こんにちは。恋愛・婚活コンサルタントの菊乃です。個別婚活相談や結婚相談所のセミナー講師をしながら、これまで1000人以上の「出会いがない男女」の相談に乗ってきました。
かつて髪はボサボサで化粧もしない「完全なる非モテ」だった筆者。「人は変われる」を自ら実践し、多くの方々の“もったいない”をご指摘してきた経験から、誰も言ってくれない「恋愛に役立つリアルな情報」をお伝えします。
◆ある日、気がついたらアラフォーだった
「気がついたらこんな年でした」
これはご相談にいらっしゃる方からよく聞くセリフです。今回の舞さん(仮名・36歳・医療機関)も同じことを言っていました。舞さんは一度もお付き合い経験がありません。
20代後半で焦る女性は多いのですが、舞さんは友達と恋バナもあまりせず独身の友達が多いといいます。それで気がついたら「彼氏欲しい」とも言いにくい年齢になってしまったそうです。
◆実際に動き始めたのは、最初の相談から「10か月後」
ご相談後に舞さんの婚活用プロフィールを作成し、いよいよ婚活スタートなのですが……舞さんが実際に動き始めたのは相談に来た10か月後でした。特に病気になったわけではありません。
「気がついたら37歳になっちゃいました」
「アラフォーの時間は貴重ですよ。子ども欲しいって言ってたじゃないですか。なおさら時間を無駄にしちゃダメです」
「ですよね」
舞さんに限ったことではなく、結婚相談所やマッチングアプリに登録して活動したつもりになり、幽霊会員のまま数年経過しているという人も決して珍しくありません。
「婚活実態調査2018(リクルートブライダル総研調べ)」では、婚活サービスで成功(恋人ができたかor婚約・成婚できた)した人ほど、サービスの利用頻度が高いという結果が出ています。
結婚相談所の場合は成功会員の約半数は毎週何かしら活動しているのに対し、非成功会員は29.3%のみ。さらに非成功会員の32.8%は、数ヶ月に1日活動するかしないかという程度です。
結婚したい気持ちはあるけれどはかどらない、舞さんのケースを細かく見ていきたいと思います。舞さんには、時間の使い方に関する「よくない傾向」が3つありました。
◆1. 目標に対してやるべきことをタスク化できない
婚活は基本、楽しいより大変なことが多いのは十分わかります。でもやるべきことをやらないと、話が進まないのです。
年相応のメイクができていなかった舞さんは。初めにメイクを習いました。
パーソナルカラーも調べてもらい、自分に似合う色と質感のアイシャドウも勧められ、買うことに決めたそうです。
しかし、最寄りのドラッグストアでそのブランドの取り扱いがありませんでした。それで買うのが後回しになりました。
私が調べたところブランドのホームページには取扱店舗が掲載されていて、舞さんのお住まいからそんなに遠くない駅ビル内のバラエティショップには売っているようなのです。
「じゃあ、休みの日に行きます」
「舞さん、新宿って通勤途中じゃないですか? 平日に新宿でも買えますよ」
「じゃ新宿で買います」
舞さんは、目標に対してやるべきことをタスク化できないタイプでした。
「メイクがちゃんとできるようになる」のような大きい目標だけでは、行動ができないのです。でもそれを達成する前に「メイクを習う」「買うものリストを作る」「買うお店を調べる」「買いに行く」と小さいタスクに細分化したらはかどりました。
◆2. スケジュール管理をしない。口ぐせは「今度やります」
舞さんは「服や今度の休みに買いに行きます」「今度の休みに登録します」と、なんでも“今度の休み”と言ってしまう癖がありました。
今度とは、具体的にいつなのでしょうか。これが次の休みならいいのですが、そうとは限らないのです。
舞さんは、手帳やカレンダーアプリ等でのスケジュール管理をしていませんでした。仕事では同僚が進行管理をしてくれるため、締め切りを守れないということはないそうです。
今まで友達と遊ぶといった予定は月に1回入るかどうかだったため、手帳などなくても記憶できたそうです。
◆3. メモの習慣がなく、やることが多いと忘れてしまう
ですが婚活をスタートするまでには、写真を用意するとかそのための服装やメイクを整えるとか、一度に覚えられないほどやることがあります。
舞さんの場合はいろんな男性とメッセージのやり取りができるようにはとても思えず、初めからアプリではなく結婚相談所を使う予定でした。結婚相談所も登録までに、源泉徴収票、学歴の証明書の他、本籍地の役所から独身証明書というものを取り寄せるなどタスクが山積みです。
