腸活という言葉が流行っていますが、「そもそもなぜ腸内環境が悪くなるんだろう」「なんで便通が悪くなるんだろう」そのように思ったことはないでしょうか? その原因に対処しないと、いつまでたっても腸内環境が良くならない可能性があります。
そこで今回は、なぜ腸内環境が悪くなってしまうのか、なぜ腸内に悪玉菌が増えてしまうのか、その原因について論文を基にお伝えします。ぜひ最後まで読んで、参考にしてみてくださいね!
◆腸内環境が悪くなる最大の原因は?
腸内環境が悪くなってしまう原因は、もちろんいろいろなものがあります。その中で、最も大きいと考えられているものの1つが消化力。消化力とは、その名前の通りですが、消化をする力のことです。
実は日本人は、体質的に海外の人と比べて消化力が弱い傾向にあると考えられています(※1)。
・欧米人・・・昔から肉食文化で消化力が強め
・日本人・・・和食が中心だったので消化力が弱め
「日本は戦後から食の文化が欧米化してきている」と言われていると思いますが、やはり昔は和食を中心に食べてきているため、特にお肉などの脂っこいものを消化する力は弱いみたいです。
では、消化力が弱いと、具体的になぜ腸内環境に悪いのかを簡単に解説しますね。
◆腸内環境はどのように悪化するのか
人が食事をした時、食べたものがどのように体の中に取り込まれていくのか、その流れを簡単に言うと「口→食道→胃→小腸→大腸」このようになっています。消化活動が積極的に行われるのは、主に胃と小腸です。
そして、腸内細菌がもっとも多く住み着いているのは大腸。つまり、胃と小腸における消化力が弱くなっていると、大腸の腸内細菌に影響が出てくるのです……!(※2)
ここで一度、食事をしている場面を想定してみましょう。例えば豚肉の生姜焼き定食を食べたとします。消化をしっかりとできれば、胃と小腸でお肉などの食べ物(栄養素)を分解できますよね。
でも、もし消化力が弱っていると、食べ物の分解が完全にできなくなってしまいます。その結果、消化できなかった栄養素が腸内細菌に影響を与えて、いわゆる悪玉菌が増えてしまうのです。
◆腸活で特に気をつけたい食べ物は?
ここまで腸内環境が悪くなる一つの原因として、日本人は消化力が弱くなりやすいから、とお伝えしました。その上で、特に気をつけたい食べ物が2つあります。
1. バラ肉などの脂身が多いお肉
お肉は、良質なタンパク質やビタミンなども取れる素晴らしい食材。ですが、選び方を気をつけないと、腸内環境を悪くする可能性が高いのです。
その理由は、動物性のタンパク質や動物性の脂質が過剰になりやすいから。ノースカロライナ州立大学の研究では、特にタンパク質を一度にとりすぎると、腸内環境が悪くなりやすいと分かっています。
2. 市販のお惣菜
スーパーやコンビニのお惣菜って本当に美味しいですよね。体が許すなら、毎日お惣菜でも良いなと思えるほどです……!(それは言い過ぎかもしれません。笑)
お惣菜で気をつけたいところは「見えない油」。上述した通り、油(脂質)の取りすぎは腸内環境を悪くする可能性が高いです。自宅で使う油やお肉の脂身などはよく見えるので過剰になりにくいかもしれません。
しかし、お惣菜は、一見するとそんなに油が使われていないような食品でも、意外と脂質が多かったりします。ですので、よく食べるようなお惣菜に関しては、一度栄養成分を見て脂質の量を確認しておくといいかもしれません。
◆消化力を上げる3つの方法
消化力の大切さを、改めてわかっていただけたかもしれません。ここからは、腸内環境を荒らさないために、消化力を上げる3つの方法について見ていきましょう。
1. 消化力お助け食材を1日1回は添える
1つ目のポイントは、消化力お助け食材を添えることです。消化力お助け食材とは、言葉の通り消化活動を助けてくれる食材のこと。具体的には、次のような工夫をしてみましょう。
・お酢と炭酸水を混ぜたお酢ドリンクを飲む
・酢の物を添える
・大根おろしを添える
・キウイやパイナップルを食べる
・消化酵素サプリをとる
特にお酢ドリンクは、消化力にとって大事な胃酸の分泌を促してくれますし、 体脂肪の蓄積を抑えるような効果もあるのが嬉しいところ! 筆者は、りんご酢を割ってよく飲んでいます(笑)。
◆焦って食べると腸が荒れる!
