「早く帰ってきてほしくない」と思っていても、夫の帰宅時間があまりにも遅いとヤキモキしてしまうのは妻あるある。もしかして、不倫をしているのでは……と疑ってしまうときもあるのではないでしょうか。
佐藤あかねさん(仮名・34歳)は突然、夫の帰りが遅くなったことに不信感を抱き、独自に調査。その先で目の当たりにしたのは、意外な真実でした。
◆真面目な夫が深夜に帰宅するようになって……
あかねさんは3年前、マッチングアプリで出会った勇太さん(仮名・38歳)と結婚。穏やかな日々を過ごしていましたが、あかねさんにはひとつだけ気がかりなことが。それは、1年ほど前からセックスの回数が減ってしまったことでした。
「夫はどちらかというと性欲が強いほうでした。それなのに、ここ1年ほどはそういう行為がなくて。私から誘っても、『疲れているからごめん』と断られ、セックスレスになっていました」
やがて、勇太さんは帰宅時間が午前0時を回るように。あかねさんは自分とセックスしたくないから避けているのかもしれないと思うようになりました。
「それと同時に、不倫を疑いました。他で発散できているから、私としたいって思わなくなったのかもしれないなって」
そう思うと、いてもたってもいられず。あかねさんはトンデモな行動をとるようになっていきます。
◆夫の不倫を疑って職場に電話をしてしまった
絶対、夫と離婚したくない。もし不倫をしているのなら、必ず別れさせる。そう思ったあかねさんは、なんと勇太さんの職場に何度も電話するように。「身内に不幸があったので伝えてほしい」「伝言を頼みたい」など、いろいろな理由をつけ、勇太さんが職場にいるのかを確かめるようになりました。
「電話をするときは毎回、少し声を変えて別人を装いました。特に深夜は不安が募って、何度も電話してしまうことがありました。携帯だと嘘がつけるけれど、職場にいる第三者から『ここにいますよ』と言ってもらえたら、不倫してないんだって安心できたんです」
あかねさんは、来る日も来る日も職場へ電話。自宅へ帰ってきてはいないのに、「勇太さんなら退社しましたよ」と言われる日がいつか来て、不倫の証拠が掴めるのではないかと思っていたのです。
ところが、いつ電話しても勇太さんは勤務中。そんな生活を続ける中で、あかねさんは夫が不倫をしているというのは勘違いだったのかもしれないと思うようになりました。
◆疑惑の夫は潔白だった!
夫が不倫をしていなさそうだから、職場に電話をかけるのはもう止めよう。そう思っていた矢先、勇太さんから「話がある」との連絡が。実は勇太さん、あかねさんがあまりにも職場に電話をしすぎたため、上司から注意を受けてしまったのです。
「同じ人物からの電話だと思われることなどを告げられ、夫は電話をしたのが私だと気づいたようです。職場でネタにされて恥ずかしいからやめてほしいし、なぜ、そんなことをしたのか知りたいと言われました」
そこで、あかねさんは帰宅時間が遅いことから不倫を疑ったのだと正直に白状。すると勇太さんは悲しみと怒りが混じった表情で「俺のこと、そんな人間だと思ってたんだな」とつぶやきました。
◆帰宅時間が遅い理由とは……
実は勇太さんの帰宅時間が遅かったのは、一緒にプロジェクトをこなしていた同僚が事故にあったり、複数人やめてしまったりして業務に生じた遅れを取り戻していたから。
「夫の会社は3年以内にほとんどの人が辞めていくブラック企業だということを、その時初めて聞かされました。チームのリーダーである夫は1年ほど前から、入社して間もない軽度知的障害の後輩に時間をかけて仕事を教えていたこともあり、帰宅時間が遅くなったそうです」
事情を聞いたあかねさんは、不倫を疑ったことを後悔。しかし、最愛の妻に疑われたことで勇太さんは傷つき、夫婦間には溝ができてしまいました。
「その一件以来、夫は何かにつけて『どうせ俺のことなんて信じてないんだろ』と言うようになりました。帰宅時間も遅いままです」
心が離れてしまった今こそ、本当に不倫をされるかも……。あかねさんはそんな不安を感じながら、勇太さんの帰宅を待つ日々。2人が再び信頼関係を結べる日は来るのでしょうか。
<取材・文/古川諭香>
【古川諭香】