舞さんはやることをメモする習慣もなく、やることが多いと忘れてしまうのです。もはや婚活のお手伝いでもないのですが、「これメモした?」「これはいつまでに用意できそう?」と細かく進捗管理していきました。
◆そんな“ガサツ女性”の魅力は「細かいことは気にしない」
心配になる点も多い舞さんでしたが、婚活をスタートしてからは3人目の男性と交際成立。時間はかかったものの、無事結婚しました。
婚活中の女性は「デートでお店を決めていなかった」「絵文字が多くて馴れ馴れしい」と相手の欠点に目を向ける人が多い傾向です。また空気を読みすぎて相手に合わせて、勝手に疲れてしまう人も多数。
ところが良くも悪くも“ガサツ”な舞さんは、相手のLINEにもデートにもとても大らかで許容範囲が広かった。そして、空気を読みすぎることもありませんでした。
舞さんのようにスケジュール管理ができなくても結婚できるとは思いません。だらしないところがあるとはいえ、舞さん自身のスペックは低くないのです。正規雇用で国家資格を持っていて、年収もそれなりにありました。
ただし、あのまま40代になっていたらと思うと、やはり恐ろしいです。
◆時間の使い方が上手くないと、20代30代はすぐ終わる
舞さんばかりを責められないのかなとも思うのです。
当たり前ですが、今は多くの未婚女性が週5日フルタイムで仕事をしているのです。恋愛もしくは結婚意向がある恋人のいない独身者のうち、マッチングアプリなどのネット系婚活サービスを利用したことがある人は5人中1人程度しかいません(「婚活実態調査2022」リクルートブライダル総研調べ)。アグレッシブに仕事もしながら同時並行で複数人とデートしている人もいるけれど、キャパシティは人それぞれでしょう。
現代社会は時間のない人が多すぎるのです。よほど時間の使い方が上手くないと、20代30代はあっという間に終わります。仕事をしながら婚活もしようと思って一歩踏み出しているだけでも、舞さんは行動できているな方なのかもしれません。
※個人が特定されないよう一部脚色してあります。
<文/菊乃>
【菊乃】
恋愛・婚活コンサルタント、コラムニスト。29歳まで手抜きと個性を取り違えていたダメ女。低レベルからの女磨き、婚活を綴ったブログが「分かりやすい」と人気になり独立。ご相談にくる方の約4割は一度も交際経験がない女性。著書「あなたの『そこ』がもったいない。」他4冊。Twitter:@koakumamt
かつて髪はボサボサで化粧もしない「完全なる非モテ」だった筆者。「人は変われる」を自ら実践し、多くの方々の“もったいない”をご指摘してきた経験から、誰も言ってくれない「恋愛に役立つリアルな情報」をお伝えします。
◆ある日、気がついたらアラフォーだった
「気がついたらこんな年でした」
これはご相談にいらっしゃる方からよく聞くセリフです。今回の舞さん(仮名・36歳・医療機関)も同じことを言っていました。舞さんは一度もお付き合い経験がありません。
20代後半で焦る女性は多いのですが、舞さんは友達と恋バナもあまりせず独身の友達が多いといいます。それで気がついたら「彼氏欲しい」とも言いにくい年齢になってしまったそうです。
◆実際に動き始めたのは、最初の相談から「10か月後」
ご相談後に舞さんの婚活用プロフィールを作成し、いよいよ婚活スタートなのですが……舞さんが実際に動き始めたのは相談に来た10か月後でした。特に病気になったわけではありません。
「気がついたら37歳になっちゃいました」
「アラフォーの時間は貴重ですよ。子ども欲しいって言ってたじゃないですか。なおさら時間を無駄にしちゃダメです」
「ですよね」
舞さんに限ったことではなく、結婚相談所やマッチングアプリに登録して活動したつもりになり、幽霊会員のまま数年経過しているという人も決して珍しくありません。
「婚活実態調査2018(リクルートブライダル総研調べ)」では、婚活サービスで成功(恋人ができたかor婚約・成婚できた)した人ほど、サービスの利用頻度が高いという結果が出ています。
結婚相談所の場合は成功会員の約半数は毎週何かしら活動しているのに対し、非成功会員は29.3%のみ。さらに非成功会員の32.8%は、数ヶ月に1日活動するかしないかという程度です。
結婚したい気持ちはあるけれどはかどらない、舞さんのケースを細かく見ていきたいと思います。舞さんには、時間の使い方に関する「よくない傾向」が3つありました。
◆1. 目標に対してやるべきことをタスク化できない
婚活は基本、楽しいより大変なことが多いのは十分わかります。でもやるべきことをやらないと、話が進まないのです。
