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『ゴールデンカムイ』でも話題の元メンノンモデル33歳俳優、スゴい瞳の秘密を直撃

女子SPA! 2024年5月21日 15時46分

2009年にMEN’S NON-NOモデルグランプリを受賞し、21年の卒業まで雑誌「MEN’S NON-NO」の専属モデルとして活躍してきた柳俊太郎さん(33歳 ※「柳」の正式表記は旧漢字)。12年からは俳優としての活動が目覚ましく、さまざまな作品で印象を残しています。

現在はJO1の川西拓実さんが主演を務め、ドラマ『Silent』の風間太樹監督がメガホンを取った音楽青春映画『バジーノイズ』が公開中。川西さん演じる主人公の清澄に大きな影響を与える、ベーシストの陸を演じています。

今年の頭から公開された『ゴールデンカムイ』での双子の二階堂役も大きな話題を集めた柳さんに、役作りについて聞きました。

◆今まで出会った役のなかでもかなり愛せる役

――清澄とバンドを組む陸を演じました。セリフ自体は少ない役でしたが、どう捉えていきましたか?

柳俊太郎さん(以下、柳)「めちゃくちゃ共感する部分が多くて、今まで出会った役の中でもかなり愛せる役でした。アツい人間なんだけど、伝え方が下手というか不器用。でもプロデュース能力みたいなところは長けている。

音楽をゼロから作り出せちゃう時代だからこそ、今の音楽業界にいがちなリアルな人だなと思いました。クオリティを求めながらも人間関係でギクシャクする姿とか。すごく人間的で愛せる人だと感じました」

――風間監督と特に話し合ったことはありましたか?

柳「(陸が清澄とバンドを組む前に所属していたバンドの)マザーズデイを辞めたあとに、航太郎(井之脇海)と話し合うところですかね。陸の大きな変化って、やっぱりマザーズデイを辞めることだと思うので」

――少し年齢が上の世代は、未来が明るい主人公たちより、過去が輝いていたマザーズのボーカル・洋介(奥野瑛太)に感情移入する人もいそうです。柳さんは洋介のようなもがきも分かりますか?

柳「めっちゃ分かるし、身近にもいると思います。自分自身はマザーズデイも渋いしアツいと思います。あのカッコよさも理解できますし、ああいうバンドが成り上がっていく姿もいいし、僕だったら、すげえ応援したいです」

◆本編での見事なベース演奏。練習期間は一カ月半

――今回ベースを担当しましたが、すごくお似合いでした。

柳「青春群像劇でベーシストの役と聞いて、風間監督ともご一緒したいと思っていたので、単純に楽しそうだと思いましたし、とにかくベースを頑張らなきゃと思いました。風間さんからがっつりクオリティを求められるだろうし、自分自身でもそこのクオリティが低いと説得力がなくなると思っていたので、結構練習しました」

――練習はどのくらい?

柳「期間としては一カ月半くらいかな」

――一カ月半であんなに弾けるようになるんですか!?

柳「決まった曲しか弾けないですよ。楽器めっちゃ弾くと血が出るんだなと知りました。指から血が出て痛いし、どうしようかなと思ったんですけど、プロの人に“アロンアルファでカバーするとなんとかなるよ”と教えてもらいました。一カ月半でしたが、毎日弾いて、先生の家も歩いていける距離だったので、練習日として用意してもらった時間以外も通いました。とても濃い時間でした」

◆「弾けねえじゃん」と思われるのはダサいと

――音楽をやってみようかなという気には。

柳「なりました。監督にも“ベース買います。続けます”と言ってたんですけど、でもやらなかったです(笑)。

今でもやりたいんですけど、今回は、“この曲をやらなきゃ!”というのがあったからできたけど、ピアノとかギターとかだったら弾いて自分で歌ってとかもできるけど、ベースってだいぶストイックだと思うんですよ。

ひとりでやるには。だからバンドを組むとか、なにかモチベーションがないと。誘われたらもしかしたらって感じですね」

――今回の一カ月半は、すごい集中力だったんですね。

柳「やっぱりプレッシャーがありました。こいつ全然弾けねえじゃんと思われるのは一番ダサいと思ったので。そこは突き詰めました。性格的に追い込まれないと宿題もやらないタイプなんです。テスト勉強とかも、“あれ、もう2日しかねえじゃん!”となってやる、みたいな」

――ちなみにバンド自体は、性格的に向いてそうですか?

柳「結構いけそうだと思いますけど。ずっと昔から一緒にいる友達が多いし。ただそこに音楽や仕事が絡んでくるとまた違うのかもしれないけど。でも割と合っているほうなんじゃないかなとは思います」

◆役作りで大事なのはあくまで“感情”

――ところで、今回の作品もコミックの実写化(原作:むつき潤)ですが、今年は『ゴールデンカムイ』での二階堂役もすごかったです。これまでにたくさんのジャンルでいろんな役を演じてきましたが、役によって瞳だけでも全く違った人物に感じます。役作りされる際に、たとえば鏡で自分を映して客観的に見たりはするのでしょうか。

柳「鏡を見るといったことは全然やらないです。これからもしかしたらやることもあるかもしれないですけど、これまではないです。感情に任せているので。

自分の場合は、鏡を見て表情を優先してしまうと感情がついていかない気がして。表情の作り方とかを考えると、アクション性が高くなっちゃう気がするんです。大きくパッパと。そうやって作っていないもののほうが、自分自身は面白いんじゃないかなと思うので」

――ではあくまでも二階堂兄弟のあの瞳も、感情の中から出てきた結果なんですね。

柳「そうですね。もちろん動きのある程度の計算はありますけど、それがどういう風に完成しているのかは、出来上がりを観るまでは自分自身分からないです。だから見え方がどうというのではなく、感情を優先しています」

◆JO1川西拓実「すごくピュアで透明感もあるいい子、すごく愛される人だな」

――『バジーノイズ』ではセッションしている場面も印象的でした。お芝居もある意味、俳優さん同士のセッションです。そう感じるようになった瞬間、作品はありますか?

柳「そこに関しては、初めての現場のときからそう感じた瞬間はありました。全部が緊張して終わるということはないので。

ただデビューの頃は、セッションのように楽しめる瞬間って、奇跡のような感じでしたし、周りの環境に助けてもらっていた部分が多くありました。でも今は自分で楽しみにいける、自分で持っていけるようになりました。そこはだいぶ変わってきたかなと思います」

――ありがとうございます。最後に清澄を演じた川西拓実さんの印象と、本作についてひと言お願いします。

柳「JO1としてはダンスして歌ってというポップな人というイメージでしたが、実際に会って話すと、うちに秘めているものが多い方だなと思いました。それに家ではひとりでトラック作ったりする清澄のようなタイプだと話してましたね。あとちょっとふわっとしていて、すごくピュアで透明感もあるいい子だなと思いました。すごく愛される人だなと感じましたね。

この映画はいろんな幅広い層の人に観ていただける作品だと思っています。キャラクターそれぞれに悩みがあって、現代のバンド音楽をやっている人たちの悩みではあるけれど、青春時代を懐かしく思い出すことも多いと思います。男だろうが女だろうが、年齢も関係なく。あと、音と色がすごく美しくて素敵な作品です」

<取材・文・撮影/望月ふみ>

(C) むつき潤・小学館/「バジーノイズ」製作委員会

【望月ふみ】
70年代生まれのライター。ケーブルテレビガイド誌の編集を経てフリーランスに。映画系を軸にエンタメネタを執筆。現在はインタビューを中心に活動中。@mochi_fumi

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