2. 食事の時間を15分は確保する
人の消化活動は、神経によってコントロールされています。よく「自律神経を整えよう!」と聞いたことがあると思いますが、まさにその神経です。
具体的には、副交感神経が優位の時に胃腸は活発に働いてくれます。では副交感神経が優位の時とは、一体いつなのか。それは、体がリラックスしている時! つまり、食事の時間が短くて焦って食べていると胃腸がうまく働けず、消化力が低下してしまうのです……!
3. できれば1口20回は噛む
これは、耳がタコになるぐらい聞いていることかもしれません……。しかし、本当に大切なことなので、改めて3つ目に記載させていただきました。理由としては、唾液をしっかりと分泌したいから!
消化は、主に胃と小腸で行われるとお伝えしましたが、厳密にいうと口から始まっています。ですので、しっかり噛んでから飲み込んであげないと、胃腸の負担が増えてしまうのです。
◆消化力を鍛えて、腸内環境を整えよう!
今回は、腸内環境を荒らさないために大切な、消化力についてお伝えしました。一番手軽かつ効果的なのは、よく噛むことです。もし「噛むことを忘れてしまう」「ついつい早食いになってしまう……」そんな時におすすめの方法は、箸置きを使うことです。
料理を口に運んだら、一旦お箸を置くようにすると、よく噛めるかもしれません。ぜひ参考にしていただき、腸活を楽しんでいきましょう!
出典(※1)大島忠之 三輪洋人「機能性消化管障害と酸分泌」(2016)
(※2)Alexandria Bartlett「Dietary protein and the intestinal microbiota: An understudied relationship」(2022)
<文・料理写真/腸活の研究家ざっきー>
【腸活の研究家ざっきー】
腸活の研究家。「健康と体作りを後回しにしない」をモットーに、フォロワー11万人のInstagramでは、論文を元にした腸活情報や腸が整うレシピを発信中。Instagram:@zakii312、Twitter:@chokatu_zakii
そこで今回は、なぜ腸内環境が悪くなってしまうのか、なぜ腸内に悪玉菌が増えてしまうのか、その原因について論文を基にお伝えします。ぜひ最後まで読んで、参考にしてみてくださいね!
◆腸内環境が悪くなる最大の原因は?
腸内環境が悪くなってしまう原因は、もちろんいろいろなものがあります。その中で、最も大きいと考えられているものの1つが消化力。消化力とは、その名前の通りですが、消化をする力のことです。
実は日本人は、体質的に海外の人と比べて消化力が弱い傾向にあると考えられています(※1)。
・欧米人・・・昔から肉食文化で消化力が強め
・日本人・・・和食が中心だったので消化力が弱め
「日本は戦後から食の文化が欧米化してきている」と言われていると思いますが、やはり昔は和食を中心に食べてきているため、特にお肉などの脂っこいものを消化する力は弱いみたいです。
では、消化力が弱いと、具体的になぜ腸内環境に悪いのかを簡単に解説しますね。
◆腸内環境はどのように悪化するのか
人が食事をした時、食べたものがどのように体の中に取り込まれていくのか、その流れを簡単に言うと「口→食道→胃→小腸→大腸」このようになっています。消化活動が積極的に行われるのは、主に胃と小腸です。
そして、腸内細菌がもっとも多く住み着いているのは大腸。つまり、胃と小腸における消化力が弱くなっていると、大腸の腸内細菌に影響が出てくるのです……!(※2)
ここで一度、食事をしている場面を想定してみましょう。例えば豚肉の生姜焼き定食を食べたとします。消化をしっかりとできれば、胃と小腸でお肉などの食べ物(栄養素)を分解できますよね。
でも、もし消化力が弱っていると、食べ物の分解が完全にできなくなってしまいます。その結果、消化できなかった栄養素が腸内細菌に影響を与えて、いわゆる悪玉菌が増えてしまうのです。
◆腸活で特に気をつけたい食べ物は?
