物価の高騰に悲鳴をあげたくなる今、近所の人や実家からのちょっとした差し入れはありがたく感じられるもの。
しかし、林このはさん(仮名・33歳)宅では、実家から届いた野菜を機に、夫婦喧嘩が勃発。このはさんは、両親の努力と優しさを馬鹿にした夫に激怒しています。
◆嫌いなものが食卓に並ぶと不機嫌になる夫
このはさんと夫・賢吾さん(仮名・35歳)は、1年半前に結婚したばかり。賢吾さんは好き嫌いが多く、食卓に並べた料理にケチをつけることがしばしばありました。
例えば、ウインナーを焼いて出した時には「こんなの料理って呼べないし、俺、ウインナー嫌いだから今度から出さないで」と不機嫌になり、なすの煮びたしは「田舎料理。食べたくない」とディスられたそう。もはやモラハラとも言えるレベル……。
「機嫌が悪くなると、部屋にこもり、1週間口を聞ききません。それが面倒なので、なるべく衝突を避けるために、食事の献立は一緒に考えるようになりました」
そんなある日。農業を楽しんでいるこのはさんの実家から採れたての野菜が送られてきました。段ボール箱の中に入っていたのは小松菜、大根、かぶ。これで家計の負担が少し少なくなると、このはさんは嬉しくなりました。
新鮮なうちに食べようと思い、このはさんはその日、小松菜のおひたしを夕食に加えることに。しかし、食卓についた賢吾さんはテーブルに並んだ小松菜を見て、「俺、これ嫌いなんだよね」と不機嫌になってしまいました。
◆「万人受けする野菜を作れよ」と両親の努力を笑われて激怒
見かねたこのはさんは、実家から送ってもらえたことを説明。「嫌いだったら、私だけ食べるから無理しなくていいよ」と賢吾さんをなだめました。
「『でも、物価がいろいろと高い時期にこうやって食事の足しにできるのはありがたいよね』と話したんです。すると、夫はそんな私の言葉を鼻で笑いました」
なんと、賢吾さんは「どうせ作るなら、もっと万人ウケする野菜を作れって言っとけよ。レタスとかトマトとか、そういう誰でも食べられそうなもんを作らないから、余って、こうやってうちに送らないといけないハメになるんだろ(笑)」と、このはさんの実家を馬鹿にしたのです。
その言葉を聞き、このはさんは激怒。「余ったからじゃない! 少しでも私たちの食費が浮くようにと思って送ってくれているのに、なんで、あなたはそういう考え方しかできないの!?」と賢吾さんに怒りをぶつけました。
すると、賢吾さんは「なんでそんな言い方されないといけないの? 食べる気、失せたわ」と逆ギレ。夕食に一切手をつけず、自室へこもってしまいました。
◆毎食目玉焼きだけの“不健康ご飯“を提供中
夫婦喧嘩が起きた時、いつも折れるのは、このはさんのほう。しかし、両親の優しさをないがしろにされたと感じたこのはさんは、この喧嘩だけは折れたくないと思い、賢吾さんと口を聞かない日々を続けながら、地味な嫌がらせをすることに。
「あの人は目玉焼きが大好物なので、そればかり出してやろうと思いました。好きな物ばかりを食卓に並べないと文句を言うので、だったら、望み通り、大好物ばっかり出してやろうかなって」
初日、賢吾さんは「お!目玉焼きじゃん!なんだかんだ言って、お前は俺に甘いよな。仲直りしたいと思ってるの?」とニヤニヤ。しかし、翌日、またしても目玉焼きしか並んでいない食卓を目にし、顔が硬直。
「あれから1週間、まだ謝罪の言葉がないので、夫は目玉焼き生活を続けています。自炊ができないし、ケチなので自宅でご飯を食べるしかないようで、ため息をつきながら、毎日目玉焼きを口に運んでいます。料理が出てくるだけありがたいと思ってほしいです」
そう語るほのかさんは「今日も目玉焼きを焼きますよ」と言って、自宅へ帰っていきました。心を込めた作った野菜を馬鹿にしてごめんなさい。そんな言葉が賢吾さんから聞け、ささやかな復讐が終わる日は、いつ来るのでしょうか。
<取材・文/古川諭香>
【古川諭香】
愛玩動物飼養管理士・キャットケアスペシャリスト。3匹の愛猫と生活中の猫バカライター。共著『バズにゃん』、Twitter:@yunc24291