愛玩動物飼養管理士・キャットケアスペシャリスト。3匹の愛猫と生活中の猫バカライター。共著『バズにゃん』、Twitter:@yunc24291
佐藤あかねさん(仮名・34歳)は突然、夫の帰りが遅くなったことに不信感を抱き、独自に調査。その先で目の当たりにしたのは、意外な真実でした。
◆真面目な夫が深夜に帰宅するようになって……
あかねさんは3年前、マッチングアプリで出会った勇太さん(仮名・38歳)と結婚。穏やかな日々を過ごしていましたが、あかねさんにはひとつだけ気がかりなことが。それは、1年ほど前からセックスの回数が減ってしまったことでした。
「夫はどちらかというと性欲が強いほうでした。それなのに、ここ1年ほどはそういう行為がなくて。私から誘っても、『疲れているからごめん』と断られ、セックスレスになっていました」
やがて、勇太さんは帰宅時間が午前0時を回るように。あかねさんは自分とセックスしたくないから避けているのかもしれないと思うようになりました。
「それと同時に、不倫を疑いました。他で発散できているから、私としたいって思わなくなったのかもしれないなって」
そう思うと、いてもたってもいられず。あかねさんはトンデモな行動をとるようになっていきます。
◆夫の不倫を疑って職場に電話をしてしまった
絶対、夫と離婚したくない。もし不倫をしているのなら、必ず別れさせる。そう思ったあかねさんは、なんと勇太さんの職場に何度も電話するように。「身内に不幸があったので伝えてほしい」「伝言を頼みたい」など、いろいろな理由をつけ、勇太さんが職場にいるのかを確かめるようになりました。
「電話をするときは毎回、少し声を変えて別人を装いました。特に深夜は不安が募って、何度も電話してしまうことがありました。携帯だと嘘がつけるけれど、職場にいる第三者から『ここにいますよ』と言ってもらえたら、不倫してないんだって安心できたんです」
あかねさんは、来る日も来る日も職場へ電話。自宅へ帰ってきてはいないのに、「勇太さんなら退社しましたよ」と言われる日がいつか来て、不倫の証拠が掴めるのではないかと思っていたのです。
ところが、いつ電話しても勇太さんは勤務中。そんな生活を続ける中で、あかねさんは夫が不倫をしているというのは勘違いだったのかもしれないと思うようになりました。
◆疑惑の夫は潔白だった!
夫が不倫をしていなさそうだから、職場に電話をかけるのはもう止めよう。そう思っていた矢先、勇太さんから「話がある」との連絡が。実は勇太さん、あかねさんがあまりにも職場に電話をしすぎたため、上司から注意を受けてしまったのです。
「同じ人物からの電話だと思われることなどを告げられ、夫は電話をしたのが私だと気づいたようです。職場でネタにされて恥ずかしいからやめてほしいし、なぜ、そんなことをしたのか知りたいと言われました」
そこで、あかねさんは帰宅時間が遅いことから不倫を疑ったのだと正直に白状。すると勇太さんは悲しみと怒りが混じった表情で「俺のこと、そんな人間だと思ってたんだな」とつぶやきました。
◆帰宅時間が遅い理由とは……
実は勇太さんの帰宅時間が遅かったのは、一緒にプロジェクトをこなしていた同僚が事故にあったり、複数人やめてしまったりして業務に生じた遅れを取り戻していたから。
「夫の会社は3年以内にほとんどの人が辞めていくブラック企業だということを、その時初めて聞かされました。チームのリーダーである夫は1年ほど前から、入社して間もない軽度知的障害の後輩に時間をかけて仕事を教えていたこともあり、帰宅時間が遅くなったそうです」
事情を聞いたあかねさんは、不倫を疑ったことを後悔。しかし、最愛の妻に疑われたことで勇太さんは傷つき、夫婦間には溝ができてしまいました。
「その一件以来、夫は何かにつけて『どうせ俺のことなんて信じてないんだろ』と言うようになりました。帰宅時間も遅いままです」
心が離れてしまった今こそ、本当に不倫をされるかも……。あかねさんはそんな不安を感じながら、勇太さんの帰宅を待つ日々。2人が再び信頼関係を結べる日は来るのでしょうか。
<取材・文/古川諭香>
【古川諭香】
愛玩動物飼養管理士・キャットケアスペシャリスト。3匹の愛猫と生活中の猫バカライター。共著『バズにゃん』、Twitter:@yunc24291