親が学校や周囲にありえない要求やクレームをぶつけてくるモンスターペアレント(モンペ)。モンペのトンデモ行動のせいでトラブルに発展することも多々あります…。今回は実録シリーズ「モンスターペアレント」から、過去の人気記事を再録します(初公開2018年3月18日、情報は掲載当時のものです)。
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一度目をつけられたら最後、とことんまで付きまとってくる迷惑な人っていますよね。最初は“普通に良い人”で良好な関係だったのが、途中から急速にトンデモ化してしまうことも…。
現在は千葉に住んでいる専業主婦のM子さん(35)は、あるシングルマザーから数年にわたって、強引に子供を預けられる事態になってしまったそう。
「Wさんとは息子の保育園の保護者同士として知り合いました。当時シングルマザーだった私は、同じように一人で子育てをしているというWさんに親近感が沸いて、悩み相談なんかもよくしていたんです」
◆再婚で崩れた、シンママ同士のバランス
シンママ同士、ごく平和な友人関係を築いていた2人でしたが、M子さんが再婚をしたことから情勢が変わっていきます。
保育園の近くに一軒家を建てたM子さんに、Wさんはしょっちゅう子どもを預けては深夜に帰宅することを繰り返すようになりました。一般企業で営業をしているWさんの言い分としては「あなたにはダンナがいるけど、私は一人で育ててるんだから不公平じゃない!」。
できる協力ならしたいと思っていたM子さんですが、Wさんの要求は度を超していました。
「私としては、夫と息子との3人での団らん時間が削られるのが何より嫌でしたね。うちが家族旅行に行く日にも平気で預けに来るんですよ。さすがにそれは頑として断りましたが、2~3時間は玄関に居座られました。
よくわからないのが、我が家が預からなければWさんのご両親が面倒を見てるみたいで。子どもを置いていかれた時は、そちらに連絡すると引き取りに来てくれてたんです」
一番かわいそうなのはWさんの子どもですよね…。
これは推測ですが、WさんにとってM子さんの再婚は少なからずショックだったのではないでしょうか。幸せそうなMさんを見て、つい嫌がらせのようなことをしてしまったのかもしれません。
ですが、「Wさんが子どもをM子さん宅に置いていく→Wさんの両親が引き取りに来る」のが習慣化したころ、Wさんは驚くような行動に出たのです。
◆なんと我が家の隣に家を建てちゃった
「なんと、Wさんが我が家の隣に新しく家を建てたんですよ! もうビックリしました」
Wさんはそれなりに良い企業に勤めていたらしく、意外にもローンがすぐ組めたのだとか。嬉しそうに引っ越しの挨拶のタオルを持ってやって来たWさん。その日から「お隣なんだから助け合いましょうよ」と託児攻撃が再開したのです。
「さすがに隣の家だと、わざわざWさんのご両親に声を掛けづらくて、面倒を見るしかなくなってしまいました。」
さらにWさんは、M子さんの許可も得ずに何日も家を空けて旅行に出るようになりました。そのたびにWさんの子どもはM子さん宅を訪ね、食事をせがむようになったといいます。これ、ネグレクト(育児放棄)では…?
「でも、その頃にはもうWさんの子どもも慣れたもので、食事だけ済ませたらさっさと帰って自宅で寝ていました。うちの息子とその子も決して仲良しというわけではなく、学校では挨拶もしない関係のようでした。今思えば、Wさんの子も肩身の狭さを味わっていたんじゃないかと思います」
◆夫の転勤で引っ越すことに。追いかけられないよう近所に口止め
そんな日々が2年ほど続きましたが、M子さんに転機が訪れます。再婚相手である夫の転勤が決まり、引っ越すことになったのです。
このことをWさんに告げたら、転勤先までついてくるかもしれない……そう考えたM子さんは、近所にかん口令を敷いた上で、Wさんには何も言わずに家を出ていきました。
「引っ越しは、ちょうどWさんが旅行に行く日を狙いました。Wさんの子どもは私たちが引っ越す様子をじっと見ていましたが、作り置きのおかずをタッパーに入れて手渡して『ママには内緒にしてね』と言ったら、ゆっくりうなづいてくれました」
その後、引っ越し先にWさんが現れることはなく、新天地でM子さん親子3人での平穏な生活がようやくスタートしたとのことです。
「Wさんのことは、もうあの家を出たと風のウワサで聞きました。なんと再婚したみたいなんです。来年にはあの家に戻ることになりそうなのでホッとしています」
Wさんの子どもが幸せになっているといいのですが……。
―シリーズ“モンスターペアレント” ―
<TEXT/もちづき千代子 イラスト/あらいぴろよ>
【もちづき千代子】