しかし、林このはさん(仮名・33歳)宅では、実家から届いた野菜を機に、夫婦喧嘩が勃発。このはさんは、両親の努力と優しさを馬鹿にした夫に激怒しています。
◆嫌いなものが食卓に並ぶと不機嫌になる夫
このはさんと夫・賢吾さん(仮名・35歳)は、1年半前に結婚したばかり。賢吾さんは好き嫌いが多く、食卓に並べた料理にケチをつけることがしばしばありました。
例えば、ウインナーを焼いて出した時には「こんなの料理って呼べないし、俺、ウインナー嫌いだから今度から出さないで」と不機嫌になり、なすの煮びたしは「田舎料理。食べたくない」とディスられたそう。もはやモラハラとも言えるレベル……。
「機嫌が悪くなると、部屋にこもり、1週間口を聞ききません。それが面倒なので、なるべく衝突を避けるために、食事の献立は一緒に考えるようになりました」
そんなある日。農業を楽しんでいるこのはさんの実家から採れたての野菜が送られてきました。段ボール箱の中に入っていたのは小松菜、大根、かぶ。これで家計の負担が少し少なくなると、このはさんは嬉しくなりました。
新鮮なうちに食べようと思い、このはさんはその日、小松菜のおひたしを夕食に加えることに。しかし、食卓についた賢吾さんはテーブルに並んだ小松菜を見て、「俺、これ嫌いなんだよね」と不機嫌になってしまいました。
◆「万人受けする野菜を作れよ」と両親の努力を笑われて激怒
見かねたこのはさんは、実家から送ってもらえたことを説明。「嫌いだったら、私だけ食べるから無理しなくていいよ」と賢吾さんをなだめました。
「『でも、物価がいろいろと高い時期にこうやって食事の足しにできるのはありがたいよね』と話したんです。すると、夫はそんな私の言葉を鼻で笑いました」
なんと、賢吾さんは「どうせ作るなら、もっと万人ウケする野菜を作れって言っとけよ。レタスとかトマトとか、そういう誰でも食べられそうなもんを作らないから、余って、こうやってうちに送らないといけないハメになるんだろ(笑)」と、このはさんの実家を馬鹿にしたのです。
その言葉を聞き、このはさんは激怒。「余ったからじゃない! 少しでも私たちの食費が浮くようにと思って送ってくれているのに、なんで、あなたはそういう考え方しかできないの!?」と賢吾さんに怒りをぶつけました。
すると、賢吾さんは「なんでそんな言い方されないといけないの? 食べる気、失せたわ」と逆ギレ。夕食に一切手をつけず、自室へこもってしまいました。
◆毎食目玉焼きだけの“不健康ご飯“を提供中
夫婦喧嘩が起きた時、いつも折れるのは、このはさんのほう。しかし、両親の優しさをないがしろにされたと感じたこのはさんは、この喧嘩だけは折れたくないと思い、賢吾さんと口を聞かない日々を続けながら、地味な嫌がらせをすることに。
「あの人は目玉焼きが大好物なので、そればかり出してやろうと思いました。好きな物ばかりを食卓に並べないと文句を言うので、だったら、望み通り、大好物ばっかり出してやろうかなって」
初日、賢吾さんは「お!目玉焼きじゃん!なんだかんだ言って、お前は俺に甘いよな。仲直りしたいと思ってるの?」とニヤニヤ。しかし、翌日、またしても目玉焼きしか並んでいない食卓を目にし、顔が硬直。
「あれから1週間、まだ謝罪の言葉がないので、夫は目玉焼き生活を続けています。自炊ができないし、ケチなので自宅でご飯を食べるしかないようで、ため息をつきながら、毎日目玉焼きを口に運んでいます。料理が出てくるだけありがたいと思ってほしいです」
そう語るほのかさんは「今日も目玉焼きを焼きますよ」と言って、自宅へ帰っていきました。心を込めた作った野菜を馬鹿にしてごめんなさい。そんな言葉が賢吾さんから聞け、ささやかな復讐が終わる日は、いつ来るのでしょうか。
<取材・文/古川諭香>
【古川諭香】
愛玩動物飼養管理士・キャットケアスペシャリスト。3匹の愛猫と生活中の猫バカライター。共著『バズにゃん』、Twitter:@yunc24291