年相応のメイクができていなかった舞さんは。初めにメイクを習いました。
パーソナルカラーも調べてもらい、自分に似合う色と質感のアイシャドウも勧められ、買うことに決めたそうです。
しかし、最寄りのドラッグストアでそのブランドの取り扱いがありませんでした。それで買うのが後回しになりました。
私が調べたところブランドのホームページには取扱店舗が掲載されていて、舞さんのお住まいからそんなに遠くない駅ビル内のバラエティショップには売っているようなのです。
「じゃあ、休みの日に行きます」
「舞さん、新宿って通勤途中じゃないですか? 平日に新宿でも買えますよ」
「じゃ新宿で買います」
舞さんは、目標に対してやるべきことをタスク化できないタイプでした。
「メイクがちゃんとできるようになる」のような大きい目標だけでは、行動ができないのです。でもそれを達成する前に「メイクを習う」「買うものリストを作る」「買うお店を調べる」「買いに行く」と小さいタスクに細分化したらはかどりました。
◆2. スケジュール管理をしない。口ぐせは「今度やります」
舞さんは「服や今度の休みに買いに行きます」「今度の休みに登録します」と、なんでも“今度の休み”と言ってしまう癖がありました。
今度とは、具体的にいつなのでしょうか。これが次の休みならいいのですが、そうとは限らないのです。
舞さんは、手帳やカレンダーアプリ等でのスケジュール管理をしていませんでした。仕事では同僚が進行管理をしてくれるため、締め切りを守れないということはないそうです。
今まで友達と遊ぶといった予定は月に1回入るかどうかだったため、手帳などなくても記憶できたそうです。
◆3. メモの習慣がなく、やることが多いと忘れてしまう
ですが婚活をスタートするまでには、写真を用意するとかそのための服装やメイクを整えるとか、一度に覚えられないほどやることがあります。
舞さんの場合はいろんな男性とメッセージのやり取りができるようにはとても思えず、初めからアプリではなく結婚相談所を使う予定でした。結婚相談所も登録までに、源泉徴収票、学歴の証明書の他、本籍地の役所から独身証明書というものを取り寄せるなどタスクが山積みです。
舞さんはやることをメモする習慣もなく、やることが多いと忘れてしまうのです。もはや婚活のお手伝いでもないのですが、「これメモした?」「これはいつまでに用意できそう?」と細かく進捗管理していきました。
◆そんな“ガサツ女性”の魅力は「細かいことは気にしない」
心配になる点も多い舞さんでしたが、婚活をスタートしてからは3人目の男性と交際成立。時間はかかったものの、無事結婚しました。
婚活中の女性は「デートでお店を決めていなかった」「絵文字が多くて馴れ馴れしい」と相手の欠点に目を向ける人が多い傾向です。また空気を読みすぎて相手に合わせて、勝手に疲れてしまう人も多数。
ところが良くも悪くも“ガサツ”な舞さんは、相手のLINEにもデートにもとても大らかで許容範囲が広かった。そして、空気を読みすぎることもありませんでした。
舞さんのようにスケジュール管理ができなくても結婚できるとは思いません。だらしないところがあるとはいえ、舞さん自身のスペックは低くないのです。正規雇用で国家資格を持っていて、年収もそれなりにありました。
ただし、あのまま40代になっていたらと思うと、やはり恐ろしいです。
◆時間の使い方が上手くないと、20代30代はすぐ終わる
舞さんばかりを責められないのかなとも思うのです。
当たり前ですが、今は多くの未婚女性が週5日フルタイムで仕事をしているのです。恋愛もしくは結婚意向がある恋人のいない独身者のうち、マッチングアプリなどのネット系婚活サービスを利用したことがある人は5人中1人程度しかいません(「婚活実態調査2022」リクルートブライダル総研調べ)。アグレッシブに仕事もしながら同時並行で複数人とデートしている人もいるけれど、キャパシティは人それぞれでしょう。
現代社会は時間のない人が多すぎるのです。よほど時間の使い方が上手くないと、20代30代はあっという間に終わります。仕事をしながら婚活もしようと思って一歩踏み出しているだけでも、舞さんは行動できているな方なのかもしれません。
※個人が特定されないよう一部脚色してあります。
<文/菊乃>
【菊乃】
恋愛・婚活コンサルタント、コラムニスト。29歳まで手抜きと個性を取り違えていたダメ女。低レベルからの女磨き、婚活を綴ったブログが「分かりやすい」と人気になり独立。ご相談にくる方の約4割は一度も交際経験がない女性。著書「あなたの『そこ』がもったいない。」他4冊。Twitter:@koakumamt