肥満を背景とする代表的な疾患は、
1.糖尿病 2.高血圧 3.脂質異常症 4.脂肪肝 5.睡眠時無呼吸症候群 6.関節障害
などです。これらはすい臓、腎臓、肝臓等に関連した病気です。これらの病気に、鍼灸治療は有効です。鍼灸治療は身体の外側から内臓機能に働きかけることが可能な「内外科治療」です。薬物治療(内科治療)で効果を得られない人や外科手術(外科治療)をしても痛みが消失しない人は、是非鍼灸治療(内外科治療)をお試し戴きたく思います。鍼灸治療で体の調和を取り、元気な50歳代をお過ごし戴きたく思います。鍼灸治療をご希望の人は、お近くの鍼灸院または鍼灸師が勤務している医療提供施設にご相談ください。 肥満解消に、ヨガ(YOGA)は最適です。ヨガ(YOGA)療法は、その人にあったカリキュラムを作成して行います。ヨガ(YOGA)のアーサナ(ポーズ)は、内臓の機能向上に役立ちますので、病気解消に有効です。ご希望の人は、清野メディカルヨーガ/清野ヨーガ道場もしくはお近くのヨガ(YOGA)教室にご相談戴きたく思います。 日常生活の養生法について詳しくお知りになりたい人は、清野鍼灸整骨院ホームページ「くらしと養生」をご参照戴きたく思います。清野が呼称する養正(ようせい)治療は、日常の適正な生活です。
(清野 充典/鍼灸師)