フリーライター。日大芸術学部放送学科卒業後、映像エディター・メーカー広報・WEBサイト編集長を経て、2015年よりフリーライターとして活動を開始。度を超したぽっちゃり体型がチャームポイント。Twitter:@kyan__tama
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一度目をつけられたら最後、とことんまで付きまとってくる迷惑な人っていますよね。最初は“普通に良い人”で良好な関係だったのが、途中から急速にトンデモ化してしまうことも…。
現在は千葉に住んでいる専業主婦のM子さん(35)は、あるシングルマザーから数年にわたって、強引に子供を預けられる事態になってしまったそう。
「Wさんとは息子の保育園の保護者同士として知り合いました。当時シングルマザーだった私は、同じように一人で子育てをしているというWさんに親近感が沸いて、悩み相談なんかもよくしていたんです」
◆再婚で崩れた、シンママ同士のバランス
シンママ同士、ごく平和な友人関係を築いていた2人でしたが、M子さんが再婚をしたことから情勢が変わっていきます。
保育園の近くに一軒家を建てたM子さんに、Wさんはしょっちゅう子どもを預けては深夜に帰宅することを繰り返すようになりました。一般企業で営業をしているWさんの言い分としては「あなたにはダンナがいるけど、私は一人で育ててるんだから不公平じゃない!」。
できる協力ならしたいと思っていたM子さんですが、Wさんの要求は度を超していました。
「私としては、夫と息子との3人での団らん時間が削られるのが何より嫌でしたね。うちが家族旅行に行く日にも平気で預けに来るんですよ。さすがにそれは頑として断りましたが、2~3時間は玄関に居座られました。
よくわからないのが、我が家が預からなければWさんのご両親が面倒を見てるみたいで。子どもを置いていかれた時は、そちらに連絡すると引き取りに来てくれてたんです」
一番かわいそうなのはWさんの子どもですよね…。
これは推測ですが、WさんにとってM子さんの再婚は少なからずショックだったのではないでしょうか。幸せそうなMさんを見て、つい嫌がらせのようなことをしてしまったのかもしれません。
ですが、「Wさんが子どもをM子さん宅に置いていく→Wさんの両親が引き取りに来る」のが習慣化したころ、Wさんは驚くような行動に出たのです。
◆なんと我が家の隣に家を建てちゃった
「なんと、Wさんが我が家の隣に新しく家を建てたんですよ! もうビックリしました」
Wさんはそれなりに良い企業に勤めていたらしく、意外にもローンがすぐ組めたのだとか。嬉しそうに引っ越しの挨拶のタオルを持ってやって来たWさん。その日から「お隣なんだから助け合いましょうよ」と託児攻撃が再開したのです。
「さすがに隣の家だと、わざわざWさんのご両親に声を掛けづらくて、面倒を見るしかなくなってしまいました。」
さらにWさんは、M子さんの許可も得ずに何日も家を空けて旅行に出るようになりました。そのたびにWさんの子どもはM子さん宅を訪ね、食事をせがむようになったといいます。これ、ネグレクト(育児放棄)では…?
「でも、その頃にはもうWさんの子どもも慣れたもので、食事だけ済ませたらさっさと帰って自宅で寝ていました。うちの息子とその子も決して仲良しというわけではなく、学校では挨拶もしない関係のようでした。今思えば、Wさんの子も肩身の狭さを味わっていたんじゃないかと思います」
◆夫の転勤で引っ越すことに。追いかけられないよう近所に口止め
そんな日々が2年ほど続きましたが、M子さんに転機が訪れます。再婚相手である夫の転勤が決まり、引っ越すことになったのです。
このことをWさんに告げたら、転勤先までついてくるかもしれない……そう考えたM子さんは、近所にかん口令を敷いた上で、Wさんには何も言わずに家を出ていきました。
「引っ越しは、ちょうどWさんが旅行に行く日を狙いました。Wさんの子どもは私たちが引っ越す様子をじっと見ていましたが、作り置きのおかずをタッパーに入れて手渡して『ママには内緒にしてね』と言ったら、ゆっくりうなづいてくれました」
その後、引っ越し先にWさんが現れることはなく、新天地でM子さん親子3人での平穏な生活がようやくスタートしたとのことです。
「Wさんのことは、もうあの家を出たと風のウワサで聞きました。なんと再婚したみたいなんです。来年にはあの家に戻ることになりそうなのでホッとしています」
Wさんの子どもが幸せになっているといいのですが……。
―シリーズ“モンスターペアレント” ―
<TEXT/もちづき千代子 イラスト/あらいぴろよ>
【もちづき千代子】
フリーライター。日大芸術学部放送学科卒業後、映像エディター・メーカー広報・WEBサイト編集長を経て、2015年よりフリーライターとして活動を開始。度を超したぽっちゃり体型がチャームポイント。Twitter:@kyan__tama