ここまで腸内環境が悪くなる一つの原因として、日本人は消化力が弱くなりやすいから、とお伝えしました。その上で、特に気をつけたい食べ物が2つあります。
1. バラ肉などの脂身が多いお肉
お肉は、良質なタンパク質やビタミンなども取れる素晴らしい食材。ですが、選び方を気をつけないと、腸内環境を悪くする可能性が高いのです。
その理由は、動物性のタンパク質や動物性の脂質が過剰になりやすいから。ノースカロライナ州立大学の研究では、特にタンパク質を一度にとりすぎると、腸内環境が悪くなりやすいと分かっています。
2. 市販のお惣菜
スーパーやコンビニのお惣菜って本当に美味しいですよね。体が許すなら、毎日お惣菜でも良いなと思えるほどです……!(それは言い過ぎかもしれません。笑)
お惣菜で気をつけたいところは「見えない油」。上述した通り、油(脂質)の取りすぎは腸内環境を悪くする可能性が高いです。自宅で使う油やお肉の脂身などはよく見えるので過剰になりにくいかもしれません。
しかし、お惣菜は、一見するとそんなに油が使われていないような食品でも、意外と脂質が多かったりします。ですので、よく食べるようなお惣菜に関しては、一度栄養成分を見て脂質の量を確認しておくといいかもしれません。
◆消化力を上げる3つの方法
消化力の大切さを、改めてわかっていただけたかもしれません。ここからは、腸内環境を荒らさないために、消化力を上げる3つの方法について見ていきましょう。
1. 消化力お助け食材を1日1回は添える
1つ目のポイントは、消化力お助け食材を添えることです。消化力お助け食材とは、言葉の通り消化活動を助けてくれる食材のこと。具体的には、次のような工夫をしてみましょう。
・お酢と炭酸水を混ぜたお酢ドリンクを飲む
・酢の物を添える
・大根おろしを添える
・キウイやパイナップルを食べる
・消化酵素サプリをとる
特にお酢ドリンクは、消化力にとって大事な胃酸の分泌を促してくれますし、 体脂肪の蓄積を抑えるような効果もあるのが嬉しいところ! 筆者は、りんご酢を割ってよく飲んでいます(笑)。
◆焦って食べると腸が荒れる!
2. 食事の時間を15分は確保する
人の消化活動は、神経によってコントロールされています。よく「自律神経を整えよう!」と聞いたことがあると思いますが、まさにその神経です。
具体的には、副交感神経が優位の時に胃腸は活発に働いてくれます。では副交感神経が優位の時とは、一体いつなのか。それは、体がリラックスしている時! つまり、食事の時間が短くて焦って食べていると胃腸がうまく働けず、消化力が低下してしまうのです……!
3. できれば1口20回は噛む
これは、耳がタコになるぐらい聞いていることかもしれません……。しかし、本当に大切なことなので、改めて3つ目に記載させていただきました。理由としては、唾液をしっかりと分泌したいから!
消化は、主に胃と小腸で行われるとお伝えしましたが、厳密にいうと口から始まっています。ですので、しっかり噛んでから飲み込んであげないと、胃腸の負担が増えてしまうのです。
◆消化力を鍛えて、腸内環境を整えよう!
今回は、腸内環境を荒らさないために大切な、消化力についてお伝えしました。一番手軽かつ効果的なのは、よく噛むことです。もし「噛むことを忘れてしまう」「ついつい早食いになってしまう……」そんな時におすすめの方法は、箸置きを使うことです。
料理を口に運んだら、一旦お箸を置くようにすると、よく噛めるかもしれません。ぜひ参考にしていただき、腸活を楽しんでいきましょう!
出典(※1)大島忠之 三輪洋人「機能性消化管障害と酸分泌」(2016)
(※2)Alexandria Bartlett「Dietary protein and the intestinal microbiota: An understudied relationship」(2022)
<文・料理写真/腸活の研究家ざっきー>
【腸活の研究家ざっきー】
腸活の研究家。「健康と体作りを後回しにしない」をモットーに、フォロワー11万人のInstagramでは、論文を元にした腸活情報や腸が整うレシピを発信中。Instagram:@zakii312、Twitter:@chokatu_zakii