Infoseek 楽天

スーパーの「レンチン魚料理」アイテムを徹底比較!3タイプの中で一番美味しかったのは

女子SPA! 2024年4月9日 15時46分

 おいしいレンチン魚の見分け方。

 食文化研究家のスギアカツキです。『食は人生を幸せにする』をモットーに、食トレンド、スーパーマーケットやスタバ、ダイエットフード、食育などの情報を“食の専門家”として日々発信しています。

 魚料理はニオイが出るし、調理も面倒。そういう印象を抱きつつも、ヘルシーだし本当はもっと食べたいと願っている人は多いことでしょう。

 そんな願望にこたえてくれるような“レンチン調理OK”のベンリな商品を頻繁に見かけるようになりました。商品パッケージには、「レンチン調理対応」と大きく書かれています。これ、どれほどおいしいのでしょうか?

 結論から申し上げると、期待以上のおいしさに驚くことがあるでしょう。実はいくつかのチェックポイントがあり、賢く選ぶと焼きたてのようなおいしい魚を味わうことができます。そこで今回は、レンチン調理OKな魚商品で、期待通りの商品を選ぶために重要なチェックポイントをご紹介していきたいと思います。

◆主流の「トレイのままレンチンタイプ」は、価格重視派に

 はじめにスーパーなどでもっともよく見かけるタイプをご紹介しましょう。

 プラスチック製のトレイに漬け魚が1~2切れ入ってパックされているもので、上部パッケージが透明なタイプは生の漬け魚が入り、爪楊枝で数カ所に穴をあけてレンチンするようになっています。

 もう一つ、不透明なタイプは加工済みの魚であることが多く、パッケージを少々開けた状態でレトルトごはんを同じ要領で加熱するもの。これらを指示通りに温めてみると、焼き色はほとんどつくことなく、切り身を強火で蒸したような仕上がりになります。

 食べてみると十分においしいのですが、こんがり感や皮目の香ばしさはほとんどなく、加熱ムラはどうしても発生している様子がわかります。ただし同類商品の中でもっともリーズナブルであることが強みで、おいしさについて若干の妥協をすれば問題なく味わうことができるでしょう。

◆別トレイに移して温める「焼き目加工済のレトルトタイプ」は、雰囲気重視派に

 二つ目は、製造段階で焼き目を直火でつけてから包装されたタイプ。これなら焼き目がないという弱点はなく、焼きたてに近い状態が期待できそう。

 チルドタイプのレトルト食品として販売されていることが多く、温める際には別の皿に出してラップをかけて温めるようになっています。実際に温めてみたところ、確かに焼き目がついていました。

 しかしながら、パリッと焼き上がりの状態とは大きく異なり、しっとりした食感に。パサパサ感がなくかたくもないので優秀ではありますが、厳しく評価をするのであれば焼き魚の世界観とはやっぱり違います。

 皿を使うことやラップが必要な点もマイナス要素としてとらえる人がいるかもしれません。

◆最新技術「レンジでこんがり焼き色がつくタイプ」は、おいしさ重視派に

 そして最後は、レンチン調理で焼き色をつけることができる新しいタイプ。

 この製品は電子レンジだけで生からこんがり焼き目が付く特許製法を駆使した焼き魚で、海心という宮城県・塩釜市の食品加工企業が製造しています。

 レンジ加熱によって焼き色がつく秘密は、袋の構造にあり。レンジで温めると袋の裏部分の穴から水蒸気が抜けることでこんがりした焦げ目が付くように中の水分量が調整されるのです。

 実際に温めてみると、確かに表面や皮部分に香ばしい焼き目ができました。さらには、全体としてパサパサ感は一切なく、身の内側がしっとりしている絶妙な仕上がりに驚きを隠せませんでした。これは期待を遥かに超えるレベル。

 私は2024年3月に開催されたフーデックスジャパン2024で発見しましたが、すでにオンラインショッピングの他、イオンなど大手スーパーでの取り扱いがはじまっています。

 以上まとめると、おいしさを重視するなら「レンジでこんがり焼き色がつくタイプ」を。価格重視なら主流の「トレイのままレンチンタイプ」を。雰囲気重視なら「焼き目加工済のレトルトタイプ」を選ぶのが良いでしょう。

 さあ、皆さんはどのタイプが気になりますか?

<文・撮影/食文化研究家 スギアカツキ>

【スギアカツキ】
食文化研究家、長寿美容食研究家。東京大学農学部卒業後、同大学院医学系研究科に進学。基礎医学、栄養学、発酵学、微生物学などを学ぶ。現在、世界中の食文化を研究しながら、各メディアで活躍している。女子SPA!連載から生まれた海外向け電子書籍『Healthy Japanese Home Cooking』(英語版)好評発売中。著書『やせるパスタ31皿』(日本実業出版社)が発売中。Instagram:@sugiakatsuki/Twitter:@sugiakatsuki12

この記事の関連ニュース