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自立促す金銭教育の重要性、決めておきたい「おこづかい」ルール

JIJICO 2015年6月4日 18時0分

一般的に、おこづかいを与え始めるのは小学校3年生~4年生

我が子から「友だちは、おこづかいをもらっている」と聞くと、保護者は「子どもに不自由な思いをさせたくない」といった親心から、「うちはどうしよう?」と悩むのは、自然な流れかもしれません。

子どもにおこづかいを与え始める年齢は、「何歳が適切なのか」悩みどころです。与え始める時期は、足し算、引き算を学習する小学校入学が最初のきっかけになるでしょう。このタイミングでおこづかいを与えることは、「モノの大切さ」と「お金の大切さ」を同列で考えさせるという意味で、早すぎるというわけではありません。しかし、小学校入学直後は算数を学習し始めたばかりで、お金の計算は事実上困難といえます。

一般的に、おこづかいを与え始めるのは、二桁、三桁の計算能力が身につく小学校3年生~4年生が多いようです。とはいっても、この時点では「うちの子にはまだ早い」と考える家庭も少数ではないと思います。

おこづかいから「モノを手に入れる喜び・達成感」を得る

ここで、子どもはおこづかいから「何を学び取るのか」を考えてみます。おこづかいをもらった子どもは、そのお金を使って「今、欲しいモノを手にできる喜び」を得ます。反面、「使ってしまえば、おこづかいは減少する」という現実も知ります。そこで、お金が足りなくなる場面に遭遇させることで、「不自由(我慢)」という経験をさせましょう。この場面で保護者は、心を鬼にして対処したいものです。他方、おこづかいは、すぐに使わずに貯めることもできます。お金を貯めて、一度のおこづかいでは買えない「高額なモノを手にする」という達成感を得る機会も訪れるでしょう。

また、おこづかいは、使うにも貯めるにも、お金の計算が不可欠となるため、算数の勉強の必要性を感じ取るはずです。

子どものおこづかいは、健全な金銭感覚を養うための第一歩

このように、子どもに与えるおこづかいは、いわば「お金を使い、貯める練習」といえます。おこづかいとして与える金額については、練習を始めたばかりの頃は少額からスタートして、練習を重ねていく過程で金額を増加させる方法が考えられます。例えば、「学年×100円」という金額が子どもにとってはわかりやすいと思います。

しかし、盲目的に金額を決めるのではなく、事前に子どもと話し合い、子どもがおこづかいで買っても良いと許可する範囲を決めて、その範囲にあった金額を与える方が、お金の使い方、貯め方を子ども自身が工夫すると思います。そして、練習の到達度(子どもの成長)に合わせて、その範囲を広げてみると良いでしょう。

子どものおこづかいは、将来、自立を促すための手段であり、保護者の腕の見せどころです。「金さえあれば」という誤ったお金の魔力にまどわされることなく、健全な金銭感覚を養うための第一歩としましょう。

(石村 衛/ファイナンシャルプランナー)

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